88.《ネタバレ》 本作は、インフレ率を考慮すると後の『スパイダーマン』や『ダークナイト』をも超える興行収入を叩き出しているのですが、アニメでもスペクタクルでもないヒューマンドラマがここまでの数字を出した例は後にも先にもこれ一本のみ。今回、十数年ぶりに鑑賞してみたのですが、確かにこれはアメリカ人から熱狂的に支持されて当然の映画だと感じました。。。 本作の舞台となる60年代から70年代にかけて、アメリカはまっぷたつに分裂していました。大統領を含む政治的リーダーはしょっちゅう命を狙われ、公安組織は市民のデモ隊に対して容赦なく暴力を振るうという世相であり、それはもはや内戦状態とも言える有様でした。そんな時代を反映するかの如く、このドラマには二人の人物が登場します。国家に対して従順なフォレスト・ガンプと、反権力に生きるジェニー・カランです。通常の映画であれば反権力に身を置く者が主人公とされるところなのですが、本作では権力に寄り添うフォレスト・ガンプが主人公となっています。そして、ガンプが堅実に生きた結果としてアメリカン・ドリームを手にする様は、あの時代のアメリカ社会の肯定を意味します。これまで真っ暗闇として描かれてきた60年代から70年代のアメリカは、本作によってようやく復権したというわけです。一方、反権力のジェニーはと言えば、ガンプやババが戦場で命を張っている間、仕事も勉強もせずに仲間と遊び呆けて暮らしています。彼女は権利ばかりを主張して義務を果たすつもりはないという身勝手な生き方をするのですが、それは反権力とかプロ市民に対して一般人が持つ反感を見事に具現化したものです。自堕落な人生のツケを払わされるかの如く、彼女がエイズで命を落とす様は、もはや勧善懲悪の世界でした。。。 以上の通り、本作は強烈な政治性を帯びているのですが、コメディを得意とするロバート・ゼメキスの演出によって程よくマイルドに落ち着いており、アメリカ人以外でも楽しめる仕上がりとなっています。あき竹城みたいな東洋人を連れて久しぶりに姿を現したダン中尉が、爽やかな笑顔で「俺にもフィアンセが出来たんだ」と言う場面なんて、涙が出る程笑ってしまいました。また、ノンフィクションものを得意とするエリック・ロスによる脚色も見事であり、歴史的事実とファンタジーとの間で絶妙なバランスをとっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-10-17 01:55:08) (良:3票) |
87.《ネタバレ》 この味わいが良い。面白いかどうかと言うと、微妙な感じではあるけれど、ストーリーといえるかどうか微妙なところをストーリー寄りで作った脚本が秀逸。ぼーっと昔のアメリカを眺めて良い時代とか悪い時代とか、良い風景とか悪い風景とか、微妙な味わいのエピソードをぼんやり楽しめる。 彼女の話はいつの時代もスルッと抜けて行ってしまう訳だけど、死因がエイズっていうのも時事ネタだったりして、徹頭徹尾時代を映している感じ。たぶんこの映画は今後どういう時代に観ても回顧ものとしての味わいが全然変わらないんじゃないかと思う。 ゲイリーシニーズが主要キャストででているが、数年前CSINYを観るようになるまではそうそうベトナムの鬼中尉だった。今ではこの人を観るとマックテイラー以外の何者でもない。そういうところが妙に気になってしまうあたり、ドラマって役者のイメージをゴリッと変えてしまうんだなぁとか改めて納得。 それからこの映画の表現に、アメリカの正当化とか政治的な押しつけとかそういうものは特に感じなかった、というか狂乱的アメリカ礼賛を聖書の中からでも見つけ出す的なとらえ方って、むしろ日本の一部に根付いてる文化だと思う。それは置いといて、単にそのまんま的素直な表現だったように思うけど、そういう政府陰謀説のたぐいの映画だったっけ・・・?。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-08-30 03:33:41) (良:2票) |
86.《ネタバレ》 だいぶ昔にテレビでやっていたのをチラ見した気がするけれど、 ちゃんと観たことはなかった気がしたので改めて。 世間では”名作”とされていながら、個人的に今まで何となく敬遠してきた理由が、 主人公が知的にユニークであることで、重たい映画なのでは?という バイアスがかかっていたことが大きい。 しかし、実際に鑑賞してみると、そういったものは感じられず、 あまりストレスを感じることなく観れた印象。 取り巻く環境を始めとした設定は確かにヘビーなのだけれど、 物語の大半が”フォレスト本人の視点・語り”で構成されているので、 あまり重たい描写はなく、テンポよく、だいぶマイルドな味わいになっていた印象。 そういうのもあってか、多少ご都合主義的なところもあって、リアリティーには欠けるのだけれど、 ”エンタメとしての映画”としてはこれくらいで十分かと。 ダン小隊長との物語については、ものすごくいい感じにまとまっただけに、 ジェニーとの物語についても、どうせならハッピーエンドにしてほしかった。 その点が心残りだけれど、総じては十分に”名作”の部類だと思う。 【2年で12キロ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-10-28 18:14:51) |
85.フォレストは走りながら着替えはどうしているのだ⁉︎ 【くさぶね】さん [DVD(吹替)] 7点(2021-03-17 12:06:12) |
84.《ネタバレ》 内容はとんでも映画、娯楽映画として楽しめない場合は5点くらいです。 トムハンクスの演技が素晴らしすぎる 脚本がいいのか監督がいいのか、テンポが非常にいい 飽きさせず、演技も相まってフォレスト・ガンプのユニークさを余すことなく表現出来ていると思います。 最初にも書いてますが、娯楽映画としては楽しめると思いますが、 楽しめない人にはほんまにとんでも映画です。 【メメント66】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-01-13 13:39:06) |
83.《ネタバレ》 面白い。人生を描いている。 軽度の知的障害、いじめとジェニーとの付き合い、ラグビーのスター選手、兵役、 卓球選手、反政府勢力とのいざこざ、エビ漁船、母親との死別、マラソンランナー、ジェニーとの死別と めまぐるしい人生を経ながらスタートと同じ親一人で終わる構成が美しい。 スポーツスター、戦争の功労賞、エビ漁船の社長、マラソンと周囲の注目や賞賛を浴びながらも それに価値を見出さず、ただ純粋にジェニーを求めるフォレストの愚直さに心を打たれる。 「人生は運命が定められているのか、風にふかれるものなのか、その両方なのだろう」という言葉に思いが込められている。 どちらかというと短編エピソードが連なって全体を構成しているが それぞれの終わりが次のエピソードに繋がっているので引き込まれるように見ることができる。 【Donatello】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-07-23 10:24:52) |
82.ストーリーについては色々と途中で言いたくなったのだけれど、終わってみたら感動。 邦題に付いている「一期一会」の生き様を主人公から教えられたような気分になりました。彼は身近な人をとても大切にする。もちろん幼少期から周囲との関係の構築が難しかったことが大きな要因になっているのだろうが、成功者になったことを無視してもガンプが立派に見えたのは、私自身が考える理想の人間の振舞いに彼が重なったからだろう。 身近な周囲の人を大切にする。言葉では単純なことだけど、なかなかできない。でも改めて実践していきたいし、しなくてはならないことだと改めて教わりました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-06 00:27:01) |
81.《ネタバレ》 号泣するような感動作ではなかったけど、しみじみと見入ってしまいました。 名誉や経済的な成功が必ずしも幸せとは限らないというメッセージが込められているように感じます。 普通の人なら大喜びするようなことでも、フォレストにとってはどこか他人事。 でも、感情が無いというわけではなくて、価値観が少し違うだけなんでしょうね。 作中には実在の成功者も多数登場しますが、何れも不幸な最期を遂げるという皮肉な演出に笑っていいのか悩ましい感じでした。 ジェニーが夢を叶えたシーンも皮肉が効き過ぎていて切なかったです。 フォレストとは真逆の人生を歩んだジェニーだけど、母親になってからは明らかに幸せそうで素敵でした。 でも、そんな幸せも長くは続かないというところが、この作品のいじわるなところですね。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-01-15 11:11:46) |
80.アメリカ人が見ないと微妙なニュアンスが掴めないと思う。 |
79.過去の有名な映像とうまく合成した場面を多用した面白い趣向の映画だが、そんなにうまくいくかよ!というご都合主義に対する反感の方が先に立ってしまう。有名人達との交流は無くとも、何事にも一途に真摯に取り組むフォレストの描写だけで同じ感動は作り出せるのでは無かろうか。と、大好きな「ショーシャンク」が同年のアカデミー賞を軒並みこの作品に奪われているのでどうしても色眼鏡で観てしまうが、まあ悪くない作品だと思うよ。好み35/50、演出14/15、脚本9/15、演技9/10、技術7/10、合計74/100→7/10点 |
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78.《ネタバレ》 ひたむきで誠実なフォレストの姿にみんなが心を動かされる。 両足を失ったのに名誉の戦死ができずに屈折したダン中尉や、過去のトラウマを引きずりボロボロになったジェニーも、結局はフォレストに心を救われる。 ストーリーにはご都合主義がいたるところにあって細かいところで突っ込みどころも満載だが、大人の童話、おとぎ話として観ればいいのだろう。 その点において好みが分かれそう。 ジェニーがフォレストと初めて結ばれた後に去ったり、子供ができてもフォレストには知らせず一人で育てていたり、その理由がわかりにくかった。 ウイルスによる病気(エイズ?)になって再会を決意したようだが、もう少しジェニーの明確な心理描写があったほうがいい。 アメリカの歴史や文化を感じるシーンが時折り挿入されるのが、日本人にはいまいちピンと来ないかも。 【飛鳥】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2013-06-03 01:24:19) |
77.何がどういいのかよくわかりませんでしたが、でも最後まで楽しめました。主人公のフォレストの人生はおとぎ話というか、現実離れ的な部分が多かったにもかかわらず、作品そのものの出来が良かったのは、ジェニーや小隊長、ババなど、周りの人々の人生が興味深く、それが主人公とうまく絡まっていたからだと思います。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-24 22:44:51) |
【HRM36】さん [地上波(吹替)] 7点(2011-06-14 09:20:18) |
75.「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で私たちを大いに楽しませてくれたゼメキス監督がアカデミー賞を取り、トム・ハンクスが2年連続主演男優賞を取り、実にめでたい作品でした。しかし、ゲイリー・シニーズは助演男優賞を逃してさぞ悔しかったのではないでしょうか。難点は、主人公の一途さに比べ、ヒロインの言動に共感を覚えられなかったことです。本作以降なんだかゼメキス作品に元気が無くなってしまったように感じられるのですが、残念です。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-08-14 08:59:09) |
74.《ネタバレ》 ただの一人の男の成功物語かと思って最初は見たんだけど、確かに主人公は成功するわけだけど、それはあんまり物語の趣旨とは関係なくて自分の生き方、人生の儚さについて深く考えされられた。 【ほかろん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-13 15:45:42) |
73.自分好みではないはずの毒っけのまったくないファンタジー映画だけど、よくできてるんだよね。まず冒頭の羽が舞い落ちるシークエンスでいきなり引き込まれちゃうんだよな~。現実にあんなに都合よく羽が舞い落ちるわけがないわけだから、つまりはこの映画がどういった映画であるかをすでにここで語っている…だなんて、あまりにもよく出来すぎじゃないか!! 【HAMEO】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-03 20:02:16) |
72.《ネタバレ》 普通の人よりも少し知能指数が低い「フォレスト・ガンプ」の、幼少期から一児のパパとなるまでを、思い出を辿るように綴っていくお話。最初はフォレストのことを阿呆扱いしていた周りの人達は、次第に人生のレールから脱落していくが、フォレストは脱落どころか着実に好転していきます。それは無意識のうちに徳を積んでいる、フォレスト自身の心が清らかなお陰なんです。ただひたすらにアメリカを走るフォレストの姿が、まさに人生そのもの。フォレストが愛したジェニーは、事あるごとにフォレストの元から出て行って、その自由奔放さに腹を立てて見ていましたが、鑑賞後に何となくジェニーの気持ちが分かったかもしれないです。フォレストの近くにいると、情けない自分とフォレストを比較して辛かったのかもしれません。でもフォレストには悪気はなく、とても優しい心を持っているから、ママも、ババも、ジェニーも、小隊長も、みんなフォレストが好きなんでしょう。そしてフォレストも、そんな自分の周りの人達を心から愛しているんでしょう。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-07 01:17:48) |
【からいもの】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-14 13:28:15) |
70.《ネタバレ》 フォレスト・ガンプが何事にも一所懸命に立ち向かっていく姿は観ていて私に勇気を与えてくれます。知的障害者の理解にもいい映画かな。彼らは全てのことに本気で向かい合う。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-09-23 14:13:40) |
69.《ネタバレ》 現代のおとぎ話とはよく言ったもので良い話、良い人のオンパレード。こういう純粋な作品は批判したくなるのが世の常であり、ほんとにあの子はフォレストの子かと勘繰ったり、ダン中尉の奥さんがアジア人はやりすぎだろと難癖をつけたくなるが、監督がロバート・ゼメキスということもあり爽やかな余韻の方が強く残り、純粋に楽しめるのが本音のところ。 愛に溢れた純粋なフォレストが風に吹かれる羽のように、自然に、そして正直に生きる姿が何とも心揺さぶられ、全力で物事に取り組み、実直に人と向き合う大切さを教わった。ジェニーとフォレストが抱く愛の対比の描き方、押し付けがましくない押さえたエンディング、シルヴェストリの美しい旋律、あざとくないCGの技術もまた鑑賞後の感動に良い味付けをした。役者ではハンクスの演技も印象深いが、ゲイリー・シニーズの存在は強烈に印象に残った。アカデミー賞に関してはCGによる近代史の盛り込み方や、ベトナム戦争を否定的に描かなかった事、アメリカ人の精神と合致した事と捉えれば良いのだろうか。 【きいろのくじら】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-10-28 19:15:55) |