2.《ネタバレ》 勝新太郎がアヴァンギャルドの気質を持った映像作家であることは聞いたことがあったし、実際勝プロで「燃えつきた地図」を勅使河原宏を使って撮らせたりしてるし。しかし、ここまですごい映像をとる人だとは、予想外だった。これに比べたら、89年のリメイク版なんて、足元にも及ばないぶっとんだ映像だ。
まず構図にびっくり。下から上から、至るところにカメラを据える。そしてアップをとにかく多用する。アップが逆に見ているほうの想像力をかき立てる。そしてひたすら殺伐とした世紀末的世界。(まるで「北斗の拳」だね。)痴呆の少女がチンピラどもにいたずらされたりなど、衝撃的なシーンも。
これはすごい。本当にすごい。自分で築き上げてきたシリーズを自らのプロデュースで自らの演出で壊してしまう、勝新太郎。頭が下がります。