2.まず花の巻。忠臣蔵と言えば職場でのイジメ、いわゆるパワーハラスメントというやつ。権威をカサに着て、言葉でいたぶる、理不尽に叱る、必要な情報を与えない、等々。私のようなシガナイ勤め人にとっては実にオソロシイ話。ましてやパワハラの相手がタッキー滝沢修ときては、ああ、ぶるぶる・・・。と言いたいところですが、本作ではこの辺の描写はややあっさり。どっちかというと、その後の「赤穂城開城」の顛末が中心。おお、これはまさに現代においては企業倒産に等しいもの。これも勤め人には怖い話だなあ。身につまされます。以上が花の巻。続いて雪の巻。前半で時間を使いすぎた(?)ので、忠臣蔵の割には話がサクサク進みます。耐えに耐え、忍びに忍んで、という感じもあまりないまま、討ち入りへ。いやこれがなかなかスゴイ。カメラが、すべる、すべる! カメラが横へ横へと走りつづけ、チャンバラもまた空間的に際限なく広がっていく。こりゃちょっと、ハリキリ過ぎかな、とすら思える程(笑)。しかし結局、オイシイところは鶴田浩二が持っていく。ちょっとズルイぜ。それにしても、前半における彼の涼しすぎる眼差しは、実にまぶしい、まぶしすぎ。こりゃまるで、タカラヅカ。