1.《ネタバレ》 監督がハル・アシュビー、脚本がオリヴァー・ストーンという布陣でここまで面白くない映画が出来ちゃったというのはある意味サプライズです。このお二人、良く考えたら刑事アクションもの映画に関わったのはほとんど本作だけなんですよね、やはりこれは人選ミスなんでしょう。 まず一夜だけのあんな薄い間柄だったのに、なんでジェフ・ブリッジスがあの娼婦の仇を討とうと奮闘するのかがさっぱり理解できないし、当然感情移入もできません。あの手のタイプの男なら、娘もいることだし奥さんと縁りを戻す方向で努力するほうが自然なストーリー・テリングだと思うんですけどね。終わってみればまたまた娼婦のロザンナ・アークエットと仲良くなってるとはなんか違う感じがするんです。こういうのがハードボイルドなんだと思ってるとしたら、オリヴァー・ストーンも勘違いが甚だしいですよ。 唯一この映画で興味が引かれたのはがらんどうの倉庫でジェフ・ブリッジスとアンディ・ガルシアたちが人質交換で三すくみ状態になるシークエンスで、タランティーノお得意のプロットの原型みたいな感じでした。シネフィルのタラの事だから、きっとこの映画も観てて影響を受けているのかもしれません。