14.少しひいきめに見てこの点数が妥当な作品。
音楽が軽快な割にテンポが悪すぎる。
中身ははっきり言って何もないと言っていい。
良いところをあげるとすれば、車のトランクのシーンとバーでのシーンだろう。
トランクの中で「もし違う場所…バーとかで会ってたら」という前振りをしていて、デトロイトのバーでのシーンを持ってきている。
そのバーでのシーンも広告マンの仕事当て等を前振りに使っていたのはかなり効果的と感じた。
この2シーンはなかなか良いのだが、良いのはこれくらいで、コケル男の前振りとかはわざとらしく感じる。
そもそも本作は映画のように一瞬で恋に落ちることはあるのかというテーマとそんな運命的な出会いをしても立ち止まらずに歩いて過ぎ去ったときの「あのとき立ち止まっていれば…」のような後悔をしたくないというテーマがあったように感じる。
このあたりが上手く演出されていないと感じた。
特にラスト前のフォーリーを銃で撃つかどうかのシーンはもっと葛藤みたいなものが必要であろう。
フォーリーも「明日に向かって撃て」のように塀の中で死ぬよりも外で死にたいという願望があったはずだ。
カレンにとっては愛と仕事に揺れる葛藤もなければ、フォーリーにとっても刑務所に送られればもう出て来れないという葛藤があったろうに。
どうも中途半端で甘すぎ、軽すぎる部分を感じる。
ラストは逃げたグレンあたりを再登場させて、なにかの拍子でカレンがフォーリーを撃って殺してしまうような展開の方が良かったのではないかと個人的に思った。
死ぬ間際に「一時停止は終わりだ・・」のようなセリフがあればそこそこ良い作品になったような気がする。