7.《ネタバレ》 政界を扱った三谷幸喜作品と言えば、視聴率が振るわなかったTVドラマ『総理と呼ばないで』が思い出されます。三谷氏にとって鬼門とも言える題材への再挑戦は立派じゃないですか。とはいえ評価は是々非々ですけれども。さて、タイトルの元ネタと言えば、ご存じ『ロッキード事件』。以後、政治家の常套句として定着した言い逃れフレーズであります。また、首相のモデルはおしゃれ帽子がトレードマークのあの人でしょう。一応『架空の国』との注釈付きですが、現実からの引用が多々見られ、本来は風刺映画の体裁です。ところが皮肉批判は鳴りを潜め、総じて毒気は薄く、寓話としての色合いが濃い仕立てでありました。クライマックスは、首相と奥様の復縁話。もう政治と関係ありません。あくまで娯楽作品。過度な刺激は必要ないという事でしょう。ここからネタバレ。首相の記憶はいつ戻っていたのか問題。「あっ、ここで記憶が戻ったな」という演出は施されず、『実は記憶が戻っていた』という首相の告白のみで、漠然と処理されます。いつ記憶が戻ったのか、気になりますよね。でも、ここにメッセージが込められていると考えます。『人生をやり直すのは、何時だって構わない』ということ。偽りの記憶喪失を演じられるクソ度胸があれば、そりゃ何だって出来るでしょうよ。でも普通の人には無理な話。この一点からも、主人公は単なる傀儡ではなく、傑物である事が分ります。でもそれなら、それまでの愚者ぶりの説明が付かないワケで、頭に石が当たった事で『我に返った』と見立てるのが正しい気がします。悪いことをしたら謝る。間違ったらやり直す。子どもの頃教えられてきた常識が、大人の世界では非常識に変わるように、主人公も政界に毒されて本来の自分を失っていたものと考えます。あな恐ろしや。でもこれが一般的に『大人になること』だったりします。キャラクター造形の面白さや会話劇を楽しむ三谷監督お得意の王道喜劇。気楽に観られる大衆娯楽映画として、価値は充分と考えます。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-05 19:28:12) (良:4票) |
6.《ネタバレ》 政治って全く分からないジャンルなので楽しめるか不安でしたが、私の知的レベルにやさしく寄り添ってくれる内容で楽しく見れました。 最終盤の、総理が実は記憶を取り戻していたって告白は予想してなかったんでグッときましたし、考えさせられましたね。 記憶を失うくらいの出来事がないと、人は今までの生き方を捨てられないっていうのは悲しいことです。 【池田屋DIY】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-11-03 19:10:29) |
5.《ネタバレ》 ミュージカル映画と同じように、こういう路線の三谷コメディって、独特の演劇的な設定とかお約束のノリを共有できないと楽しめないですね。それなりに笑えるところはあるけれど、いまいち独特のノリやリアリティのない設定への違和感に馴染めないし、権力闘争の物語として見た場合にも、大河「鎌倉殿」などを書いた人の作品とは思えないほど薄っぺらいので、さすがに拍子抜けがします。いっそのことお馬鹿なミュージカルにしてもらったほうが、わりきって楽しめるのかもしれません。きっと俳優陣は、どこまで振り切るべきか匙加減が難しいでしょうけど、わたしは由貴ちゃんのベタベタなコメディっぷりがいちばん面白かったです。 【まいか】さん [地上波(邦画)] 7点(2024-09-15 17:27:40) |
4.良くも悪くも、全体的にノリが軽い。良いように見れば、気軽に楽しめる作品と言える。自分的にはそっちの感想が強い。まぁところどころ、え?それだけ?という展開があったのも事実だが、良しとしよう(笑)。個人的には笑えるところがけっこうあって面白く見ることが出来た。キャストの中では小池栄子に非常に好感が持てた。 【スワローマン】さん [地上波(邦画)] 7点(2021-01-11 11:19:32) |
3.三谷幸喜作品らしい面白さだったと思います。 娯楽作としての安定感。 もうちょっと劇的な終盤、意外性も欲しかったかなぁ。 個人的に持ってる俳優さんのイメージと、 真逆の配役な感じがして好きでした。 キャラクターの個性も豊富で面白かったです。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-07-22 11:52:33) |
2.《ネタバレ》 三谷節が良く弾けてる。 まず大筋が面白い。 記憶喪失のまま、総理大臣を続ける。 そして国をいい方向に向けていくべく、周りがサポートする。 そして最後はホロリと来るラスト。 器用に大河ドラマも、歴史も政治もこなすが、 彼の、ありえない状況から来る笑いは、日本映画に新風を入れてくれて、 今ではお馴染みの監督になった。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-07-11 22:28:28) |
1.《ネタバレ》 総理のオツムにコツンでアイム・ソーリー!?豪華キャスト競演で三谷ワールド全開のシチュエーション・コメディ。悪徳総理が記憶を無くして良い総理に。中井貴一が豊かに表現。総理を支える三人の秘書官も必死で面白い。良作。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-09-15 01:34:24) |