2.《ネタバレ》 このような臆面の無い安手の病と死で泣けといわれても困る。勿論、病と死の利用が悪い訳ではないし、
症状に整合性を求める訳でもないが、少なくともイイカゲン過ぎとかデタラメ過ぎとか思わせては駄目ではないか。
風と楽器の音色から導かれていく広瀬すず登場シーンがなかなか良く、ヴァイオリン演奏シーンも
頻繁なカット割りながら彼女の表情と運指を出来る限り同時にみせる意気がみえる。
その登場シーンや海辺のシーン、橋からの飛び込みのシーンなど、彼女の素足へのこだわりが窺がえて、その足が動かなくなる絶望感が
演出されていくはずなのだが、ならば前半でもっと足のアクションを充実させて欲しいところだし、
そもそも音楽家を苦悩させるのなら、手を不自由にさせるべきではないかなどと思ってみたり、
とにかくドラマのチグハグ感が半端ではない。
演奏シーンの途中で、いちいち口に出される台詞もほとんど不要。説明病に侵されすぎである。演奏中はお静かに願いたい。