8.この映画は罪深いです。原作はすごく面白いのに、
この映画はぶっちゃけたいして面白くないというのが
そもそも問題なんですが、でもそれ(映画版はイマイチ)自体は
よくある話です。じゃ何が罪深いかというと、
例えば、同じ「映画化したら面白くありませんでした映画」でも
クージョみたいな映画だと、
後で小説を読むことで「おぉ、小説は面白いんじゃん!」とか思うこと
が可能なんです。
ところがの「将軍の娘」は、原作は大変おもしろい娯楽ミステリー小説なんです。ミステリーなんですよ、一応。
「この娘を殺したのは誰か?」「この事件の動機は何か?」
といった謎解きが小説の主たる面白さなわけです。
ところがこの映画を見ちゃうことで小説を読む前にそこがネタ
われしちゃうわけですね。
つまり、映画が面白くないからと思って後で小説を読んでも、
もう小説を面白く読むことが不可能なんです。
つまりこの映画、映画自体がつまらないことはまぁいいとして
も、観た人間がその後で原作小説を面白く読む
楽しみも奪ってしまっていて、そういう面で点数以上にめっち
ゃ罪深い映画だといえます。