1.《ネタバレ》 開始直後、日本語吹替えであることに気付く。日本人の俳優たちは外国語をしゃべっているようで、そこに日本語を当てている。外国人の顔で、口が外国語の動きで、日本語に吹き替えられているのなら分かる。しかし、日本人が外国語の口の動きで、日本語に吹き替えていることに違和感を覚えた。僕は映画そっちのけで、しばらくこの違和感について悩んだ。なぜ違和感があるんだろう。
そんな違和感から始まって、ルパン三世らしさが全く得られない物足りなさが続き、僕はこの映画にルパンらしさを求めることを止めた。ルパンと比較することを止めた。そしたらとたんに、彼らが単なる頭のおかしいナルシストに見えてきて、嫌悪感を覚えた。ので、やはりルパンと比較して観るしかないなと思った。つまり、ダメ。
ルパン三世がなぜ面白いか、盗まれるお宝そのものに魅力やストーリーがあるからだ。そのお宝には神々しさがあり、触れることすらためらわれるくらいだ。それに対する厳重な警備と、それを上回るルパン達の”愉快な”攻略作戦。これらがルパン三世の楽しみである。それがない。つまり、ダメ。
綾野剛は頑張ったと思う。しかし、斬鉄剣は決して人を殺傷しないはずだ。あのヒャッハー系悪役へのとどめは、縦に真っ二つにするんじゃなく、着衣をパラバラにして全裸にして前を手で隠して「ヒャッハー」って走り逃げ去る、にすべきだ。斬鉄剣が血で穢れてしまったのは極めて遺憾。もうダメ。
空気抜かれていく密室にルパンと東洋人二人。にもかかわらず、呼吸困難になっていくのはルパンだけ。東洋人も息苦しそうにしていたかもしれないが、あれは演技以前の問題。その程度っすよ。