3.《ネタバレ》 名脚本家のローレンス・カスダンによる群像劇。
「再会の時」のときのローレンス節がみられて、嬉しかった。
ケビン・クラインの偽善が、周囲を振り回すが、
ダニーグローバ演じる黒人は彼のそんな善意を楽しんで受け取る。
不倫した旦那(ケビン)にどこまで気がついているのか、情緒不安定な
奥さんは息子の旅立ちとともに、偶然見つけた捨て子を養女にすることに
邁進する。
ケビンの上司はアメリカの格差がグランドキャニオンの亀裂のようになり、
そこから生まれる怒りを吸収すべく、俺は残酷映画をとるのだと
暴漢からおそわれた怪我が治るとまた思うようになる。
とまぁこんな話だが、あまり不倫に目くじらを立てないのが
ローレンス調といったところか・・
この頃のアメリカは湾岸戦争前で、国内とくにロサンゼルスの治安が
ものすごく問題になってた頃の話。
そんなロスで暴力に不安を感じながらも、人間性を失わないで
生きていこうとする人たちの人間賛歌である。
特に尺度を持ってきて、裁く話ではない。
中東との戦争で、訳がわからなくなる前のアメリカのヒューマンドラマである。
今となっては懐かしい空気だ。