3.オリジナル『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』は私が滅多に出さない10点満点作品である。別格中の別格なのだ。だから比べようとは思わないが、それにしたってこのリメイク版の序盤の間の悪さというかつかみどころのなさはなんなのだ。とにかく作品の方向性が見えてこないのにイライラした。いわゆる「つかみ」がダメ。豊川悦司と和久井映見がそれぞれどうしたいのかがさっぱりわからない。言ってることとやってることが違うってことを表現できていない。完全に冷え切った夫婦のように見える。ストーリーが進むにつれて段々と二人の性格が判別してきて作品の方向性も見えてくるので中盤あたりからはそれなりに楽しめてくる。省略と繰り返しの妙で見せる夫婦漫才のようなノリはやっぱり面白い。人が変わっても面白い。要するにシナリオは面白いけど演出がダメってことなんだろう。比べるつもりはなかったけど、山中版はやっぱ、うまいねえ。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-03-03 15:59:08) |