5.《ネタバレ》 とうとうルパン三世が3DCGになった。まあ時流だからしょうがないけど。
見ていて思ったのは、インディ・ジョーンズを思い出すなあということ。インディの世界の超常現象は(おそらく)神の御業的な扱いだったはず。それが最後の「クリスタルスカル」のときに異星人の超テクノロジーを出してしまってすっかりシラケてしまったのを思い出したのだ。今作も同様に、明かされた古代文明の技術が異常な超テクノロジーなので、萎えるのだ。許容できるのはマモーの話くらいまでだ。こんなにすごいテクノロジーなら、自分を破壊する司令に安全装置くらいあるだろと思ってしまった。
そういう超テクノロジーではなく、例えばファーストシリーズでの実写ではありえない「現金輸送車を絵で騙す」というのや、カリ城の崖を登るフィアットなんかもギリでそうだった「アニメーションならではの面白さ」を期待してしまう。、同じ超テクノロジーが出てきても魔毛狂介の時のように「自分らの」やり方で対処するような。見事さを見たかった。
ルパンが作られてから毎回言ってる気がするが、今回もまた「ルパンが来ちゃったから、ゴチャゴチャするから帰る」とフジコに言わせたり、ルパンを空中で泳がせたり、銭形に休戦を申し込んだり、最後に警察一行がヒロインに敬礼したり、いいかげんにしろと思う。多くの人はオマージュとか言うんだろうけど、私には呪縛にとらわれているとしか思えない。若い女の子を救う話もそうだ。もうカリオストロの呪いからは脱却するときだ。
ところでCGでのキャラクタたちの顔については、概ね高感度良しだ。だいたい私はシリーズ2以降の「セクシーで色っぽい峰不二子」ってのが、気に入っていない。私の不二子像はファーストの時の6・70年代の行動的な可愛いお姉さんなので、その人が大人になった感じを期待してしまうのだ。今作の不二子はギリギリそういったニュアンスが出ていたと思う。また、特に良かったのが次元大介の無精髭周り。顔を出すのは一向にかまわない。五エ門だけはもうちょっと日本的な顔立ちが良かったけど。
色々不満点はあるが、総合的には安っぽいスペシャルや安直な劇場版よりはCGのリアルに助けられた感じで高得点。