3.《ネタバレ》 冒頭、タイトルの出し方のセンスに悪い予感がしましたが、そのまま最後まで行っちゃった映画でした。そもそも「綱引き大会に優勝したら給食センター存続」に無理があるから、市長の公用車を引っ張るとか市長を殴るといった荒唐無稽へ繋げるしか無くて、無理矢理に感動的なお話を仕立てた印象しか残りません。感動はしないんですけど。
ストーリーを肉付けるはずの個々のエピソードも掘り下げが浅く、途中で放り投げたものが多い。最も時間を割いた西田尚美母子にしても、血の繋がらない母の人生を不憫に思うなら、なぜあんなグレた態度を取るのか分からない。「多感な時期」だけで済ませて欲しくない部分です。その母が飛びきり苦労しているのならまだしも、競輪場で遊んでますからね。さらに、その母に長ったらしい台詞を用意して締めようとする。心情を言葉で聞かされ、ゲンナリさせられる好例でした。
「大分」は個性の無い場所なのでしょうが、それを前提にするなら、映画全編を通してもう少し「地域性」の演出に努めるべきだとも思いました。ハコだけ用意して中味スカスカな映画という印象です。
褒めるところがあるとしたらは主演女優の不機嫌な演技かな。キュートな容姿ですが、なぜか彼女は歯を食いしばっている姿が似合います。