8.《ネタバレ》 原作未読。地上波放送を録画していたことを思い出して遅ればせながら鑑賞しました。
池井戸作品らしい企業の内幕を曝け出した作品ですね。キャスティングが豪華過ぎと言うか、勿論それ故の安定感ある作品となっていて、緊張感を維持して一気見出来ました。
こうやって描かれると、どこの企業にもこんな社風があって、殆どブラック寄りのグレーな管理職が締め付けていて、一皮めくれば汚点だらけみたいに感じてしまいますね。確かに新聞紙上を賑わす数々の事件と限りなく似通っているように思えます。というよりも、そういった事件が元にあるからこその原作なのでしょうけれど。
実際にはそんな企業は一握りに過ぎないと信じてはいますが、現実問題として犯罪には結びつかないまでも、作中に登場するような会議の場は…ありますよね。フィクションとノンフィクションの境界が見えづらくなるような物語。コミカルな場面もあるから良いようなものの、全編シリアスだったら息が詰まることでしょう。
それから、決して否定はしませんが、失礼ながら全編を通して芝居がかった台詞回しが少々気になってしまいました。敢えて演出的にその表現を選んだのかもしれませんし、明瞭な台詞は物語を際立たせる効果もあるとは思うのですが、個人的には気になったところです。