19.探せばアラもあるんだろうけど、記憶に残る名シーンの方が多い、悪く言いたくない気分にさせる、何回も見直したくなる、そんな傑作です。とりあえず石坂浩二にやられた。風貌も言動も金田一耕介のイメージ通りなんだもん。他にも、メインのおどろおどろしいストーリーはもちろん、ルパン三世そっくりな音楽、随所で効果的に使われるカットイン、加藤武の「よし!分かった!」、すがすがしいラストなどなど、見所は山盛りです。(2023年追記)NHKのドラマとしてリメイクされるとか。NHKだから多分大丈夫とは思いますが、変な方向に変えないでいただきたい。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 10点(2023-01-21 10:58:14) |
18.《ネタバレ》 私にとって特に忘れられない映画のひとつ。なにせ観たのが公開当時の中学二年生、多感な年齢にはインパクト強すぎの映画でしょ(ポスター自体、湖から突き出る逆さ死体の足だもんね)。不穏な雰囲気漂う屋敷内の映像から始まり、これからとんでもない出来事がと匂わせる臨終シーン。どなたかレビューされていたかもしれないけど神経を逆なでするような画面一杯の明朝体のオープニング・クレジット、そこに重なる美しくも物悲しい愛のテーマ…もう冒頭だけでやられましたよ。ストーリーの秀逸さもさることながら、市川監督独自の映像美やカット割り、そして何といっても演技達者な役者陣(私が言うのも大変おこがましいけど…今思うとホントすごい出演者だよね)が揃い、実に見ごたえある傑作になっているかと。おどろおどろしい死体の場面や佐清のゴムマスクはホント怖かったし(被り直す際の口元の動作にぞっとした、今ではバラエティよりになっているのがちょっと複雑)、島田陽子さんの気丈ではあるけど愛にひたむきな大人の女性像、坂口良子さんのちょっと小生意気だけどキュートな相棒?、ご存じ加藤武さんのよし、わかった!、石坂浩二さんのひょうひょうとした中に人間味あふれ誰からも愛される金田一耕助…。あれから何度も観ているけど、普遍的な愛をテーマに、これほど残酷に美しく、大切なモノとストレートに語りかけてくる映画、個人的にやっぱ好きなんだなあ。ということで、忘れられない映画でもあり満点献上します。 |
17.TVで放映されるたびに何度も観ています。何度観ても、犯人が分かっていても繰り返し面白く観れます。やっぱりストーリーの組み立てが極めて優れているからだと思います。推理ものって最初から順番に観ていくのが常識ですが、これは終わりから観ても面白いです。ここが他の映画とは違うところでしょう。金田一は石坂さんですが、知的な雰囲気と数々のナレーター経験を生かした柔らかい口調が相まって非常に安心して観れます。リメイクやドラマなども全部観ましたが、やはりこれを超えることは無理でしょう。それだけ完成度が高いです。 【金田一耕助】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-12-23 15:05:06) |
16.《ネタバレ》 劇場で観たのは高校生のときで,その後はテレビ放送をビデオ撮りしたものを繰り返し観ていました。今回久しぶりにレンタルで観たのですが,テレビではカットされていた数々の場面が実に新鮮でありました。 あの逆さ死体が静馬であるという推理の根拠がきちんと示されていないように思われて,その点だけが残念な気がします。 ただ,その点を差し引いても好きで好きでしょうがない作品であることには変わりありません。 【まきげん】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-07-25 13:34:18) |
15.《ネタバレ》 冒頭の日本家屋の見事なまでの佇まいの中、松子夫人(高峰三枝子)の「お父様、ご遺言を」の声に反応する佐平衛(三国連太郎)に小沢栄の古館弁護士、そして、島田陽子の珠世さんへという流れから始まる場面からして既にこの映画の持つ雰囲気、緊張感に作品の中へと入り込む。引き込む力というものがこの映画にはある。あの如何にも日本的な佇まい、雰囲気、映像美と全てがこれぞ日本映画というものを持っている。佐平衛の残した遺言の内容から次から次へと起きる殺人事件、島田陽子の珠世さんの美しさがより一層、怪しく(犯人ではないかと)思わせるほどの輝きを放っているからこそ、そんな彼女についつい見惚れてしまうほどのものが島田陽子から見られる。金田一耕助役の石坂浩二と女中おはるさん(坂口良子)のやりとりがこのドロドロした話の中で安らぎを与えてくれているのもこの映画の良いところであり、またその他の脇役に眼を向ければ、柏屋のご主人、三木のり平も何とも良い味を出しているし、ちっとも解ってないくせに「よ~し、解った」を連発する加藤武の暑中さんに他にも大滝秀治も良いし、主役から脇役まで一人として疎かにせずに描いている市川崑監督の演出の素晴らしさもこの映画の素晴らしいところで、佐清との松子夫人との会話、やりとりもこれまた泣かせる。そうです。この映画は単なるミステリーではない。母と息子の物語でもあるのです。松子夫人の「佐清に合わせてください」というここがこの映画の中でも最も泣ける場面、ドロドロした話ではあるけれど、美しい映像、美しい音楽により素晴らしい映画になっている。結末は解っていても繰り返し繰り返し観てしまうほどの魅力がいっぱい詰まった私にとって日本映画史上に名を残す大傑作映画!文句ナシの満点! 【青観】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-01-02 21:48:06) |
14.《ネタバレ》 金田一作品の良さは、犯人探しやトリック推理というミステリー部と、殺人の動機やその背景から来るメロドラマ部の織り込み方の妙にある。そして、作者が描きたかったのはだぶん後者の方であろう。一度見たら忘れられない稀代のインパクトを持つキャラ「スケキヨ」、そのマスクを使った入れ替えトリックのもう一人の「スケキヨ」青沼静馬の背景とスケキヨとの絶妙な関係、犯人の知らない所で起こる事後共犯、哀れな姿となった息子に財産を相続させようとする母の盲目的な親子愛、そしてこの悲劇の大元は結局戦争なのだという所まで描き切り、これらを巧みな伏線でひとつに紡がれて行くストーリーと、この時代の雰囲気をまさまさと伝える陰影を含んだ画面。さらに加えて脇を固める多数の濃いキャラとそれらを演じるこれ以上は望めない俳優陣の演技。この作品が「日本ミステリー映画の金字塔」と云われる所以は単なるミステリーで終わらない様々な要素を含んだ奥の深さにある。そういった所に注目して今一度見直して見てはいかがでしょう? それにしても一瞬だけ映し出されるあの湖から出る2本足のシーンのさりげなさと美しさ、そして怖さは見事としかいいようがない。 【チョッパー】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2009-01-02 03:04:18) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 横溝原作ファンにとっても、市川ファンにとっても、ミステリー映画ファンにとってもシリーズの中では一番納得出来る作品、というかマイナス点がちょっと見当たらないほぼ完璧な仕上がり。「悪魔の手毬歌」→夏から冬への季節の変更、ラストへのちょっとした不満。「獄門島」→やはり納得できかねる犯人替え。「女王蜂」→絶世の美女ヒロインにあの女優さんはないだろう。デカデカと画面一杯楷書漢字でのキャスト、スタッフ名のタイトル明記にはショックというか、神経を逆撫でされるような怪しい胸騒ぎがした事を今でもはっきり憶えてます。新旧豪華キャストの大見得を切るような芝居っぷりも楽しい。これからも繰り返しテレビ放映されると思うが、そのたんびにやっぱり観てしまうだろう極めて中毒性の高い映画。洋画だとその感想に最も近いのが「ナイル殺人事件」。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(字幕)] 10点(2008-09-14 10:47:43) |
12.リメイク版と併せてレンタル。 原作も知らないけど、おお面白い。おしゃれ! 30年前以上の映画とは思えない映像美とあのオドロオドロしさ。 ニセ佐清が本性を表すシーンは顔出しより怖かったです。 ただあの死体は狙ったようにうまく刺さってますよねー。 無造作に投げ捨てたとは思えない。 戻ってきた本物の佐清と松子の嘆きは胸に刺さりました。 そう、彼の戻る決断がもう少し早ければ・・って思わされて。 (でもそれだとお話にならないんですけどw) 妹二人も、静馬の母も息子への愛情があふれてていいな。 探偵としては無能?だけど、あたたかい金田一のキャラも良かったです。 去り方が山下清みたいだ。何度でも見たい名作決定です。 テーマ曲の完全版欲しさにリメイク版と2枚組のCD買いました~。 お子様はあのフォントや瞬間挿入カットを見て「エヴァのパクリだ!」 と思われるかもしれませんが、元祖はこちらですよ☆ (私も錯覚しそうでしたが) 【ひろほりとも】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-03 22:29:13) |
11.個人的には、私映画史の十傑には入るなァ。以前、怖いものは駄目だったのだ。脳裏に焼き付いて離れられなくなって、心臓が踊る。それでも当時、本作を見ようと思ったのは、他ならぬ石坂浩二が出ていたから。「天と地と」で上杉謙信を見た時から、初恋の役者さんである。で、結果は「十傑には入るなァ」である。冒頭から、物語へと入り込ませる緊迫感が、音楽と絶妙にあっているし、陰惨な殺人事件を予感させながらも、清々しいまでの自然美(これは市川作品の醍醐味のひとつなんですよね)、物語の流れを決して白けさせない笑い(息抜き)のタイミングの美味み、何より、市川ショットとでもいうのか、独特のカット・ショット。映画って、こういう風に作るんだぁと、変な言い方だけど「作られた映画」というのを実感した初めての作品だったような気がした。見る側の私が、その時、それだけの年齢に達したのかもしれないけど、冒頭の部分から、そういうショットが入っていたせいか、その後の展開も、怖いもの嫌い先入観を抜きに見られたような気がする。勿論、役者の力量も凄い。大好きなへーちゃんの魅力も余すところなく引き出してくれたけど、とにかく役者の使い方、撮り方が、上手い。特にベテラン陣の味わいを、深く、切なく、時に滑稽に引き出しているのは、凄い。個人的には、復讐劇の発端になる子供の人生を台無しにする菊乃母の怨念は頂けない(結局、財産目的かい)が、ベテラン陣の味わい深さが、作品中唯一の底の浅さ(あるいは浅ましさ)を、補って余りある。中でも、高峰三枝子の押し出し、声の深さは、若かった私にも鮮烈な印象だった。湖に木霊する、あの声は、今でも耳の奥に残っている。御亡くなりになったと聞いた時は、本当に残念だと思った。本作は、コマーシャルに乗ったミステリー・サスペンスで、決して文芸でも大作でもないが、ある意味、邦画に新風を吹きこんだ一作だったのだろうと思う。 【由布】さん 10点(2004-07-14 22:59:07) |
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10.市川監督の描き方にね、やさしい眼差しを感じるんですよ、この時代、そして当時の人々への。終始漂うノスタルジックに、当時を知らない僕も和んでしまうのです。そして“親子の愛情”が描かれますね、というかコレこそ、この作品も含めた市川・石坂金田一シリーズ5作を括る、おっきなテーマであり…そう魂なんだ。だから僕は5作品とも大好き。価値観が激しく変化せざるを得なかった時代だったけど、この絆だけは絶対に変わらないんだよ…市川監督の叫びとも思える声が聞こえてきそうなんです。横溝先生と、同じこの激動の時代を生きてきた監督ならではの到達点だと思う。全作品に、ほんと悲しく、温かい親子の愛があふれている。親は子供のためなら、時に鬼に身を落としてしまうのでしょう、凄惨な描写が激しければ激しいほど、愛情が切なく美しく際立つんですね…。終盤、「佐清に、佐清に会わせてください…」水面がキレイな湖面を背景に、高峰・松子夫人の声がこだましますね、この瞬間、いつも決まって涙してしまうんです。 【BUNYA】さん 10点(2004-01-02 19:59:50) (良:1票) |
9.菊人形といい、スケキヨマスクといい、インパクト大! 【しゅう】さん 10点(2003-06-03 00:55:03) |
8.未だに酔っ払うと仮面をはがすフリしながら『青沼静馬だッ』とダミ声でモノマネしちゃいます。 【こうもり傘序曲】さん 10点(2003-03-11 16:27:01) |
7.非常に優れた娯楽作品である。おどろおどろしさ,重厚さ,華麗さ,ユーモア,人情。日本人の心の琴線に触れるこれらのツボを,巧みに押さえまくりである。しかもこれらの要素は決してごちゃごちゃと互いを侵害しない。作品全体としての印象があくまでもすっきりと明快なのは,金田一耕助という魅力的なキャラクターと,シンプルで骨太なプロットの功績であろう。 【mina】さん 10点(2003-02-01 07:46:21) |
6.レベルが低い日本映画の中でこれは秀逸です。見終わったあとの余韻がたまらなく良いです。 【イサオマン】さん 10点(2003-01-14 21:53:46) |
5.ラストの金田一探偵と古館弁護士の、探偵料と領収書と心づけをやりとりするシーンで、なぜか涙が出ました。ここで金田一がスーパーヒーローとしての探偵でなく、職業としての探偵でありすなわち人間にほかならならず、職責にも忠実であり、しかも人間らしい心遣いも忘れていないということを見せてくれるからです。 【新加坡指令】さん 10点(2002-12-13 23:32:44) (良:1票) |
4.ゾッとするほど美しい映像と圧倒的な存在感。なにも言うことはありません。金田一耕介は石坂浩二以外ありえない。 【ハト課長】さん 10点(2002-11-02 14:24:08) |
3.完全無欠の金田一映画の最高峰。2作目の「悪魔の手毬唄」の方が作品としては上だが、謎解きや死体のオブジェ、豪華さと華麗さでは犬神の方が素晴らしい。怖さだけでなく、加藤武や三木のり平のコメディリリーフも冴え渡る娯楽映画の王道。角川映画の最高位。 【やんや】さん 10点(2002-09-17 15:45:58) |
【MONDAY】さん 10点(2001-06-21 18:24:42) |
1.音楽・俳優陣・映像・物語とすべて一級品。日本映画が真の娯楽であった頃の終末期の作品。角川映画は偉大ッス 【ZERO】さん 10点(2001-05-20 00:05:00) |