1.《ネタバレ》 リブート続編ものとしては驚愕の興行成績をのこした「ジュラシック・ワールド」の続編。
前作が「ジュラシック・パーク」をかなり意識した作風だったのに対し、本作はジャングルと文明の中を恐竜が闊歩するというシリーズ2作目「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」を彷彿とさせる構成だ。
死にゆく運命にある恐竜たちを救うという斬新なアプローチで、ディザスターと恐竜パニックを両立させた前半は、映像もパワフルでなかなか面白い。
しかしながら、結局これがどういう話に転がっていくかというと、もはや潔さを感じるほどいつも通りの展開である。
恐竜の武器化という毎度おなじみの陰謀に加え、普段なら少年を競り落としてそうな金持ちたちが「恐竜オークション」に興じるという下りだが、もう何が起こるかは見え見えである。
「これはプロトタイプだ、売るなよ?絶対売るなよ!?」
「だまらっしゃい、これはビジネスなんだぞぉう」
(えぇ…これ絶対プロトタイプが暴走するヤツですやん…。)
まぁそもそもこのシリーズはこういうプロットの映画なのでそこはご愛嬌なのだが。
それに、船の搬入口にダイナミックジャンピング駐車した主人公を警備が見過ごしてしまうほどの世界観なのだから、これぐらいのザル管理には驚いてはいけないのだ。楽しんだもの勝ちである。
良い点もある。
「生命は生きてゆく道を見つけるものだ」というそれらしいテーマを扱っており、描く過程こそ雑だが、人造人間が人の思惑に翻弄される命=恐竜の道を開くという落としドコロは良いと思う。幼いメイジーに出来る自身の存在の正当化、唯一の存在証明が、またも檻の中から恐竜たちを、生命を解放するのである。
もちろんそれを大層厳かに、小難しく掘り下げることはない。この映画が子どもたちに向けた夏の楽しい超大作であること制作側もよく分かっている。
本作は突出して良いとも言えないが、いつもの恐竜パニックを楽しむというスタンスで観れば決して損はしない作品である。
僕は今も恐竜が大好きだ。それだけで見る価値は十分だった。
それでもエンディングには少なからず新鮮な驚きがあった。
地球=「ジュラシック・ワールド」となってしまったため、どのような世界観で続編を作っていくのかについては非常に興味深いではないか。
ユニバーサルスタジオと言えば、改造車でストリートレースに興じる不良達を、いつの間にかインターポールと合同捜査しながらサイバーテロリストと北極で潜水艦バトルを繰り広げるまでに育て上げた超絶プロデューサーである。
次回の「ジュラシック・ワールド」は、20XX年・人類は人工知能ラプターとの絶望的な戦争を繰り広げていたが、ついにジョン・コナー率いる抵抗軍が……くらいはぶっ飛んでいるハズだ(適当)