1.《ネタバレ》 重!もっとドタバタしたコメディーでよかった。
重いテーマを重い進行でやるのは私は芸がないと思う。
こういう話こそ、90笑って10泣いてみたいのがいいのに。
母親の花はいつも笑ってるという設定だが、それにしては暗く見えてしまう。
ちょっと暗い天然ボケの女の子。
これは完全に脚本の不備だ。母のエピソードがいい加減だからだ。
そもそもこの母親があまり魅力的に見えない。
子供に対する愛情はあるのかもしれないが、愛情とは裏返せば執着でありエゴだと思う。
それが描かれてない。夫が野垂れ死んだ時、
私が花なら、他人にバレちゃうとか変に思われるとか関係なく夫の遺骸にしがみつき、抱きしめ
キスをし、泣き叫ぶだろう。
ところが花は諦めてしまう。ほんとに愛してたの?
雨が去る時だって簡単に諦めて、がんばって~、しっかり生きるのよおなどと送り出してしまう。
かなりドライな母ちゃんだ。
監督は大げさなドラマを廃したかったんじゃないかという狙いはわかる。
でも、それが逆に「都合良さ」をいっぱいうんでしまった。
例えば
何も知らない夫婦ふたりで自宅で出産しました→だいじょぶでした。
薬を誤飲→たいしたもんじゃありませんでした。
その後も自分も子供もたいした病気にかかりませんでした。
農作物がうまく育たない→みんなで助けてくれました。
クマに出会いました→行ってしまいました。
それにしてもこの映画の対象は何歳なんだろう。間違いなく子供にはウケないと思う。
では現在子育てしてる親か?いや、あまりに重くて、コレ見ても強く共感はできるが
(たぶんボロボロ泣く親が多いと思う)
泣けはするが、決して元気になれるようなしろものじゃない。
子育てに疲れてる親は絶対見てはいけない。
それでいいのだろうか。
ラストのアンサリーの歌もあまりよくない。曲はいいのに彼女の安易な歌唱がだめにしてしまった。
同じ傾向の歌では・・例えばコクリコ坂の手嶌葵のものすごさには到底及ばない。
サマーウォーズは高く評価するが、これは残念ながら評価できません。失敗作です。
次回作に期待します。