12.《ネタバレ》 ほとんどの人がこの作品のラストに感動をしたかもしれませんが・・
私は(嘘だろ?)とひいてしまいました。
人類終焉のスペクタクルドラマともなれば仕方のないことなのかもしれないけれど、
シリアスな内容をテンポよく重苦しくなく描けていたのでよけいリアル感があり、
逆にあのメロドラマチックなラストが非現実な物語となったわけです。
非現実さだから感動できるのかもしれないけれど、
読めてしまうから私にはついてゆけなかった・・今のハリウッド映画になってしまいました。
さて、未見の方はぜひぜひ見終わってこのラストをどう見るか・・
原作と比べてみるのもまた面白いかもしれません。
「渚にて」のオマージュといわれるだけあり導入部から潜水艦が登場。
こちらは最初の潜水艦からしばらくすると長い回顧シーンとなります。
なぜ世界がこうなったのか、世界がどういうふうに滅んでゆくのか、
実に丁寧に描かれています。
パニックSFで私が重要視する(苦笑)逃げ惑う人々や暴徒の描写もきちんと描かれてる。
悲惨な映像の連続から世界各地のニュースまで盛り上げ、
見ているほうもSFだし変な映像もあるんだけれど見入ってしまう。
非現実さの中に観客も入ってゆけるのです。
この描写の細かさはハリウッド映画にはちょっと見られないです。
ウィルスに感染した死体の山を焼いたり(現実問題ならあるはず)
廃墟になった街のあちこちには骸骨・・
水槽の魚や鳥かごの鳥の屍なんて細かい!
どんな悪い奴らがどんな操作をしてこうなったのか・・
悲劇の共感の次は勧善懲悪です。
普通の映画なら勧善懲悪はつまらないのですが、
ここまで地球規模となるともう悪なんて狂気だとしか言えません。
しかも計算された報復コンピューターなる同じ人間が作ったもの。
「博士の異常な愛情」この作品のオマージュ(というか完全なるパクリ)もあり、
「未知への飛行」もちろんこちらの作品にも似ているのは仕方ない。
けれどこれ邦画なんですよねぇ・・いやぁすごい!
ウィルスによって世界の多くが滅びる・・今では古いSFかもしれないけれども、
この作品の原作はなんと1964年!