カリートの道のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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カリートの道

[カリートノミチ]
Carlito's Way
1993年上映時間:144分
平均点:7.78 / 10(Review 213人) (点数分布表示)
公開開始日(1994-04-23)
アクションドラマシリーズもの犯罪ものヤクザ・マフィア小説の映画化バイオレンス
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2019-11-22)【アラジン2014】さん
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監督ブライアン・デ・パルマ
キャストアル・パチーノ(男優)カリート・ブリガンテ
ショーン・ペン(男優)デイヴィッド・クラインフェルド
ペネロープ・アン・ミラー(女優)ゲイル
ジョン・レグイザモ(男優)ベニー・ブランコ
イングリッド・ロジャース(女優)ステフィー
ルイス・ガスマン(男優)パチャンガ
ジェームズ・レブホーン(男優)ノーウォーク
ヴィゴ・モーテンセン(男優)ラリーン
リチャード・フォロンジー(男優)ピート
エイドリアン・パスダー(男優)フランキー
ジョン・オーティス(男優)カリートのいとこ
ポール・マザースキー(男優)ファインスタイン判事
ジョン・セダ(男優)ドミニカ人
ジョン・フィン(男優)ダンカン
マーク・アンソニー(男優)ディスコのラテンバンドのメンバー
野沢那智カリート・ブリガンテ(日本語吹き替え版)
安原義人デイヴィッド・クラインフェルド(日本語吹き替え版)
玉川紗己子ゲイル(日本語吹き替え版)
中村秀利ベニー・ブランコ(日本語吹き替え版)
小林優子ステフィー(日本語吹き替え版)
梁田清之パチャンガ(日本語吹き替え版)
小室正幸ノーウォーク(日本語吹き替え版)
二又一成ラリーン(日本語吹き替え版)
原作エドウィン・トレス「カリートの道」「それから」
脚本デヴィッド・コープ
音楽パトリック・ドイル〔音楽〕
主題歌ビリー・プレストン"You Are So Beautiful"
撮影スティーヴン・H・ブラム
製作マーティン・ブレグマン
マイケル・スコット・ブレグマン
ウィリ・バール
ユニバーサル・ピクチャーズ
製作総指揮ルイス・A・ストローラー
配給UIP
美術リチャード・シルバート(プロダクション・デザイン)
グレゴリー・ボルトン[美術](美術監督)
レスリー・A・ポープ(セット装飾)
パトリシア・ウッドブリッジ(美術監督助手〔ノンクレジット〕)
カイル・クーパー(タイトル・デザイン〔ノンクレジット〕)
振付ジェフリー・ホーナディ
衣装オード・ブロンソン・ハワード
デヴィッド・C・ロビンソン[衣装](アシスタント)
ローラ・ジーン・シャノン(ワードローブ・アシスタント)
編集ビル・パンコウ
録音リチャード・P・シリンシオーネ
字幕翻訳戸田奈津子
スタントバディ・ジョー・フッカー
その他エドウィン・トレス(テクニカル・コンサルタント)
あらすじ
カリートは麻薬売買で鳴らした大物ヤクザ。30年の刑を受け服役していたが、弁護士の活躍で5年で出所する。シャバに出たカリートはカタギになることを目指し、南の島でレンタカー屋を営む計画を立てる。資金を貯めるためサッソの店に投資したカリートは昔の恋人ゲイルと寄りを戻し、夢を膨らませるが、恩人クラインフェルドからとんでもないことを頼まれて…巨匠デ・パルマ入魂のヤクザ映画。
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56.《ネタバレ》 でもあれですよね、たとえカリートがパラダイスに無事にたどり着いたとしても、いくらなんでもレンタカー屋さんは勤まらないでしょうね・・・。「なんだと?!ウチのふぁっきん自動車をぶつけただと?!(あなたやめて!!)ウチは信用第一で商売してんだ!!人の車だからとチョロい運転されちゃ仁義がとおらねぇんだよ!!(お客様になんてことを!!)。ドタマぶち抜かれないうちにとっとと失せやがれ!!!(アナタ~~~!!!!)」なんてことになって、倒産したレンタカー屋を背に「努力はしたんだ・・・」なんてことにならないか心配です(笑)。
ぶらきさん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-14 02:30:46)(笑:7票)
55.《ネタバレ》  普通の成り上がり系のマフィア映画かと思いきや、感動的な人間ドラマでした。この映画のアクション、サスペンスはもちろん素晴らしいのですが、何と言ってもカリートという人物の放つ魅力がたまらないのです。
 裏社会で伝説のような人物になりながら、ここまで恋人や友情や信頼関係というものを大切にする人間がいるでしょうか。おそらくリアルな世界ではいないと思うわけです。これはフィクションの世界だからこそできた人物像であって、私たちが憧れるような人物像のひとつのモデルとも思えるんです。
 だからこそ、カリートの一挙手一投足、ナレーションの一言一言に必要以上に感情移入してしまい、等身大のカリートをとにかく応援してしまいます。
 ただ、カリートはちょいちょい失敗もします。彼は決してヒーローではないんです。ミスジャッジしちゃうんです。そしてそのミスのつけっていうのは、すぐには返ってこないのです。後半に向けて、少しずつ蓄積されていくんです。
 蓄積されるのはそれだけではありません。時間が経過するほど、カリートの貯金も貯まっていきます。夢がすぐそばまで近付いてきます。彼女ともうまくいきます。子供ができ、3人の未来がよりいっそう現実味を帯びてくるのです。
 そして終盤、もう夢がかなう、目の前にある、と同時に、次々と、今までの失敗のつけや、過去の亡霊が、不安要素として一気に噴出してきます。
 それはサッソでありパチャンガであり、クラインフェルドであり、イタリアマフィアであり、ベニーブランコでした。
 ただ、終盤は、「いったい誰が、彼の夢を砕いてしまうのか」ということが考えられないくらいカリートのハッピーエンドを本気で信じてしまいます。嫌な予感は全然なくならないのに。そして、イタリアマフィアをふりきり、ホームで彼女と再会してほっとした瞬間、最悪のデジャヴを感じるわけです。『・・あれ、このシーンって。』
 そしてはっきり思い出す間もなく、最悪のラストを迎えます。
 映画全体が完璧なひとつの流れを作っていて、最後はもの凄く感動的で、もの凄く最低な余韻を残してくれる素晴らしい作品です。
 でもラストがやるせなさすぎて、悲しすぎて、もうこの点数が精一杯です。
たきたてさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-05-23 14:32:49)(良:5票)
54.《ネタバレ》 「You are So Beautiful」。往時に流行ったセンチメンタルなこのバラードが映画の主題歌とは知らなかった。本作のラストで、パラオの紫の夕日に踊るゲイル(だと思う)にこの曲が重なって来たときの鳥肌感。もちろん、死を覚悟した透き通った瞳のアル・パチーノのモノローグからのつながりがあってのことだと思います。遠くにいってしまった憧れがどんなに輝きを持っていたか。換言すれば、「You are So Beautiful」を聞くための映画だと思う。よかったです。
なたねさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-22 20:57:43)(良:2票)
53.《ネタバレ》 「スカーフェイス」とは関係ない映画だが、「スカーフェイス」のトニーモンタナを、逮捕前のカリートとダブらせるとより楽しめるようになっている。モンタナは常にイライラした感じで、「ファック」を連発していたが、カリートは、感情を抑えて、控え目で、かなり落ち着いた印象である。自己を冷静にみつめ達観した様子も伺えるが、「筋」だけはきちんと通す「古いタイプの男」がそこにいる。
「殺し」についてはカリートは美学を持っているようで、「殺そう」と思って殺すのではなく、「殺さないとこちらが殺される」から殺すというもの。冒頭の甥っ子の仲間とラストのマフィアでは躊躇なく殺しているのがカリートの生きる道である。
それにしても、アルパチーノが、この世界から引退して、バハマでのレンタカー屋を夢見る中年オヤジを好演している。「スカーフェイス」とは全く違う演技だ。やはりこの演技力には唸らされる。
「カジュアリティーズ」でもデパルマと組んだショーンペンもテンパッた弁護士を好演している。彼の存在によって、本作はさらに輝きを増したといえる。
そして、監督デパルマの職人芸が相変わらず冴えに冴えまくっている。カリートとマフィア4人組との「追いかけっこ」はまさに必見というしかない。階上にいたカリートを映していたカメラマンが自らエレベーターを降りて、マフィアたちを映すシーンの、計算し尽されたスムーズさには、感嘆し、驚愕せざるを得ない。
本作で議論になる点としては、冒頭にカリートが死ぬとネタバレしているところだろう。
カリートが死ぬと分かりながら、本作を観る「効果」としては、「カリートの夢に向かう努力は報われず、すべてまさに夢に終わると知っているから、彼の行為はどこか儚くみえるのだろう」と監督は考えたのだろうか。
しかし、その効果はあまり高くはないと思う。冒頭であのような結末を描くのではなく、「彼の夢があと一歩で叶う」と観客に思わせておいて、寸でのところで断ち切られるという虚しさや、そんなに簡単にこの道からは抜け出せないという、この世界の深さを感じさせた方がよかっただろう。
クライマックスを冒頭で示して、フラッシュバックして過去に戻るという手法が多くの映画で取られているが、流行の手法だからという理由だけでやっている場合があると思う。本作のストーリーを踏まえると、この手法は明らかにマイナスといえるだろう。
六本木ソルジャーさん [DVD(字幕)] 8点(2006-10-01 15:26:32)(良:2票)
52.アル・パチーノの映画で一番印象に残っている。
最後の駅のシーンはとても悲しかった、
ゲイルと新しい生活を送らせてやりたかった。
夕日に踊るゲイル。
エンドロールを映画の一部だと思い、
これほど切ない気持ちで最後まで見た映画も少ない。
プエルトガレラさん [DVD(吹替)] 8点(2020-10-10 20:20:23)(良:1票)
51.《ネタバレ》  少し枯れた男が人生を取り戻そうとしている。少しずつ、情けの無くなった慣れない元の街にも溶け込み、周囲には「あの麻薬王も落ちぶれた」と陰口をたたかれながらも筋を通す。筋を通し、ウルトラにまっすぐに昔の女と愛をはぐくむ。夢の成就まであと少し。だがゲイルは言う。「あなたはもうすぐ死ぬのよ。」。鑑賞している私たちも最初から知っている。カリートは死ぬと。周囲に次第に暗雲が立ち込める。旧友の裏切り。台頭してきた若いギャング。反するようにゲイルの妊娠。
 カリートの死にざまを観るのこの映画を観た人は、ほぼスカーフェイスも観ているのでは。スカーフェイスの爆裂したパワーは本映画には感じられない。しかしパチーノ演ずるカリートはその後のトニーとしか思えない。カリートも昔やんちゃで、けんかっ早く、自分が望んだかどうかはわからないが殺してきたのだろう。
 いやがおうにも緊張感が高まる展開。カリートの夢の実現とそれを阻む人間たちの襲来が同じテンポでやってくる。裏切ったクラインフェルドへも直接ではないが逆の意味で義理を果たす。
 そんなカリートが生きてゲイルと逃げのびることをここまで願うとは自分でも思わなかった。死ぬってわかっている。最初にそういうシーンがあるのだから。でもあの映画史に残る銃撃戦(デパルマグッジョブ)を逃げ延びたカリートは撃たれるが、実は生きていたなんて展開にならないかと念じた。
 だが…、あの歌が。もっと違う歌なら無理やり違うエンディングの可能性を心に秘めることができたかもしれないが。あの歌がかかると、映画はここでかっちりと終わるのだ、カリートの道はここまでなんだ、と思い知らされた。超逆接的ラブソング。「you are so beautiful」。
 カリートの不器用さに憧れて、筋の通し方に心を奪われ、愛に泣けた。
JFさん [DVD(吹替)] 8点(2015-06-08 11:48:14)(良:1票)
50.《ネタバレ》 同監督の『スカーフェイス』よりこちらのほうがいい。
生え際の後退した弁護士がショーン・ペンだとはまったくわからなかった。
薬中のイカレた悪徳弁護士を好演し、主演のアル・パチーノを引き立てている。
身内からも裏切りが当たり前のようにある汚い世界は『仁義なき戦い』のよう。
そんな中で、借りは返さずにはいられない義理堅い男カリートの不器用な生き方は応援したくなる。
カリートの夢は足を洗ってレンタカー屋になって愛する女と平穏に暮らすこと。
その夢が裏切りによって潰える最期は哀れを誘う。
悪の道にいったん浸かってしまうと抜けられない定めか、それも所詮は自業自得ではあるのだけれど。
マフィアからの逃亡劇は見どころの一つだが、追っ手が超肥満男や年くったオヤジでは間が抜けていて少し滑稽だった。
ああいうのは普通もっと若くて動きのいい兵隊にやらせるだろうに。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 8点(2014-03-12 18:14:20)(良:1票)
49.《ネタバレ》 今日、朝のテレビ番組で映画の中で・・・した俳優ベスト5と言うのがやっていて(関根麻里のコーナー)、この映画の結末を言っていた。「えっ、今日見るつもりだったのに・・・」。
結末が分かっていても面白かった。エンディングの音楽がまたGOODだった。
のははすひさん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-13 00:39:53)(笑:1票)
48.《ネタバレ》 ブライアン・デ・パルマという監督を知っているか?

いや、今日は久しぶりに本作を観た。
人は生きてると、追いつめられる事がある…
そんな時こそ、これを観て欲しいと思う映画だ。

仕事でもそうなんだ。

――「こんなはずじゃなかった…」

――「あの時、ああなったから…」

――「アイツが居なきゃ…」

時間が経過すりゃ反省する事もあるが、こんな思いになる事があるだろう。
俺も、多分…過去はそうだったと思う。
けど、早いうちに、俺は最悪と共に「その考え」を変える事が出来た。

それは、過去…癌に掛かった時だ。

癌に掛かると逃げ場のないエリアに追い込まれる。
散々、癌の時にも上記の事を散々考えた。

けど、どうにもならず…頭に描かれたのは信長公の言葉。

――是非に及ばず。

要は、仕方ない…そう考える事だ。
そりゃ、文句や言い訳もあった…無限に。
けど、考えて考えて考えて…何度も何度も思考は辿るが、結局のところ自分なのだ。

結局は、人は変えられないが自分は変えられる。

この思いを含めて更に考えてみる。

世の中には自分しか居ない訳じゃない。
そして、天候が変われば晴れや雨にもなるのが道理。
素晴らしい世界がたくさんある代わりに、想うように進まない事が殆どと知るべきだ。

けど、諦めるって意味じゃなく、どこを基本に置くか?の問題。

そう――是非に及ばず、だ。

人生は、考えていた基本形で物事は進まず…色んな事件が付加したり、様々な人間が絡んでくる。
その突発的な出来事すらも絡めて、物事を進めていく…それが人生であり”道”なのだ、と思う…。

さて、カリートの道。

尊敬する監督…ブライアン・デ・パルマの逸品だ。
監督の作品を辿れば…ヒッチコックに導かれたような数々の名作を知り、ジャンル問わず時代を駈け廻っていたと知る。
いや、様々な娯楽映画を創りながらも中でも、俺は「スカーフェイス」や「アンタッチャブル」が大好きで堪らない。

険しく切ない…男の道。
そして…時に現れる怨敵と困難の世界。
回避すべき世界を壮絶に観せて男が葛藤する…それが名将がデ・パルマ監督の作品だ。

デ・パルマの世界に触れるだけで俺は震える。

言わば、アレだ。
人生経験よりも時には得るものが多い。
俺にとって、だけど…そんな名画を創る監督だ。

さて、簡潔にカリート・ブリガンテの人生を辿りたい。

元麻薬王のカリートは友人弁護士の力で出所し、自力での更生を誓う。
正しく生きる為、周囲の誘いも断り…悪しき道に通ずる関係を断ち切ろうとした。

けど、現れる困難。
殺しの現場、悪意への誘い…その度にカリートは思う。

「この困難は、先に進む為に仕方ないことなんだ…」と。

だが、人としての義理、己の信念を果たそうとすれば、周囲や状況はそれを許さない。
一体、彼の進む道は…どこに向かうのか。

そして、彼の進みたかった道は何なのか?
ただ、一生懸命に道を歩きたかった…カリート。

――更生後の素晴らしい世界。
――愛する者と一緒に居る世界。

人を裏切らずに暮らそうとする彼が…疑念で敵に追われる様が…観ていて、ただ苦しかった。
きっと「これは俺の道じゃない…」と思いながら藻掻くカリート。
逃走せずに、己の道を探す彼…そこが「カリートの道」なのだろう。

想えば、カリートの道も、スカーフェイスもそんな映画だった。
例えようのない困難、人による鬩ぎ合の中で巻き込まれてゆく…そんな不条理の嵐…その嵐に立ち向かって生きてゆく。

けど、一方のアンタッチャブルはどうか?
財務官のエリオット・ネスは出向先の警察に散々裏切られ苦汁を飲む。
けど、そんな中でも彼は決心する。
己のプライドを捨てて、敢えて警官の中に飛び込んだ。

そして、マローン、マローン、そしてストーンら仲間を得て、命を賭して…暗黒街の王アル・カポネを追い詰めたのだ。

この突発的な出来事も人生だ。

受け入れる。
困難も祝福も、すべてすべて受け入れる。

そして時に振り返り、こうつぶやくのだ。
これが俺の道だ、と。


そう――是非に及ばず。

.
映画の奴隷さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-02-15 12:23:47)
47.人生を描くイーストウッドと、道をあゆむアル・パチーノ

アル・パチーノの主演でなければ平凡な展開だったかもしれない。

若き頃のワルさは映像では描かれていないが
今時分のワルさは描かれている。

それは自分に嘘をついて愛する人に本当の自分で嘘をつくことだ。

常に「人(友人、子どもの母になる人、昔の付き合い人)」 が起点となっている。
それは普通の描き方なら「巻き込まれている」 形になるが、
アル・パチーノが描くと、全てを包み込んで受け入れているようにみえる。

だから、正真正銘の悪いやつではなく
ワルという片仮名で表記したくなる、格好いい男なのである。

真っ当ではない、しかし他者を裏切れない男という自分を貫く、
そんな魅力が描かれた映画。
元祖さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-01 21:55:12)
46.《ネタバレ》 「スカーフェイス」(1983年)の10年後に製作された本作は、作品自体が「スカーフェイス」が10歳年を取ったような映画となっている。なんとなく「スカーフェイス」から毒気を抜きとり、角を全て取って丸くしたようなマイルドさがあるのだ。アルパチーノ演じるカリートはベテランのマフィアだが、その世界から足を洗い、愛する人との平穏な第二の人生を夢見る男。このカリートがとにかく良い奴で、つい応援したくなってしまう。冒頭から、最早あまり女性にも興味が無いような態度が描かれていたり、とにかく「これからは真っ当に生きていこう」とする真面目な(?)姿勢が描かれる。自分自身を曲げないところなどの共通点はあるものの、これはトニーモンタナからギラギラした要素を全て抜いたような男である。デパルマの演出はまさに円熟の域に達している。また、全体的にクスッと笑えるようなコミカルな演出が意図的にされているのも特徴だろう。「大人のためのマフィア映画」といった趣があり、また上質な映画が持つ独特な時間軸を有している。
rain on meさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-09-28 08:42:04)
45.《ネタバレ》 いろいろな任侠映画を見てきたけど堅気になるってことが如何に大変か。人を殺め麻薬を売りさばき恨みをかってきたヤツが簡単に足洗えるか。
偉大であったほどそれは難しい。女と南の島で新しい生活を始める、そんな都合のよい夢をみる不器用な男カリート。借りを返そうとすればハッピーエンドになれるはずは無い。代償は大きかった。
思い通りにいかないカリートの生き様はラストシーンに凝縮。
アルパチーノ史上に残る秀作です。
mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-20 16:06:27)
44.《ネタバレ》 面白かったけど、ヤクザもんではないですよね。見た目はそうやけど、途中からはアルパチーノの純愛モノです。(^_^;)
ま、でも色々と伏線があって、最後はハラハラさせられて、面白かったです。ゴミ虫の様な弁護士ショーン・ペンは上手いてますね。本当にウザイ役を演じてました。
SUPISUTAさん [DVD(字幕)] 8点(2016-05-04 01:51:43)
43.《ネタバレ》 カタギに戻ってこれまでとは違う人生を歩もうとしても、彼のこれまで積み重ねてきたギャングという半生がそれを拒んでしまう。それでもなんとか"パラダイス"への列車に乗ろうともがく姿をアルパチーノが熱演します。奈落の底へまっしぐらなバカ弁護士であっても彼に助けられたという恩をきっちり返す姿、「これで貸し借りはなしだ」と弁護士に迫るシーン、「Point of no return(一線を越えた)」と察するシーン、彼の生き方が感じられます。無理だとわかっていても彼が異国の地でレンタカー屋を営む人生を観てみたかったものです。
珈琲時間さん [DVD(字幕)] 8点(2015-08-31 08:42:28)
42.これぞデパルマという感じの映画でした。出所後の麻薬王が堅気に戻る努力をするという、結構普通のマフィア映画っぽいストーリーで特に女性に毛嫌いされそうな映画ですが、要所要所でサスペンスのような盛り上がりのシーンがちりばめられていて、飽きさせず、金を取りにいく最後のシーン以降はドキドキのエンターテインメント作品となっており、エンディングまで非常に面白かったです。
シネマファン55号さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-02-02 16:36:13)
41.カリート・ブリガンテ、アル・パチーノの色気が最高潮に炸裂している男。女が待っている列車に間に合ったその時の、銃撃戦をくぐり抜けてきた直後の笑み。一発でオチるなこれは。意外と言ってはナンですが縦横無尽のデ・パルマカメラに合わせるパチーノの身体のキレも相当なもの。身のこなしがゼロコンマ速い。す、素敵だ~。パチーノも上手いけど、S・ペンも忘れてはいけないんだった。ぱっと見ペンとは分からなかったけど、器の小さい成り上がり弁護士を見事な卑怯っぷりで熱演。この上手さにたじろがず、一歩も引かないパチーノもやはりえらい。(←贔屓)
tottokoさん [DVD(字幕)] 8点(2013-05-29 00:34:29)
40.監督の名前を知らずに観ても「デパルマだ」とわかるほどのデパルマ映画。見事に決まっているし、特に進化しないデパルマの演出(良い意味で)が冴えている。ショーン・ペン(!)とパチーノは言わずもがなの名演だし、オープニングとエンディングもかっこいい。素晴らしい映画だと思う。
Balrogさん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-07 12:36:45)
39.なんかこういう任侠もの、邦画にもなかったっけ?アル・パチーノが高倉健に見えた。パチーノはどんな役をやっても魅力的だけど、このカリート・ブリガンテは特に「どんなにかっこよくても絶対惚れちゃダメ」系男の最高峰としてはまり役だと思う。うわごとですらシビレます。
lady wolfさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-03 14:25:15)
38.裏の世界の厳しさがひしひしと伝わってきて、息を呑む展開の連続で面白かった。
アル・パチーノ、ショーン・ペン共素晴らしい演技だったが、
クラインフェルドが主人公を食ってしまいそうなほどよく練られた素晴らしいキャラで、
後半、展開の一つ一つに噛みだしてからより一層引き込まれた。
チートイさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-03 20:17:17)
37.《ネタバレ》 この作品は二大俳優の名演が際立っていました。やはりワルを演じたパチーノは一級品ですね。独特の凄みを感じました。映画史に残る駅での銃撃戦、パチーノの動きは尋常ではなかったです。ショーン・ペンもエリートからの転落ぶりを見事に演じていました。一度足を踏み入れると決して抜け出せない悪の道の残酷さがひしひしと伝わってきました。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-11 00:34:43)
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 213人
平均点数 7.78点
000.00%
100.00%
210.47%
310.47%
441.88%
594.23%
62310.80%
74822.54%
85626.29%
94018.78%
103114.55%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.40点 Review10人
2 ストーリー評価 8.26点 Review19人
3 鑑賞後の後味 8.38点 Review21人
4 音楽評価 8.83点 Review18人
5 感泣評価 8.18点 Review16人
chart

【ゴールデングローブ賞 情報】

1993年 51回
助演女優賞ペネロープ・アン・ミラー候補(ノミネート) 
助演男優賞ショーン・ペン候補(ノミネート) 

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