3.《ネタバレ》 ベルトルッチが亡くなってしまった。
追悼の意を込め、自分が観られる範囲での、まだ観てなかった最後のベルトルッチ作品を鑑賞した。
カメラマン、ストローラとの最後のタッグ作品である。
これ以降、ベルトルッチは小作品(でもどれもスゴイ作品ばかりなのだけど)を撮ることになる。
見応え充分!嫉妬すら覚える、このブッダへのアプローチの作家的感性。
何十年に1人の逸材だろうなぁ。
観ながら、スコセッシがキリストの伝記を「最後の誘惑」で忠実に創ったのを思い出した。
さすがベルトルッチ、彼と同じようなアプローチはたどらない。
高僧がブッダの生まれ変わりの子どもを探し、3人候補が上がる。さて、一体どの子が・・
という話にしてしまい、それを観応えある映像で魅せる。
どの作品も好きだったベルトルッチ。
ただ才気あふれる彼も、自伝のような「ドリーマーズ」でだらしない性を描いた後、
遺作となる「孤独な天使たち」との間にかなりの時間が経っている。
闘病してたんだろうが、この間の彼の心が何を感じ、何を想っていたか、興味ある。
「孤独な~」を観ると、若い世代への信頼感が感じられる。
もう老境の域だったんだろうか・・
素敵な詩的な大監督、安らかにお休みください。