1.まったく平凡な一般庶民だった少女が、唯一の肉親である母親の死に際して突如として現れた超大富豪の兄によって、超スーパーお嬢様学校に編入させられるというプロットは、ベタといえばベタだが、その設定がいちいち“大袈裟”すぎていて、面白い。
主人公を中心とした主要キャラの3人が、同じように表向きは“お嬢様ぶっている”というのも愉快である。
ベタベタなCGによって仰々しく作られたビジュアルも、遠慮の無いキャラクター設定も、この手のコメディ映画として及第点だと思う。
ただ、少々“はしゃぎすぎ”ているような気もする。
学園内の騒動程度で留めておけばとても小気味よくまとまったと思うが、謎の悪党集団とあまりに破天荒なバトルアクションまでしてしまうと、満腹感を通り過ぎてしまった。決着の付け方も、映画として豪快というよりは、シラけてしまう部分がある。
そして、作品のテンション的に、程度の低いCGを多用するのは別に構わないと思うが、決して必要のない箇所にまで乱用するのは、品がないと言わざるを得ない。
こういう映画は、物足りないよりはやり過ぎる方がよっぽど良いので、その方向性自体は決して間違ってはいなかったと思うが、あまりの節操の無さが残念だ。
「おチキンおラーメンでございますのよ」という台詞だけで、充分でございますのよ。