11.《ネタバレ》 数回見てやっと名作だと分かりました。レオは父の敵を討つはずでありながら、手間取ったり逡巡したりしてなかなか前に進まない。スーパースター的な活躍を全然しない。凄くリアリティがあります。デイ=ルイスは、単なる敵役のボスではなく、レオを父の代わりのような暖かさで包んでいる気配がある。キャメロンも、この作品では珍しく立ち位置を把握した的確な演技を行っている。登場人物の造形に一筋縄ではいかない味わいがあります。そして、脇役も含めて、それらの人物の行動が、これまで意外にふれられることのなかったNYという街の生まれていく経過を一体となって表現しています。最初は単なるヤンキーの喧嘩(文字通りだ)だったのが、利権と結びついてマフィアの原型のようになり、それが最終的に国家権力によって制圧される、その構造が徐々に浮かび上がってくるのです。米版キャッチの"America Was Born In The Streets."が見事にこの映画の本質を表しています。それを具現化したのが、当時の街の全体風景を執念で再現してしまった美術陣であり、この頑張りも称賛されるべきでしょう。2時間40分があっという間。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-03-27 00:46:17) |
10.《ネタバレ》 一度目は「つまんないなぁ」って思ったんですけど、2度目の鑑賞は楽しめました。よく作りこまれてる映画なので、2度3度見る方が絶対に楽しめるんですね。この映画はなかなかに意欲的で、ヤクザの抗争にリンクさせて激動のアメリカ史が描かれています。「ゴッドファーザー」サーガは時代とともに変わりゆくマフィアの姿を描いていましたが、ここではギャングが時代そのものとして描かれます。時代に翻弄される映画は数あれど、時代そのものを描く映画は少ないように思います。脚本の出来がよく、個人である各キャラクターの行動とアメリカ史の推移が違和感なくシンクロしています。さらにすべてのエピソードがクライマックスへ向けて収斂しており、本当によくまとまっています。クライマックス、混沌が支配する街でフツフツと堆積していた不満がついに爆発し、全市を席巻する大暴動へと発展。暴動の中でのネイティブズ(建国以来のアメリカ人)VS移民(新たなアメリカ人)の果し合いは、まさに世代交代の瞬間です。ここでのビルの死は古いアメリカ人の敗退、そして新しいアメリカ人の勝利を意味しており、それは移民が主役となって成長してゆくその後のアメリカの象徴でもあります。同時に、ここでの果し合いは政府による砲撃で中断しますが、それはギャングによる支配の終わりを意味します。それまでのNYはギャングの支配下にありました。ギャングこそが法律であり、政治家ですらギャングと共存関係にありました。しかしついに政府の力が全市に及び、彼らによる支配は終わりを迎えたのです。ネイティブズとギャングという2つの時代の終焉をこの映画は描いていたのです。そしてラストでは、ビル・ザ・ブッチャーとヴァロン神父という過去の遺物の墓標が見守る前で、NYは現在へと成長をしていきます。そしてテーマ曲「The Hands That Built America」と来るわけですから、もう震えましたね。そんな立派な映画なわけですけど、問題点は主人公のアムステルダムにあると思います。彼は状況に流されて右往左往してるだけで、どうにも行動が弱い。別にディカプリオがというわけでなく、描写自体が弱いんです。このあたりがスコセッシの限界というか、彼はキレた人とかキ○ガイとか、要するに傍若無人なまでに我が道を行く人を描かせるとピカイチなんですけど、一方で迷い悩む人間を描くのはあまり得意ではないようで。 【ザ・チャンバラ】さん 8点(2004-09-10 02:51:17) (良:1票) |
9.スコセッシ監督は絶対にディカプリオとキャメロン・ディアスの恋愛に興味はない!それほど二人のエピソードは浮きまくっていて不自然。ダニエル・デイ・ルイスとディカプリオの敵対とその関係に主軸を置いて、「グッドフェローズ」のような男のドラマをしっかり描いて欲しかった。それだけデイ・ルイスの絡んでくるシーンは素晴らしいです。主人公は彼だ!あと911で倒壊した貿易センタービルがそのまんま残っている事にも驚き。わざとカットしなかったのか、うっかりミスか・・・自分は、意図的に残したほうに一票です。 【クラウン】さん 8点(2004-07-01 23:03:06) |
8.イタリア系ではなしにもう一世代前のアイリシュ系というのが新鮮だった。スコセッシ監督にしては普通にまともな大作として楽しめた。それにしても当時はろくな防具なしにあんな斧みたいので戦っていたんだろうか… 【番茶】さん 8点(2003-11-23 10:35:06) |
《改行表示》7.あまり期待していなかったので、結構楽しめた。その時代に生きた男たちの栄光と挫折が良く表現されていた。戦いのスケールは小さいかもしれないが、男達はそれでも栄光をつかむため戦い、ニューヨークの1つの時代を作り上げていった。それが今の時代にも確実につながっていると思う。特にダニエル・デイ・ルイスの演技は秀逸。 【Andy17】さん 8点(2003-11-22 00:16:31) |
|
6.《ネタバレ》 恋愛映画として観るとつまらん。ディカプリオの視点で観るとう~む。時代背景を予習してビル・ザ・ブッチャーを主役として観るとすげー面白いゾ!ビルはなんとかして歴史の浅いNYを世界一の都市にしたかったのだ。その為にはリスペクトする神父も殺す。誰でもない、この俺様じゃないとダメなんだ、あのリンカーンが大統領だぁ?ふざけんじゃねえ!タマニー派は俺を利用しようとしやがる、俺があいつらを利用してやるんだ!「俺は俺の手で俺様の国を創る」そんな映画。なんかベルセルクのグリフィスを彷彿させられました。ビル・ザ・ブッチャー並びに数あるギャング組織も実在してたっていうのがイイネ。あんなキレた連中がご先祖様なんだもん、アメリカが好戦的でイケイケな国なワケがわかりました。ラストシーン好きですよ、国敗れて山河ありって感じで。ツワモノどもの夢の後ってかんじで。 【もりしげひさや】さん 8点(2003-11-14 05:25:25) |
5.まず、これは日本人向きじゃない。そしてデカプリオファンが見るべき物でもない。アメリカ人は自分達の歴史とアイデンティティを確認するために映画を作るんだろう。血塗られた時間が過去にあってそれが亡びもせず今に繋がっていることが明白になる。911をどう捉えるかそして自分達はどうせねばならないのか結論を出そうとしている。 【cabai】さん 8点(2003-03-05 16:52:34) |
4.周りの反応はイマイチだけど、私は楽しかった(^-^)いろんな戦いが入り組んできて、最後はスゴイことになってニヤリとしちゃったよ!ルイスの役の人ってイイ人ですね。かっこよかった!皆が信念に基づいた行動をしているのが良かった。この映画って単純にあるニューヨークのギャングの話ってダケじゃない?意味なんて求めないからいいんだと思う。 【今日のわんこ】さん 8点(2003-02-08 01:38:26) |
3.デイ・ルイス最高。衣装も素晴らしい。キャメロンは不要。そして事前の広告コピー最低。みんなにタイタニックの続編的な期待をさせちゃうから結果として評価を下げてしまう。予備知識ゼロで臨んだら10点つける人だっていると思うよ。え?レオ?かっこよかったよ。でも可もなく不可もなく。彼じゃなくちゃ!という存在感までは発揮できず。ま、ルイス様を前にしちゃ仕方ないけどね。 【pon】さん 8点(2003-01-20 14:46:23) |
2.アメリカの歴史に興味ない人にはうーんってカンジかもしれないですね。(そーゆー私も歴史に興味なかったんですけど)でもその歴史的背景を考えると、なんとも切ない映画です。映像も良かったし、満足できる映画でした。 【パピコ】さん 8点(2003-01-15 12:38:19) |
1.良かったと思いました。私はNYに9人近く住んでいるので、NYが米国史の上でどのようにここまで来たのかが良く分かりました。この映画はニューヨークやアメリカを住んで知っている人の方が分かりやすいんじゃないかなと思う。アメリカは君主制度がもとになっていないからこういう国になったということなどがよく描かれていたと思います。スコセッシのNYに対する愛情があらわれていたと思う。 【リエ】さん 8点(2003-01-06 03:44:06) |