2.《ネタバレ》 「一発屋」の下馬評を見事に覆し、気が付けば5作も超大作の主役を張る。
これは周囲の協力は勿論、ダニエル・クレイグ本人の努力無しでは絶対になし得ないもの。
何はともあれご苦労様でした、と言いたい。
肝心の作品の方はスケールの大きな如何にも007シリーズらしいもの。
劇場により差はあるのかも知れないが、音響も素晴らしいものだった。
脇を固める共演陣も盤石の構えで、新007やCIAエージェント等魅力的なキャラばかり。
しかしながら、本作のジェームズ・ボンドは引退興行で有る事が最初から判っている影響なのか、
妙に饒舌でなんとも言えない違和感が。
終盤の展開も「実は生きていた」と言うどんでん返しを自ら潰していく様な流れ。
真面目一徹な展開だったスカイフォール後、新Mやマニーペニーの登場で往年の007らしい軽妙酒脱な味が多少は戻ってきたので、
「そこまで追い込まなくても...」と正直思った。
ダニエル・クレイグの007物語としては美しい終幕ながら、何と言うか「お仕着せ感」が終始ぬぐえなかった。
世界を牛耳る巨大な悪の組織で有る筈のスペクターが瞬殺されたり、設定と脚本に無理や粗が多い様に思えた。
それにしても、次にこのシリーズで主役を張るのは一体だれなのか。
関係者は相当なプレッシャーを抱えている筈だが、期待して続報を待ちたいと思う。
蛇足
ダニエル・クレイグ版ボンド私的ベスト5
5.スペクター
4.ノー・タイム・トゥ・ダイ
3.慰めの報酬(すみません、オリガ・キュリレンコ推しなので爆)
2.スカイフォール
1.カジノ・ロワイヤル(エヴァ・グリーン!!)