9.《ネタバレ》 神の国エジプト。女性が口を出すと時間が掛かる的な発言が話題の昨今、上映時間4時間越えの超大作。もともとが2本の映画だったらしく、色々削ったりしてこの尺に収めたとのこと。
前半のカエサル編、ファルサルスの戦いの終結からアレクサンドリア上陸。野蛮と称されるローマ・カエサルの貫禄と余裕。対するエジプトのプトレマイオスはポンペイウスを処刑するなど野蛮で稚拙にも見える。
絨毯からコロコロとクレオパトラ登場。巧みな交渉術と気品と美貌でカエサル相手に自分の優位性を魅せる。ここからのクレオパトラとカエサルの駆引きが面白い。
凱旋式の豪華なこと豪華なこと。テンポよくサクサク進むし、出てくる度に衣装が変わるクレオパトラが見もの。カエサル暗殺を巫女の占いで見せるのも面白い。有名な「ブルータスお前もか」もセリフ無し。カエサルの死を前に息子の将来を一番に心配するクレオパトラ。野心家。
アントニウス編、骨太で男くさいアントニウスと、病弱でナヨナヨしてアグリッパ頼りのオクタビアヌス。
タルソス出頭からの船上の宴への招待、ここでもクレオパトラの駆引きの上手さが見える。クレオパトラにすっかり骨抜きになったアントニウスと、ローマの政界でメキメキと頭角を現すオクタビアヌス。
中盤からテンポが落ちるが、アクティウムの海戦はかなり豪華。お金掛かってる。海戦から逃げ帰ったあと、兵にも見捨てられて自害を選ぶアントニウスと、皇帝の威厳と冷酷さを持ったオクタビアヌス(船酔い)。
女として、王女として誇りを持ったまま、自分の墓で自害するクレオパトラの美しさが見せ場だが、でも後半最大の見所は、怖いけどカッコいい、カリスマ性を魅せるオクタビアヌスだと思う。
古い歴史超大作で、上映時間の長さが視聴のネックになりそうだが、カエサルの凱旋式に代表される豪華なセットが見もの。CGでは出せない重さとスケール。視界に入るところ全部手を入れてる。この時代の映画はお金の掛け方がとんでもない。