22.ベストセラー小説の映画化だけあっておもしろく手に汗握るような展開だが、原作やTVドラマ版と比べてどうだろうか。原作未読の私にとっては、先に見たTV版はまるで原作を読んでいるかように手に取るようにわかったし、リアリズムがあり感情面も十分に表現していた。ところがこの映画版は、どうしてなぜという部分がいくつもあり、ストーリーとしてよくつながってこない。第一にタイトルの「クライマーズ・ハイ」の意味すら不明だ。そして最大の問題点は20年後の登山シーンと飛行機事故にまつわる新聞の格闘劇を平行的に進めたこと、これがどう意味するかなどだろう。このような疑問を持たれた方にはTV版DVDを是非ともお勧めする。しかし、登山シーンと雄大な眺めはすばらしく、地元新聞の意気込みも強く感じられので、これはこれで良い映画だと思う。ついでながら、大久保・連赤ということばが出てくるが、大久保とは連続殺人犯大久保清の事件、連赤はいうまでもなく連合赤軍リンチ事件いずれも群馬県で起きた。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-24 10:03:28) |
《改行表示》21.《ネタバレ》 なんと言うか、サラリーマンをやっている者としては非常にテンションが上がる作品でしたね。やはり、仕事は意地とプライドで熱くこなしていかないと面白くないなと思いましたね。 まあ、そういう感じで夢中になって見てたのですが、最後の方は正直「え?これで終わり?」と思ってしまうようなあっさりとした終わり方でやや残念でした・・・・・。 ジャーナリストに一時憧れていた者としては非常に面白い作品でした。 【TM】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-09-25 00:09:18) |
《改行表示》20.タイトルの「クライマーズ・ハイ」という言葉が、日航機墜落という異常事態でデスクを任された主人公の心情とリンクしているということなのだろうが、おそらく原作で言わんとしていることがかなり端折られている印象なのでなかなか伝わらないこと、前後編にわかれてじっくり描かれたTVドラマ版に比べると残念ながら力不足が否めない。主演の堤真一はどうしても鈴木オートのオヤジの印象があり、また演技もさして変化が感じられず残念。 とはいえどういう形であれ組織に属して働いた人間であれば主人公悠木だけでなく、彼の同僚や部下、対立する他部署、上司、など誰かしらに感情移入することができると思う。そういった組織内の人間模様が実に鮮やかに描かれていてこの部分は秀逸だと思う。元サラリーマンだが今はひとり自営の自分から観ると、時には怒鳴りあい殴り合いをするほどに情熱をぶつけ合える職場にはある種嫉妬に近いほどの感情を覚える。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-09 12:52:02) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 これは面白い。新聞記者と言えば体育会系というイメージがあるが、もうこいつらはそんなレベルじゃない。もはやヤクザの組事務所にいるような奴ばかり。そんな人間が熱く火花を散らして、どなりあい、暴言を吐き、ときにはとっくみあいしながら新聞紙面を作っていくそんなドラマが非常に見ていて楽しい。 しかし、「作品を通して描かれるテーマ」が妙におざなりな作りであるのが残念だ。その「テーマ」についての問題点は二つ。 一つは、「親子の絆」。主人公悠木とその息子との親子の絆のようなものが作品の根幹テーマとして描かれているのだが、問題なのが、それが日航機墜落を報じる編集部を描いたドラマに何一つリンクしていないという点だ。何かの確執があってずっと会っていなかった息子を、悠木は最後に訪ねるわけだが、彼が息子を訪ねようと思うに至った心境の変化を引き起こしたのが、本作でメインに描かれる日航機報道の一連のドラマと、全く関連がないのだ。「親子の絆」と「日航機報道」が全く無関係であるため、ドラマとしてはちぐはぐになってしまっている。 問題点二つめは、つかんだスクープを最後の最後に報道しないと言う選択を悠木がするところ。これもかなりいただけない。まず、なぜ報道しなかったのか?それは、伏線として「チェック、ダブルチェック」のくだりがあるように、「慎重であれ」という悠木の考えからきたわけだ。しかし、この最後の最後で、報道を見送るという、重要なクライマックス、そしてどんでん返し(つまりはその作品の重要なテーマだ)でもってくるのが「慎重であれ」というのでは、なんだかずっこけてしまう。「勇気」とか「友情」とかそういう心に訴える何かしらの感情でもって「報道しない」となったのならそこに感動も生まれようが、「慎重であれ」というのが理由・・・これで見てる人が心打たれたりするのだろうか。また、「慎重であれ」がテーマなら、もう少し丁寧に伏線を張ってじっくり描かないといけない。そうでないから、さっきも言ったように、「なんで報道しないの?」という釈然としなさが残る。みんなアレだけ泥だらけになって事件を追ったんじゃない。その末に手に入れたスクープ、それを報道しない理由の伏線が、数分しか出てこないっておかしいだろ。というわけで作品の非常に重要なところで雑な作りになっているのが残念だが、スクープを追う人間ドラマは面白かったので7点を計上。 【椎名みかん】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-08-14 00:47:01) |
18.堺雅人が、墜落事故現場から記事をおくる野心的な新聞記者を演じる。汗だくで泥まみれな堺雅人を見れる珍しい作品であり、それだけで価値がある。アシスタントとして出演している尾野真千子というキャスティングもうれしい。 |
17.原作未読な者としては、かなり楽しめたのだが、皆の評価を見る限り、それはラッキーだったということなのだろうか?原作を読まない方が映画は楽しめる、という典型的な例なのだろうか?そのことを確認するべく、原作を読むことにしよう。 【センブリーヌ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-22 08:35:30) |
16.新聞社内部の世界に浸れる映画。大事件を前にした社内の雰囲気は圧巻です。どの俳優も演技が達者なのがまた良いです。 【クレイバード】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-08-13 13:13:59) |
《改行表示》15.《ネタバレ》 私は結構楽しめました。もう一つぐらいヤマがあるのかと思ったら結局なんもなくてややすかされた感じもしましたが。それはともかく……もちろん虚構の世界なんだろうけど、あんなにドンパチやりながら新聞の仕事ってできるもんなんですかね。どこの職場でも多少はギスギスしたところがあるにせよ、あんだけ毎日ケンカしてたらさすがにいづらいですよね。 【海牛大夫】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-08-10 20:34:39) |
14.NHK製作のTVドラマ(佐藤浩市主演)の出来が良かっただけに、「何で今更…」という感は拭えないが、映画版ならではのスケールと臨場感に満ちた好編に仕上がっている。堤真一や堺雅人の熱演は、まさに「クライマーズ・ハイ」。一気に頂点まで登りつめる。しかし、映画化に際して行なったストーリーの変更は、納得できない部分も多く、好き嫌いの分かれるところだろう。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-06-16 09:00:04) |
13.職場における人間同士の競争が強烈に描き出されています。読者に対象を伝えようとする原理で行動する人間と、単に常日頃嫌っている相手をたたきのめそうとする原理で行動する人間、その他、同じ職場でもそこに潜む意思は個人個人でばらばらです。「突入せよ浅間山荘事件」なんかも同様の現場を描いていました。クライマーズ・ハイという題名からも分かるように、主人公はクライマーです。ところどころで挿入される谷川岳の一ノ倉沢(一ノ倉沢と称してときどきマチガ沢なんかも出てきますが)の風景が心をいやしてくれます。衝立岩登攀中の高度感もよく出ていて、美しい映像にうっとりしました。 【きのう来た人】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-05-03 15:51:44) |
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12.日航機墜落事故をベースにした物語だが、テーマはむしろマスコミ内部の物語と別にある。『突入せよ!あさま山荘事件』はあさま山荘事件をベースにしながら、メインテーマとして警察内部の抗争のシニカルさが愉しい作品であったが、こちらはどちらかというとハードボイルド寄りの『大統領の陰謀』を思わせる内容で、どっちつかずの内容となってしまっていて、プロットは悪くないが中途半端な作品に終わっているのが残念。ノンフィクションを謳っているわけではないのだから、原作に拘らず「日航機事故とマスコミ」というテーマを生かす方向に持っていけばもっと良くなったんじゃないかと思う。 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-04-10 11:23:13) |
11.「日航機墜落事故」を題材に扱ってはいるが、本筋は新聞社内でのある種血なまぐさい抗争と権力争い。誰もが良い記事を作成しようとしているし、誰もが人々に事故の悲惨さを伝えようとしている。それが故に巻き起こる男たちの闘争を、各俳優陣の名演技で最後まで勢いよく見せる展開は非常に楽しめた。一見すれば社会派サスペンスとして製作された作品ではあるが、全体の構成は「仁義なき戦い」に始まるヤクザ映画に近いような気がする。またそんなヤクザ映画にも通じるのが役者の良さだが、本作も負けず劣らず役者が良い。熱く、手に汗握る男の映画というのはこういうものを言うのだろう。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-03-19 22:55:50) |
10.この作品の題材になった日航ジャンボ墜落事故は非常に印象に残っています。事故に遭われた方が多かった事とあれだけ悲惨な事故に遭いながらも僅かな生存者がいた事への感動は今でも忘れられません。あの事故の模様が様々な報道機関によって知りえた事、報道機関の苦労話、裏話みたいな物を知ることが出来て大変良かったと思います。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-20 16:23:22) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 なかなか良かった。 素人がとるような乱暴なカメラワークが興じる緊張感が 途切れることなく続いていたと思う。 この誰もが知っている事件をどう取り扱うかによって 映画の善し悪しがきまってしまうだけに善戦したとおもう。 新聞社の営業と編集の軋轢もまた現代まで引きずっている 永遠の課題。 【K2N2M2】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-11 21:45:02) |
8.《ネタバレ》 堤真一も良かったのですが、堺雅人・遠藤憲一・山崎努といった俳優陣が映画を引き立てていて、面白かったです。とにかく台詞が多く、2時間を超える尺で、緊張感が持続していました。あと「リアルな情報を扱う恐怖」のようなものを感じました。キリキリな空気が漂う新聞社と、山登りに挑戦する年配の男のコントラストが、あまり理解できませんでした。終始シリアスで、茶目っ気は一切削ぎ落とされているので、好き嫌いは分かれる映画です。 【VNTS】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-09 19:43:05) |
《改行表示》7.曲りなりにも新聞業界に関わっていた者としては感慨深いものがありました。 アナログ時代の新聞社、しかも、設備の整っていない地方新聞というハンデ付きの中で奮闘する記者たちの姿を情熱的に描いた意欲作といった感じでしょうか。 命懸けで現場に向かう部下との信頼関係や上司との駆け引き、販売部との小競り合いといった感じに見所は多い。 残念ながら最終的な着地点はすっきりしないのだけど、実話を扱った作品だけにこの辺りの落とし所が限界なのだろうか。 もう一歩踏み込んで問題提起できたら良かったのにと少し残念に思いました。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-08 14:23:03) |
6.新聞制作の臨場感が圧倒的!これだけでも観る価値はあったと思います。ただ、原作はかなりエピソードを省略されているのでしょう(読んでないので断言できませんが)。飛行機事故以外のシーンは唐突と感じるものばかりでした。最後の娘?に会いに行く所は、必要だったんでしょうか。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-12-31 00:52:48) |
5.《ネタバレ》 正直、あまり期待していなかったので、その割には楽しめた。原作を読んだのが、結構前だったので、思い出しながら見ていたが、果たして原作読んでない人はわかるのかな?という内容だった。原作で描かれてる細かい設定が抜けてたり映画用に変更されてしまっているので(安西や社長との関係や発狂して事故にあってしまった記者の話など)、折角濃厚な作品が、薄っぺらく感じられたのが残念。ただ、堤真一や堺雅人はじめ、役者人が非常に良く、彼らの演技から現場の熱気が感じられた。 【コスッタルイ】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-10-17 08:02:46) |
4.《ネタバレ》 思っていた内容と違いましたが新聞記者の魂、執念に圧倒されました。堺雅人の演技が素晴らしかった。 【osamurai】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-09-09 01:03:32) |
3.机の上にパソコンはなく、あるのは黒電話。男たちの口から思い思いに吐き出されるタバコの煙でかすむ職場の空気。ああ、昭和の現場だ、と思う。以前、年配の新聞記者から、聞いたことがある。1985年の夏はことに暑かった、と。どの新聞社もまだ江崎グリコの事件を追いかけていて、そこに日航機墜落の一報が入り、そこから一ヶ月近く家に帰れなかったのだ、と。そういうことが、良くも悪くも当たり前だった熱い時代の空気が、よく描かれている映画だったと思う。堺雅人のメリハリある演技が光った。 【豆治】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-08-15 01:30:17) |