7.《ネタバレ》 必ず誰か一人が死んでしまう状況、何度やり直しても家族全員が生き残ることはできない。こっちを足せばあっちが減る、という数学的なものを感じるし、萩尾望都や映画「バタフライエフェクト」をはじめSF各ジャンルで追求されてきたテーマですね。
そこに、お告げを聞いてしまう人間の存在と新聞をからめ、うまくまとめていると思う。ホラーとしては、なかなかの仕上がりと思う。
あと、この作品は、極端にセリフが少ない。…まさか酒井法子になるべくボロを出させないため、ではないだろうが、本当にセリフが、無いといっていいくらいに少ない。
ほとんどすべて、シーンそのものや、人物の目配せや身振り手振りで観客に伝えようとしているのだ。かなり意図的にセリフを省いていると思う。だから、終盤の「この電車に乗らないくれ」の一言が、「アレ、久々にセリフらしいセリフを聞いたな」と強調されてくる。
キャストについて。三上にとっては、十八番といえる役柄であったろうし、特に異論はない。そしてなぜ酒井法子…。
離婚して、バリバリ働いて車を乗り回すキャリアウーマン、という役どころだというのに、これほどノリピーに合わない役も無いし、…演技というほどのことは何もできてない…。セリフを棒読みして、あとは三上とのラブシーンを嫌々こなしているだけ(本当にイヤそうだったなあ。)。
女優落ちした元アイドルの中でも、ダントツで一位を献上したい大根である。や、大根とも言いたくないような気がする。大根のあとには少なくとも役者がつくから。酒井法子。この演技力で映画に出るとはある意味すごい鉄面皮。