5.《ネタバレ》 ラピュタで一番キャラが立っていたのは、ドーラだった。
誰が為に鐘は鳴る(映画版)で一番キャラが立っていたのは、ゲリラの女頭領だった。(ちなみに映画そのものはかなりつまらない)
この映画で一番キャラが立っていたのは、くるみちゃんだった。
このくるみちゃんだが、完膚なきまでに敗ける。しかも、卑劣な策を弄しても、まだ敗けた。
そのことをくるみちゃんが、はっきりと理解する場面が描かれていた。(しかもここは二段重ねだ)
更に、映画はこのくるみちゃんに負け惜しみを言わせる。
ここはあれだ。サウンド・オブ・ミュージックで富豪の未亡人が失恋した時に、体面を保たせた場面を思い出させた。
野球少年は、自分が好きな女が失恋した時に、その場に居合わせた。立場上反応は出来ないのだが、彼女の痛みを感じ取る。だが、この場面は観客に、野球少年が自分がしているのが片想いであることを、そして相手が誰のことを好きだったのかを知っていたことを理解させる場面でもあった。
丁寧な映画だ。
そして、誰も悪者にしない。
前述のくるみちゃんも、ラスト前で、良い役がまわってくる。
おそらく原作ありじゃないかと思うが(原作なしのオリジナル脚本でここまで書けるやつは今の日本にはいない)、俺は丁寧に描かれてさえいれば、ただそれだけで評価する。