8.《ネタバレ》 原作読んでません、知りませんでした。 10年以上前から現在も続く漫画だそうです。
音楽モノ、特に楽器の演奏ってやつは、映像化が難しい。
実写だと俳優の表現力が追い付かないし、アニメだと、音に合わせた動きにするのが至難の業。
なので、指が見えないアングルとかカット割りで逃げた方が無難。
この作品では、半分程度は3Dポリゴンで演奏シーンを造っているが、動きが不自然で笑ってしまう。
不自然な動きが、原作の漫画に寄せたせいなのか不明ですが、とにかくそういう結果。
で、手書きの演奏シーンでは、高揚感を伝えんが為なのか抽象的なエフェクトばかりになってしまい
余計に陳腐になってしまっている。
ジャズに慣れてる人なら、音聞けばわかるし、そんなギミックなんぞ不要だし邪魔なだけだ。
しかしこの映画見に来る人がジャズを知らないわけがない。
ロックやポップスのリスナーの為に描いたのだとしたら、相手が居ないのだから全く意味がない。
でその結果はカッコいいのか? とんでもない! ダサいです。 恥ずかしいわ・・
どーも全体に「ダサい」 多分原作の漫画のせいかも。
最近多いんだけど、主キャラが目標に向かって真っすぐ目線過ぎて、暑苦しいウザキャラでやんす。
「俺は世界一のジャズプレイヤーになる!」 と真顔、いやドヤ顔で言われてもなあ。
「海賊王に、俺はなる」とか・・。かわぐちかいじの主キャラも悩み皆無のドヤ顔でうっとおしい・・
あんた、楽器持って2年程度だよ? どんだけ顔の皮厚いのか・・ もう恥ずかしいのなんの・・
ピアノの彼が4歳から弾いて来て、まだ悩んでるのに、サックス2年じゃ無理です。
原作の設定が無理難題で大間違い。 音楽家をバカにし過ぎだ。
ジャズプレイヤーは、即興が全て。相手が誰だろうが、どんな曲だろうが、自分の世界をその場で
クリエイトして行かなきゃならない。他流試合が日常茶飯事の世界。固定の仲間とだけ練習してる
うちはジャズメンとしては下っ端でしかない。練習量も必要だが、練習方法も他とは違う。
その下積みをスルーして「世界一の・・」とか、ふざけんじゃないってのよ。わかってない。
ドラムに至っては、経験ゼロでメンバーにしちまって、開いた口がふさがらない。 舐めてんのか?
もうコキオロシ始めたら止まりませんよこの映画。
と、罵詈雑言を言いましたが、唯一嘘が無いのは、音楽、音です。 ここでは第一級の演奏が聴けます。
映画館に響き渡るジャズの音は、間違いなく本物です。 映像を無視して音に集中すれば至福の時間が・・
日本の宝「上原ひろみ」氏のピアノが凄いです。 以前一度コンサートで見ましたが蘇りましたよ。
感動で、鳥肌が止まりません。 この映画の価値はそこだけです。 本来なら駄作映画です。
がしかし、唯一のソレ(音楽・音)が凄すぎて、評価が上がってしまうんですよ。困った映画・・。
アニメの出来だけなら作り直せば良いのですが、自信過剰のウザいキャラ設定については原作が
アウトなので、もう無理でしょう。 残念なのに、もう一回見たい(聞きたい)困った映画でした。