23.《ネタバレ》 キャサリン・マコーマックの笑顔がとてもキュート。
その笑顔が3分の1にもならない前半であっさり消されたのはもったいない。
壮大なスケールでの戦闘シーンは、さすがに迫力があって圧倒される。
初夜の花嫁を領主に持っていかれるというのは最大の屈辱で、スコットランド農民の立場の弱さを端的に物語る。
スコットランド貴族が保身のために寝返ったあたりは、ドラマティックでよかった。
エドワード王の冷酷非情なキャラが立っている。
その王が死の床にあるとき、王妃が耳元で囁いた復讐の言葉。
王にとっては剣で突かれるよりもこたえたに違いない。
ソフィー・マルソーの気品ある美しさは、王妃の役に適っていた。
ただ、ストーリーはおかしなところもチラホラ。
ウォレスは新妻を殺されて復讐に立ち上がったのに、王妃と不倫してはひたむきな愛もぶち壊し。
それで処刑前に亡き新妻の幻影を見たところで、感動なんてできるわけがない。
イギリス軍に対してまったく戦意のなかった農民たちが、ウォレスの演説で一瞬にして180度変わってしまうところも解せない。
そんなに人々の心を動かすほどのことは言ってなかったし、ずいぶんと簡単な扇動に見える。
エンターテイメントのために民衆の心の動きを単純化しすぎていて、深みは感じられなかった。
それに、マコーマックとメル・ギブソンが同年代の幼なじみというのは無理がありすぎ。
どうみたって年の差カップルに見える。