2.《ネタバレ》 コミックでは違和感の無いセリフも、実写だと青臭くて見ているのが恥ずかしい。実写がための違和感である。逆に実写では何かと取り入れたくなる男と女の関係話だが、シキシマなどの人物設定によって、陳腐な男女の痴話話をストーリーに持ち込んだことが、コミック脳にとっての違和感である。この2つの違和感がいつまでも無くならない。ドラマパートが不評なひとつの理由だろう。
一方、特撮のパートはよくできていて、とてもに楽しめた。劇場で鑑賞すれば、その迫力を堪能できる。ただ、巨人はすべてフルCGにすべきだった。リアルで不細工な人間の実写に少々化粧を施した程度を巨人として登場させる意味が、少なくとも前編の時点ではよく分からない。映画冒頭の大巨人と巨人化エレンの出来が良いので、なおさら違和感と残念さが残る。いつもいつも予告編の出来は良いので、後編も見たくなったのは事実ではあるが。
あと登場人物では、長谷川博己が映画のテイストに馴染めていない。と言うより、この手の映画に向かない。線が細く、強さも鋭さも無く、戦闘ものには似合わない。その上に哲学的なことを言う割には、哲学者的なキャラも作れていない。恋愛ドラマで、いい人、優しい人を前面に押し出しながら、裏で女をたらしこんでいる方が似合う。もっとも、そうしたドラマパートがあるがゆえのキャスティングなのかもしれないが。
最後。色々あっても楽しめた。水原希子の無表情も、スリガラスのような透明感も悪くない。後編に期待している。