6.《ネタバレ》 この監督の一連の作品に共通点があります。
(つかみはホラー)何が始まるのか?といきなり脅されるのです。
この作品でもそうでした(出産シーンの撮り方からして)
いや、ホラーというのは失礼かもしれませんが、びびらせようとは感じました(笑)
アミスタッドのときなんかも怖くて止めたくらいですから・・
一度でいいから情のないホラーを撮ってほしい(情のないというのも変ですが)
この作品の書こうとしている題材があまり好きではないのですが、
こういう作品をもしアンソニー・ミンゲラとかが撮ってレンタル屋に置かれてたら・・
観ないと思います(スピルバーグだから意外性で見てしまうというのはある)
ところが予想に反してこじんまりとまとまったアカデミー向きの映画になっていた。
ちょっと残念なことです。
最近のアカデミーに受けそうな映画で、これ時代が早すぎたと思います。
実はアカデミーに受けようと監督は思ってたのではなくて、
キャサリン・ケネディー女史が持ってきたのです。
制約もおおいにあったようで、原作者が監督を逆オーディションしたらしいです。
この映画を(特に)泣かせ系あざといとか言う人がたまにいるのでびっくりです。
私は全然あざといとは思えなかったし、逆にもっと抑揚が欲しかったくらいです。
説明不足で時間がもっとあればなぁと思いました。
理解するには言葉ではなく3時間は欲しい作品ですよ。
随所に好きな変わったカメラワークがあったのでそれは楽しめたのですが、
特典を観ないと理解できない心理描写もあったので、
わかりやすさが売りのスピルバーグ映画にしては難しい。
テーマはウーピー中心の女性の自立と見れます。
兄弟や家族愛、人種差別や男尊女卑・
どちらかといえばゼメキスのほうがお得意の大河ドラマなのです。
映像的には今の青黒い撮影よりずっといいんですが、
音楽は私は合わなかったです。クィンシー・ジョーンズです。
というかジャズが苦手なので(同じクィンシーならルメット監督のシリアスものがいい)
ジョン・ウィリアムスで盛り上げて感動作にしてほしかったなぁ・・
いつまでも夢のような子供の冒険作を期待するのも酷でしょうけど、
この作品のよさがわかるには私には3回くらいの再観賞が必要かも・・