17.《ネタバレ》 前作が「これから面白くなりそうって所で終わる映画」だったもので、自分としては嬉しい続編映画。
元々、ラブコメ映画の続編って代物自体が珍しい訳で、そういう意味でも新鮮でしたね。
映画一本分をかけて結ばれた背景があるもんだから、前半部分にてブリジットとマークがイチャついている様も、とても微笑ましく感じられて良かったです。
ジェーン・オースティンの「説得」が下敷きだったり、マークが濡れたシャツ姿を披露したりと、基本的には「元ネタありきの映画」なのですが……
個人的には、元ネタを知らずとも充分楽しめるんじゃないかと思えましたね。
例えば、タイの刑務所にて女囚達と一緒にマドンナの曲を歌う場面なんかも、原曲を知らずとも十分に楽し気な雰囲気が伝わってくると思いますし。
前作は「高慢と偏見」ありきの映画だな、って印象でしたが、本作に関しては「元ネタよりも面白い映画」とすら思えちゃいました。
妊娠検査の最中に、二人が喧嘩しちゃう件なんて、特に面白い。
ここ、ほんの数分間なのに「二人の価値観や、育った環境の違い」が如実に伝わる作りになってるんですよね。
ラブラブな二人だったのに、徐々に擦れ違いが生じて喧嘩別れしちゃう流れに、自然に繋がっていたと思います。
他にも「そろそろ不幸じゃない事が起こるはず」と言った途端に、ブリジットが空港で逮捕されちゃうとか「引きずり出せるならどうぞ」と挑発したダニエルを、マークが本当に引きずり出して外で喧嘩しちゃうとか、台詞の使い方が上手いんですよね。
前作以上に「ブリジットがダニエルを選ぶ訳無い」「マークと結ばれるに決まってる」と分かり切ってる内容なのに、それでも楽しめたのは、こういう細かい部分が面白いお陰だと思います。
新キャラとなるレベッカも、非常にキュートで良かったですね。
「ブリジット→マーク←レベッカ」という関係と思わせておいて、実は「マーク→ブリジット←レベッカ」という関係だと判明する件は驚きましたし、ストーリーの面白さにも凄く貢献してる。
色んな映画に出てくるレズビアン女性の中でも、五指に入るくらい好きなキャラになりました。
妙な仮定になりますけど、もし自分がブリジットだとしたらレベッカを選んだかも知れないな……って、そう思えたくらいに可愛かったです。
煙草を吸う理由は「もっと悪い事が起きる前に死ねると思うと、心が安らぐから」と語るブリジット父も良い味出してましたし、前作以上に脇役の魅力が光ってた気がします。
そんな本作の難点としては……
タイの女囚達に見栄を張る形で「マークには酷い事された。暴力を振るわれたり、薬漬けにされたり」と嘘を吐く辺りは、流石に引いちゃった事。
あとは、中盤にてマークに部屋の鍵を渡すのが伏線かと思いきや、全然違ってて拍子抜けしちゃった事とか、そのくらいかな?
ブリジットを主役にした映画は現在三本ありますが、自分としては本作が一番好きですね。
作中の台詞にある通り「ハッピーエンドの、その先」を描いた映画として、しっかり楽しむ事が出来ました。