26.《ネタバレ》 蒼井優が人付き合いの苦手な女の子を好演。
トラブルを避けるために本心を隠して人と距離を置く。
それが嫌な目に遭って来た体験から得た処世術。
そんな中で出会った彼氏や、弟との文通が鈴子の気持ちを動かす。
姉弟の絆は微笑ましく感動的でもあった。
ところが、誠実そうに見えた彼氏のほうは、次第にお金をアテにされるように。
そんな男とは別れて正解。
と思っていたら、まさかのどんでん返し。
口下手で不器用な二人のラストがなんとも切ない。
何やってんだよ、じれったい。
でも、後からちょっと冷静に振り返るとかなり無理のあるところがチラホラ。
鈴子を引き止める手段としてお金を借りて百万溜めさせないというのが浅はかすぎる。
金を借りたら軽蔑されるリスクがあることくらいわかるだろうに。
問い詰められたときも、嫌われたくないなら真相を言うはずだし。
それができないほどのダメ男には、飲み会での対処とかを見るかぎり思えなかった。
それに割と早めに自分から好きだとちゃんと告白もしていたし、それを考えると好きだからここに居てほしいとくらい言えなきゃおかしい。
キャラがブレてる。
そもそも百万円溜まったら引越しという設定に違和感を感じていたが、要するに金を借りて葛藤を生むためのストーリー上の都合でしかなかったのか。
携帯電話のある時代にこんなすれ違いドラマって本当に久しぶりに見た気がする。
携帯電話のおかげで、日常でのすれ違いはほぼありえなくなってしまったから、そこから生まれるドラマもなくなってることを実感。
鈴子の場合は、人と関わりたくなくて持ってなかったということで説得力を保ってはいるが。
幾つかの矛盾点を打ち消しにするほど、蒼井優の魅力が出ていた。
蒼井優じゃなければ、ストーリーにリアリティがないので凡作になっていたかも。