2.《ネタバレ》 まったくどんでん返しになっていないラストに呆然。
あまりにも見え見えだったので、それがミスディレクションでもう一ひねりあるだろうと思ったくらい。
ところが、早くから予想された通りの真相で、拍子抜けもいいところ。
レイプ殺人の被害者とされた女と、犯人とされた同僚の男が、ともに死刑廃止の活動家ということで、事件の真相は見えてくる。
それに、ケヴィン・スペイシーということで、どうしてもカイザーソゼのイメージがあって、素直に冤罪の被害者で終わるとも思えない。
そこで死刑撤廃を目的とした計略が疑われるが、それにぴったり合致するようなシーンが続く。
デビッドがビッツィーへ孤独と不安を抱える二人が愛し合ったところで、やっぱり二人は共犯だったと予想が確信に。
愛する女の思いを遂げさせ、一緒に死んであげるというのは、究極の男の純愛か。
愛というよりは共感と、冤罪ですべてを失ったことへの絶望と復讐のような動機かもしれないが。
ただ、中盤から真相が見えてしまい、謎解きやどんでん返しのサスペンスの醍醐味は味わえず。
そういったことを抜きにしても、内容的にもスッキリはしない。
死刑廃止の思想も、それを実現する手段もまったく共感できないし、生死をかけてそこに突き進んでいくことに違和感を覚える。
コンスタンスがデビッドも犠牲になる偽装計画に反対しなかったのも解せない。