西鶴一代女のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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西鶴一代女

[サイカクイチダイオンナ]
Life of Oharu,The Gallant Lady
1952年上映時間:137分
平均点:7.65 / 10(Review 20人) (点数分布表示)
公開開始日(1952-04-17)
ドラマ時代劇モノクロ映画ロマンス小説の映画化
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タイトル情報更新(2020-05-15)【イニシャルK】さん
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監督溝口健二
助監督内川清一郎
キャスト田中絹代(女優)お春
山根寿子(女優)奥方
三船敏郎(男優)勝之介
宇野重吉(男優)扇屋弥吉
菅井一郎(男優)お春の父新左衛門
松浦築枝(女優)お春の母とも
進藤英太郎(男優)笹屋嘉兵衛
大泉滉(男優)笹屋番頭文吉
清水将夫(男優)菊小路
加東大介(男優)菱屋太三郎
小川虎之助(男優)磯部弥太衛門
柳永二郎(男優)田舎の御大尽
市川春代(女優)侍女岩橋
原駒子(女優)お局葛井
毛利菊枝(女優)老尼妙海
沢村貞子(女優)菱屋の女房お和佐
近衛敏明(男優)松平清隆
荒木忍(男優)重役真鍋金右衛門
高松錦之助(男優)丸屋主人七左衛門
水野浩(男優)用人篠崎久門
志賀廼家辨慶(男優)笹屋の大番頭治平
石原須磨男(男優)丸屋の番頭
横山運平(男優)貸衣装屋
出雲八重子(女優)お熊
平井岐代子(女優)お杉
金剛麗子(女優)お仙
草島競子(女優)侍女袖垣
津路清子(女優)中宿のおかみ
衣笠淳子(女優)女乞食
大和久乃(女優)丸屋の仲居おたま
林喜美江(女優)おまん
浜田百合子(女優)お局吉岡
原作井原西鶴「好色一代女」
脚本依田義賢
溝口健二(構成)
音楽斎藤一郎
撮影平野好美
製作児井英生
新東宝
配給東宝
美術水谷浩(美術監督)
編集後藤敏男
録音神谷正和
照明藤林甲
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4.これはまたただならぬ映画ですね。

一切の妥協を排してひたすら一人の女の人間性を問い詰めて行く。この執念深さには脱帽としか言いようがない。
日本映画なのにどこか北欧の映画を見ているような、妙に普遍的な感覚を覚える。

ことに人生の重圧に耐えてなお気丈に立ち向かうお春(田中絹代)が、居並ぶ羅漢像の前で過去を振り返り
感極まって気絶する前の、あの突き詰めた表情は、どこか崇高さすら帯びている。
また、夜鷹に落ちぶれたお春が、客の求めに応じて、化け猫のふりをしてお金をもらうところなど実に秀逸。

まさにこれは溝口健二にしか撮れない傑作。
kinksさん [映画館(邦画)] 10点(2019-09-25 00:19:57)
3.《ネタバレ》 随分と昔に見た時、偉大な名作というよりも、正直いって“実にヘンな映画!”という印象を抱いたものだった・・・。

同じ溝口監督の『山椒大夫』や『雨月物語』あたりに比べても、本作はどこか観客を奇妙な「居心地の悪さ」のなかに置き続け、結局そのまま置いてきぼりにしてしまう。感動というより、途方に暮れてしまう・・・といった印象。たぶんそれは、田中絹代演じるヒロインの、あまりといえばあまりすぎる「不運ぶり」とその転落人生を、徹底して突き放しながらも凝視する映画(というより、監督である溝口健二)の眼差しの“強度”に、見ているこちらが思わずたじろいでしまうからではあるまいか。

宮仕えの身から、最後は夜鷹という最底辺の売春婦にまで堕ちてしまう女。その次々と襲いかかる不幸の連続は、確かに封建的な時代の理不尽さや、女性に対する社会の酷薄さという戦後作品における「溝口的主題」を反映しているかに見える。が、この映画におけるヒロインの「怒濤の不運ぶり」たるや、ほとんど「喜劇」と紙一重だ(実際ぼくは、不謹慎と思いつつ見ながら何度も頭の中で爆笑してしまった・・・)。人生をクローズアップで見たら悲劇、ロングショットで見たなら喜劇だといったのはチャップリンだけれど、まさにこの映画は、ロングショットで見られた“世にも不幸な女の人生”そのものではないか。

しかし、本作を見ながらじわじわと迫るのは、田中絹代演じるヒロインを次々と不運にさらし、追い込み、堕ちさせるのが、他でもないこの映画(と、作り手の溝口)自身だという実感だろう。明らかにここでの溝口監督は、彼女をとことん汚し、堕としめることだけに精魂を傾けている。そしてこの、とことん堕ちた女に魅了されている(年増の夜鷹となった田中絹代の、凄絶なまでに美と醜がせめぎ合う様・・・!)。逆にいうなら、徹底して汚れきった女にしか表し得ない「美」があること、それを表現するためになら、人ひとりくらい平気で不幸のどん底へ突き落としてみせる。そういう気迫と「残酷さ」が、ぼくたちをただ圧倒するんである。

そして、そんな溝口の妥協なき「残酷さ」を全身で受けとめ体現しきった、田中絹代という女優の凄さ・・・やはりこれは、鳥肌ものの映画であります。
やましんの巻さん [ビデオ(邦画)] 10点(2010-03-01 12:29:11)
2.カメラが「もっと田中絹代を!」と求めているみたい。それは欲情に近いかもしれない。仏像を眺める田中絹代の頭にかかる布がスウッと落ちるところや、竹やぶの中での壮絶な自殺未遂のシーンのような圧倒的な映像を見せる部分はもとより、堕ちるところまで堕ちて遂には化け猫扱いまでされてしまうところでも、あるいはラスト、屋敷の中で成長した息子に一目会いたいがために男たちの間を軽快なフットワークですり抜ける、そんなシーンでもカメラは田中絹代を決して離さない。田中絹代が役柄を超えて内面の魂を表に出す瞬間、そしてその瞬間をずっと持続させるかのような溝口の長回し。凄い。雨月や山椒大夫には無かったユーモラスな雰囲気の前半がまた良い。嫁選びの長回しシーンなんて、自分の撮影スタイルをもネタにしているみたいで二重に笑える。戦後の低迷期から上昇するきっかけとなったといわれるこの作品を是非。
Qfwfqさん [映画館(字幕)] 10点(2005-12-02 09:33:44)
1.《ネタバレ》 ラストの方で、田中絹代演ずる主人公が、奪った我が子を抱き抱えて屋敷の庭を逃げ回るシーンでの、捕まえようとする家来たちの手をすり抜けていく彼女の軽ろやかなフットワークは、まるでNFLの選手のようで、いたく感動いたしました。
なるせたろうさん 10点(2003-10-14 15:33:40)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 20人
平均点数 7.65点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5420.00%
6315.00%
715.00%
8420.00%
9420.00%
10420.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 9.00点 Review1人
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