25.《ネタバレ》 これもまた凄い映画です。今までの伊丹監督の映画にもヤクザは出てきましたが、本作は伊丹版ヤクザ映画でしょうか? 昭和の時代、芸能界とヤクザは切っても切れない関係だったと聞きます。だからかどうか解りませんが、ヤクザ映画は邦画の一大ジャンルを占め、そこに登場するヤクザは、入れ墨してて怖いんだけど、男気があってカッコイイ主人公が多いんですよね。ある意味、ヤクザのイメージアップに貢献していたんじゃないでしょうか。鶴田浩二や高倉健、菅原文太に憧れて、その道に足を踏み込んだ若者も、少なくなかったことでしょう。 一方、本作のヤクザは弱いものから金を巻き上げる、怖くて悪いだけのヤクザです。しかも人を騙し、弱みを握って、罠に嵌めて、恫喝して金を巻き上げる、手口も汚いし、お世辞にもカッコイイとは思えないヤクザです。ヤクザ映画と伊丹映画。実際に私達の周りにいるヤクザって、どっちなんでしょうかね? 怖いヤクザの化けの皮を一枚一枚剥がし、恫喝は出来ても、そう簡単に暴力は振るえないヤクザの実態を丸裸にしてみせます。映画を観る私達も、セキュリティ対策の鈴木と若杉のように、まひるから対策を学び、「もうヤクザなんて怖くない!」とまで思わせる力量は見事です。集団でホテルに来たヤクザの一団を、鈴木がホテルマンたちの先頭に立って、涼しい顔で撃退するシーンは本当にスカッとします。 伊丹監督が、ヤクザを敵に回す覚悟があって本作を制作したのかは疑問です。脱税、宗教団体&地上げ屋ときて、今度はヤクザの実態を暴くハウトゥを映画にしてみようか…。なんて具合に、単に娯楽としてスタートした可能性は否定できないですよね。 前作『あげまん』が思いのほか公開後の評判が良くなかったためか、本作は伊丹監督らしいスタンダードな仕上がりとなっています。 ただ当時は、こんなにクオリティ高いのに、マルサと同じようなジャンルが続いてしまい、“伊丹監督ってこういうのしか面白く撮れないのかな”なんて、マンネリ感を感じてしまっていたように思います。今思うと贅沢な考えですよね。 公開直後の伊丹監督襲撃事件は、却って監督を本気にさせてしまったのかもしれません。いわば襲撃も、映画を見た観客のレスポンスの一つ。自分が暴こうとした真相に近づいた証拠!くらいに思っていたのかな?なんて。 今となっては真相は解りませんが、映画業界が持ち上げたヤクザのイメージを、地の底に突き落とす力を持った映画なのは、間違いありません。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 8点(2024-06-18 22:18:56) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 志の高い映画ですね、素晴らしいです。 きっちり面白さも散りばめられていてエンタテインメント性も文句なしです! 最後の大地さんとやくざの対峙は凄かったですね。 銃のない日本でもこんな手に汗握る決闘シーンを撮れるなんて。 現代(といってももう20年も経つんですね)日本の社会を舞台にすることで多くの人の共感(今作では妨害もあったようですが)を呼んで、取り込み、結局は社会に生きてる人達すべてを出演者にしてしまう作品づくりに感服するばかりです。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-05-25 16:00:32) (良:1票) |
23.ヤクザ映画ていうとどうしても暴力だけを売りにして、ヤクザそのものの本質というものをきんちと描かない監督が沢山、いる中で、やはり伊丹十三監督は何かが違う。単なるヤクザ映画にしてない。ヤクザそのものの恐ろしさと弱さとの両方をきちんと余すことなく描いている点がこの監督の持っている才能であり、人間観察の鋭さというものをここでもまた感じることが出来る。どんな内容、どんな題材の映画でも伊丹十三監督という人は映画というものの強さ、利点を大いに生かして観る者に映画監督とは何なのか?映画に対して常に全力で撮っているというものを感じるさせるのである。正に映画に命をかけて撮っている。健全な一般市民を金の力や暴力によって脅かす存在であるヤクザ、暴力団と言われる人達、そんな非人間的な者に対し真っ向から立ち向かって見せた伊丹十三監督の心意気は賞賛に値する。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-05-22 22:46:08) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 面白いなァ。伊丹監督はNHKスペシャルで取り上げるような硬派なテーマを老若男女わかりやすく、エンターテインメントとして仕上げる職人ですね!民暴対策の羅列で終わるのではなく、大地さん、村田さん、宝田さんとそれぞれにきっちりとした持ち場を与えているので、カタルシスがハンパないです。もし監督が存命でしたら、昨年世間を賑わせた「身元不明の100歳」等をテーマにした作品を撮って欲しかったですね。それにしても大滝秀治さんはおいくつなんだろう?特捜最前線の頃からソフトバンクのCMまで全く変わってませんよね? 【かんちゃんズッポシ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-01-04 14:35:07) (笑:1票) |
21.ミンボー(民事介入暴力)担当の女弁護士が主役の民間人対ヤクザの話。キャストよし、音楽よし、テンポよし、笑いよしでとにかく面白い映画。ただ、民間人相手に金をせびるセコすぎるヤクザが敵なだけあって、敵キャラが安っぽくて頭悪すぎて負ける気がしないところが難か。ヤクザってあんなに暇なのか。ヤクザとはかかわりたくない。 オープニングのかっこよさは神懸かってます。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-09 15:11:01) (良:1票) |
【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-06-21 09:37:00) |
19.おもしろかったです。いわゆる暴力団ってのがわかりやすく描かれておりました。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-03-24 21:41:37) |
18.《ネタバレ》 暴力団のゆすりの手口の数々とそれにどう対処すべきかを娯楽性豊かに描いた痛快作。キャスティングが絶妙で、とりわけ支配人を駆けゴルフに誘いスキャンダルの罠を仕掛ける伊東四郎が印象的。監督の伊丹十三が襲撃されるほど暴力団を本気で怒らせたヤバくてためにもなる作品。伊丹十三監督作の中でも最も好き。 【きーとん】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-09-18 16:41:29) |
17.これはすごく良かったです。社会派のテーマを実に解りやすく見せてるし、キャスティングには非の打ち所がありません。考証がきっちりされているので、問題となっている事象にリアリティがあります。従業員のストレスによる血尿など、インパクトのあるエピソードを効果的に織り込み、テンポの良い展開で最後は爽快に決めてくれる。伊丹監督は実存する社会問題を、映画というエンターテーメントにまとめ上げるのが本当に上手いですね。あー、しかしこれが生かせるような状況には…立ちたくないよな~。 【あっかっか】さん [地上波(邦画)] 8点(2009-05-06 13:14:47) |
16.《ネタバレ》 伊丹監督は素晴らしい。15年も前の映画とは思えない。 どの作品も、今の日本で大きく問題になっている事ばかりです。惜しい人を無くした・・・。 【お好み焼きは広島風】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-11-21 23:21:22) |
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【カフェ俺!】さん [地上波(邦画)] 8点(2007-07-16 10:09:08) |
14.《ネタバレ》 基本的にヤクザが絡んでいる映画って嫌いなんだけど、これは面白かった!ヤクザとプロフェッショナルの真剣勝負、撮影現場はさぞや凄い唾の嵐だったでしょう(笑)。マルサよりも強く、「スーパーの女」が子供騙しに思えてくる程の迫力。ただこの映画の本当の主人公は宮本信子ではなく、従業員役の大地康雄と村田雄浩でしょう。最後にヤクザに向かって反撃するところ、そして今まで逃げ隠れしていた総支配人が言い返すところはスカッ!としました。相変わらず伊丹監督はこういう凡人の知らない世界を見事に娯楽化するのが上手く、観客を引き付けるコツを心得ていたんだろうなぁ~とつくづく思います。 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-09 13:51:02) |
13.キャストが素晴らしいですな。村田雄浩、伊東四朗、中尾彬が特にハマリ役。本当、傑作の1作。それにしても村田雄浩の号泣はどうにかならんのか。笑ってしまいそうだ。 【トシ074】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-18 23:42:11) |
12.《ネタバレ》 キ、キンタマちぢみあがった((;゚Д゚))ガクガクブルブル だって怖いんだからしょうがないもん。僕も、日常業務の中で苦情処理の仕事もやってますが、ここまでひどくはないけど非常に似ている…。しょせんあいつら金が目当てなんだけど、絶対に「金額」をくちにしませんよ、ホントに。 警告! この映画を観て、低い点数をつける人はヤクザの本当の恐ろしさを全然分かってませんよ! 最後、まひる弁護士に頼らず、自力でヤクザを撃退するのが最大のテーマであり、それが分かりやすくて非常に良い。村田雄浩なんて僕とおんなじだぁ。僕も上司から同じように指導されています。小松方正の忘れ物のカバンの件、たしかに確実に相手の身元を確認しなくっちゃね。こちらに非がある点だけは素直に認めましょう。しかし、いわれのない強要には毅然と断りましょう。よし、頑張るぞ! …、頑張るぞ…。 |
11.その筋の方に遭いたくば歓楽街に行くより「拘置所」の門の前にいるほうが遭える確立は高い。これから入られる方、お見送りされる方等を遠目からこっそり見ていた(遭ってないじゃん)私は一体何の目的があって見ていたのだろうか。だけどなんとなくストーカーの気分を味わえたような気もした一日だった。 【tetsu78】さん 8点(2004-10-16 00:19:14) |
10.ラストで毅然として、ヤクザを言葉だけで追い返した大地康雄の大拍手!おめでとう、ヘタレ卒業!民事介入暴力には組織全体で、屈服しない態度を取ることが必要だとよく分かります。けど、自分だったらチビるかも・・・。 【次郎丸三郎】さん 8点(2004-06-24 02:14:08) |
9.とても良かったです。面白い上に勉強になりました。あちらの世界の住人の方とは生涯知り合いたくないです。伊丹監督らしい一本でかなり好きな方です。 【きすけ】さん 8点(2003-11-21 14:49:00) |
8.実際暴力団に襲撃されてるのだから、真剣だし説得力があるなあ。今や好々爺っぽい伊東さんの「おい!お前!弁護士!」てのが迫力ありすぎで笑えた。 【たつのり】さん 8点(2003-09-24 14:37:19) |
7.元々は監督がヤクザに襲われた事を発端に作られた映画、襲われて尚、真正面から戦う姿勢を映画に込めるとともに、世間に悪に対して合法的に戦う手段と勇気を教えてくれた映画。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2003-09-15 00:54:18) |
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