1.宮崎駿の取材嫌いに反して、どこよりも取材を受けまくっているジブリの新たなドキュメンタリー。今までは、外部の人が「自分たちの知らないアニメ制作の世界を覗いてみよう」というスタンスで作られたものが多かったと思います。今回はそれとはまったく逆。ジブリの中に入り込み、宮崎、高畑、鈴木、そして沢山のスタッフを通して、「ジブリから見える世界」を写し取ったような「作品」です。「世界中で評価され名声を得ている秘密はどこにあるのだろう?」という邪推で臨むと、こんな映画は撮れないだろうな、と思います。この監督の「エンディングノート」はまだ観ていませんが、ただ者ではなさそうですな。ジブリに何か特別な秘密があるのではなく、誰もが当たり前のように生きている世界、自分が立っているところから見える風景の中に発見があるんだと教えられました。