2.《ネタバレ》 本音全開の主人公のセリフは面白いし、これまでのイーストウッド作品に比べたら気分よく見られた。けれど、あれだけ人生経験豊富でいながら、バカなギャングたちにいたずらにけしかけるような真似をするものだろうか? 咳で吐血するのは、ラストで「ほらみろ、取り返しつかなくなった」と思われないための道具。ご都合主義。荒っぽくて時代遅れの男臭さを出すのは良いが、思慮もなく銃を振り回す馬鹿な若者相手には小狡いほどのクレバーさで対抗してくれる方がカッコいいと思う。 【追記】ここのレビューの高評価の数々に驚きます。たかが映画と割り切っているからとしか思えません。まだ健康であらゆる生き甲斐を持っていても、あんなふうに人が死ぬのを見て「感動した」って言ってれば良いんでしょうか? 命を犠牲にしてあのチンピラが消えても、同じようなのがまだいるんでしょうに。命を軽々と解決策に使って感動させようとする映画は本当にシラケる。あんな風に命を落としてくれる人が次々と現れない限り、あの居住区はまともになれないみたいだ。あれほど銃武力が身近な場所から息子夫婦がリゾートめいた施設への移転を望むのは当然だし、孫も最初からあんなじゃなかったはず。いいおじいちゃんなら、あんな言い方しか出来ない成長をしてしまった孫娘に気の効いた説教くらいすべし。というか、あそこまで偏屈なじいさんに孫娘は自分から話しかけないだろうし、彼のものを欲しがったりしないだろう。家族との絆の描き方が投げやりなくせに、盗人隣人との絆は丁寧に描く。わざとらしすぎだ。