25.《ネタバレ》 前作の流れを引き継いだドタバタコメディだが、笑うに笑えない。その理由は2つ。
第1に、終盤でケビンが911に電話して警察を呼んでいたが、それくらいの知恵があるなら、ニューヨークに着いた時点で空港の係員に迷子であることを話すとか、ダンカンのおもちゃ屋に泥棒が入ると知った時点、または脱獄した泥棒を発見した時点で警察に連絡できただろう。そうしたらそもそもこの物語は成立しないので、無理やり作った感がある。
第2に、ケビンの仕掛けるイタズラがイタズラの域を超えている。日本の作品ならば、「子どもがマネしたらどうするのか」と論争になりそうだ。
まず、泥棒に対してやりすぎである。本当ならば、あの泥棒たちは何度も死んでいるか、重傷を負っているはずだ。正義のためにやったこととはいえ、おとがめなしでいいのだろうか。また、薬品まみれになった泥棒のからだにくっついたエサをハトが食べていたが、あのハトたちは後で大量死したのではないだろうか。
次に、ホテルの人たちへもやりすぎである。子ども一人で泊まっていることをばれないようにしたとはいえ、ホテルの人たちは泥棒とは違う。犯罪者はケビンのほうなのに、ホテルの人たちをおちょくるイタズラは不快きわまりない。それなのに全員ただで宿泊するなんて。ルームサービス代を払えば済むという問題ではない。
ケビンの母親はホテルの人たちがケビンをつかまえなかったと言ってキレていたが、悪いのはどっち?と言いたい。息子を忘れて飛行機で旅行に行っちまった母親(しかも2回も)、父親のカードを無断で使って嘘をついて高級ホテルで豪遊した息子、嘘を信じて息子を宿泊させたホテル、どう見ても悪いのは親子のほう、犯罪とすらいえる。それなのに、ホテルに責任を押し付けて逆ギレしてる母親は、たちの悪いモンペアである。
そういった意味で、私にとっては興ざめな映画だった。3と4もあるそうだが、主役が交替し、どんな映画になるのだろう。
この作品はやけに古くさく見える。ケビンがテープレコーダーを愛用していたり、空港の係員が搭乗券や家族の存在をよく確認せずに飛行機に乗せたり、ホテルの従業員がクレジットカードをその場で盗難確認をとらずに使わせたりなど。3と4はもうちょっと現代風になっているだろうか。ハイテクなイタズラだと、面白みに欠けるような気もするが。
3は2よりも残虐らしいと聞くと、息子は「3は見たくない」と言っています。お笑いでよく、誰かを痛めつけて笑うネタがありますよね。ああいうのを見て「おもしろい」と感じる人に向いている映画です。「見るに耐えない」と思う人は見ないほうがいいです。