3.50億円余の製作費(多くの関係会社が泣いたという噂)に、大量に動員したエキストラ、こういったものを持て余しているのがヒシヒシと画面から伝わってくる、まさに自家中毒状態の作品。
大勢のエキストラでマスゲームを演じたら、さすがにスペクタクル感はイヤでも出るだろう、と思ったら、実はそうでもなかった、というのは、大きな発見、大きな教訓。私も正直、意外でした、ハイ。
ひたすら薄っぺらい音楽が、ますます作品をスペクタクルとは真逆の方向へ。
ずっと安く済ませながらあれだけ盛り上げた『戦国自衛隊』は、やっぱりエラいと思う(傑作だと言うつもりは無いけど)。
とは言え『乱』の製作費26億円が、フランス資本に頼らざるを得ず、日仏合作となったことを思うと、角川春樹の野心、一目置くべきものなのかも。