37.《ネタバレ》 何とも元気いっぱいで爽快な作品だが、一番の見所は僅かな登場シーンながら強烈な印象を残すデニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの対決シーンだろう。ウォーケン演じる海千山千のマフィアはまるで通常業務をこなすかのように、しかしとても威圧感たっぷりに拷問を開始する。これはチビっても仕方ないくらい怖い。対してホッパー演じる優しく素敵な父親は、暮らしぶりから察するにメインストリームから外れたいかにも冴えないオヤジ。だがこのオヤジ実は只者ではない。これはまさにハリウッドの異端児ホッパーのことだ。一通り凄まれた後、皮肉たっぷりにシチリア人にまつわる小話をかましてみせる。結果は〝試合に負けて勝負に勝った〟余裕しゃくしゃくで常に冷静沈着なウォーケンがホッパー相手にブチ切れてしまう。この面白さと言ったらない。それも冷蔵庫に貼ってあるメモであっさり行き先がバレてしまうというオチつき。つまりこの対決の結果は物語上どうでも良いことで、ただの見せ場なのだ。しかしこんなにワクワクするような対決がそうあるだろうか。例えばパチーノとデ・ニーロの対決(「ヒート」)なら誰しも見てみたいと考えるが、これはちょっとやそっとでは思いつかない。この場面を緊迫感たっぷりに撮ったトニー・スコットの手腕と、切れ味鋭い台詞を書いたタランティーノのユーモアはさすがだが、二人にホッパーとウォーケンを配役した人は相当凄いと思う。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-07-10 18:15:19) (良:4票) |
36.女にモテず、服装もダサいオタクのフリーターが巨乳の金髪に勝手に惚れられるという、イケてない男子なら誰もがしたことのある妄想が繰り広げられます。エロくて、かわいくて、おまけに趣味の話を聞いてくれる彼女なんて最高ではありませんか!家の外で趣味の話をしないことが大人になることなんだなと学ぶ18の春を男はみな経験するわけですが、このクラレンスは趣味と彼女を両立させるという奇跡を成し遂げます。うらやましい!美人にモテて気が大きくなったクラレンスはバイオレンス一直線に走りますが、これまた学校のヤンキーにビクビク脅えつつ、「こいつらを全員俺の鉄拳で倒し、校内に平和を取り戻してやる」という文科系男子のバイオレントな妄想が素直に実写化されています。ド素人のクラレンスがマフィアや警察を敵に回し、ハリウッドの大物プロデューサー(モデルはジョエル・シルバー?)相手に大きな取引を成功させる展開はうまく行きすぎですが、タランティーノのバイオレントな妄想の実写化であり、オタク青年のファンタジーとして見ると、これは非常に楽しめます。。。「レザボア・ドッグス」で注目されたばかりでまだ「パルプ・フィクション」も世に出ていない時期に製作されながら、意味のない会話、B級趣味、度の過ぎたバイオレンス等、本作はタランティーノ作品の特徴を驚くほどよく押さえています。すでに売れっ子監督だったスコットが、昨日今日注目されたばかりの若手クリエイターの個性を殺すことなく、よくぞここまで「タランティーノらしい」映画を作ったものです。同時期に製作され、一方こちらはオリバー・ストーンが好き勝手にいじり倒してタランティーノを激怒させた「ナチュラル・ボーン・キラーズ」とは対照的です(「ナチュラル~」の後、親友のロバート・ロドリゲスを除いてタラは自分の脚本を他人に監督させなくなった)。トニー・スコットは見せ場だけの大味な映画を作る監督だと思われがちですが、本作を見ると企画の良さを的確に理解し、従来の自分のスタイルにこだわることなく企画本来の良さを活かす工夫のできる、器用で謙虚な監督という印象に変わります。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-08-14 17:41:57) (良:1票)(笑:1票) |
35.《ネタバレ》 90年代に、燦然と輝く青春映画の金字塔。始まって五分でもう面白い。基本バイオレンスものは苦手なのだけど、それでもこれは終始びびりながらも目を離さずにいられなかった凄い吸引力だった。C・ウォーケンの離れ気味の冷めた目が、D・ホッパーの腹をくくった様相が、こわいこわい。息もできない。キレ芸がすでに確立しているG・オールドマンや、「何者でもない」チョイ役ながら、ミョーな脱力チャラ男ぶりで知らずに危機を何度も回避するブラッド・ピットも見逃せない。血まみれになりながらきっぷの良さのみでバイオレンスに対抗するP・アークエットに魂を抜かれてしまったワタクシ、このお馬鹿で安いけど純なカップルになんとか幸せを成就してもらいたいと願った。ラストはご都合主義にならずにすんだ稀有なハッピーエンドだと思う。私の中ではボニーとクライドを抜いた。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-02-16 00:46:14) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 久しぶりに初期のタランティーノ作品を観たが、公開から15年を経た現在もその輝きは失われていないことを再確認した。本作の監督はトニー・スコットであり、タランティーノは脚本に徹しているが、激しいバイオレンスシーンや本筋と関係の無い会話シーンなどタランティーノ臭がぷんぷんしている。主役二人のキッチュなファッションやそこはかとなく女性崇拝的な雰囲気が漂っているのも彼らしい。 ストーリーは、はっきり言って映画・マンガオタクの夢物語的な展開の映画なのだが、超豪華な脇役陣の魅力が素晴らしく、全く観ていて飽きない。序盤から名場面の連続で、スレーターとオールドマンの格闘シーンとかウォーケンとホッパーが対峙するシーンとか劇画的な演出がたまらない。「レザボア・ドッグズ」もそうだが、本当にタランティーノはマフィア映画のツボを心得ているなと思う。 最後に、主役の2人はいわゆるバカップルなのだが、それを全くいやらしく感じさせないのは見事。強烈な愛情に裏打ちされたバカップルなら、何か許せちゃう。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-27 21:53:12) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 15年ぶり?にDVDで観賞しました。 っていうか、こんなに豪華キャストだった事にまずびっくり。内容は どう考えても、無茶苦茶な事やりたい放題のカップルの話だが 最後は幸せになれて良かったね。と何故だか思ってしまう。 あんなに夢中になれる事が羨ましい・・・ しかもラストシーン。息子があんなに大きくなっても、とても幸せそうだったから この二人の愛はまさに”トゥルー・ロマンス”だったんですね。 それにしてもゲーリー・オールドマンは、イカれた野郎を演じさせたら天下一品ですね。。。 【しま】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-07 00:21:37) (良:1票) |
32.とても作品の内容に似つかわしくないテーマ曲がいい。有名な役者がチョイ役でゴロゴロ出てきてバタバタ死んでいくのもすごい。「友情出演」的なものでしょうか。ブラッド・ピットだけ意味不明でしたが。 そして何より、暴力というのは人を惹きつけるものだなあと実感。緊張感のある会話や、激しい銃撃戦のワクワク感は並大抵ではありません。これが人間の本性というものでしょうか。あくまでも映画というフィクション上での話ですが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-19 00:55:47) |
31.《ネタバレ》 タラちゃんらしい暴走気味wな脚本を、いわば優しく見守りつつ上手にまとめたトニー・スコット監督の手腕が光る見事な一作。主役のクリスチャンのハマり具合もいいけども脇を固めるしぶいぃ面々もとってもナイス。こういうキャスティングの絶妙さも見どころのひとつですね。ナカナカでゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-05-31 20:45:47) |
30.《ネタバレ》 ○タランティーノ脚本でトニー・スコット監督なら間違いない。○ラストはバッドエンドだろうなという雰囲気の中、想像とは違ったエンディング。ただ調べてみるとやはり。○向こう見ずな若者とハードボイルドさが見事で、クリスチャン・スレーターはさすが。○会話シーンではクリストファー・ウォーケンが見事だった。○映画のドンパチとは裏腹の優しい音楽が耳に残った。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-18 01:07:50) |
29.千葉真一のカンフー映画3本立に女の子を誘うクリスチャン・スレーター。あっさり断れ、玉砕!この時見せる寂しそうな表情が切なくて泣ける。 それでも一人で観に行って目を輝かせながら観るスレーター。その姿はタランティーノそのものなんだろう。家に帰ってからも「男たちの挽歌2」を観てるし(笑) ストーリーは映画オタクの青春暴走ラブストーリーという感じか。はっきり言ってリアリティはない。映画オタクのファンタジーとして楽しむのが筋だろう。だが、豪華な俳優陣の演技など見所は多い。まず、ゲイリー・オールドマンの不気味で狂った演技が凄い。インテリアの電球をブンブン振り回して威嚇してきます。この小道具は素晴らしいですね。しかし、ただの映画オタクが拳銃一つで全員葬り去るのは荒唐無稽も甚だしい。「タクシードライバー」みたいに入念に準備をしてから乗り込んだのならまだしもねえ。あと、普通麻薬まで盗むか?確かにその方が映画としては盛り上がるけどさぁ。 それからこの映画屈指の名場面。クリストファー・ウォーケン対デニス・ホッパーの対決は見逃せない。ためてためてドッカーンなタランティーノ節炸裂! あと、家でごろごろしてテレビ見てるだけのブラピがもったいなさ過ぎる! 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-10-19 14:02:29) |
28.《ネタバレ》 出所をごまかして、大量のヤクを売りつけようとするクラレンス(C・スレーター)。その現場を現行犯逮捕しようと罠をしかけて待ち構える警察。クラレンスとアラバマ(パトリシア・アークエット)の命とヤクを付け狙うマフィア。その包囲網が完璧なまでに狭まってきて、もうだめだ、これは完全なバッドエンディングだと思いきや、唐突に訪れるあのラスト。バカップル二人を完全に包囲していたしがらみや複雑な勢力図を、関係者全員を皆殺しにして白紙に戻すなんて、素敵すぎます。 バイオレンスに目がいきがちですが、この映画のメインはやはりラブストーリーなのでしょう。明らかに状況は悪くなる一方だし、この映画の場合むしろバッドエンディングが自然な流れだとも思うわけですが、あえて二人にハッピーエンドを用意したところに拍手を送りたいです。 こーゆーリセット系のストーリーって、予想もしないところで爽快感や解放感を感じることができちゃうので、えもいわれぬ余韻が残ってしまうのも魅力の一つかもです。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-19 01:33:52) |
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27.《ネタバレ》 感情のおもむくままに走っていくシナリオ。とてもホット。それでいて部分的にはネットリしているのがおかしい。正義と悪の対決というより、ホットな二人とクールな世間の対決。G・オールドマンが電灯を揺らしながらC・スレーターをからかうとことか、それからもちろん、C・ウォーケンとD・ホッパーの向かい合いとか(それにしても豪華なキャスティングだ。D・ホッパーをいいお父さんにするなんて憎いね)。エルビスの啓示を受けて揉め事に入り、エルビスの啓示で救われる。お得意の三すくみはあるが、でもシナリオが書かれたのは『レザボア・ドッグス』よりこっちが先だったらしい。問題はラストのファミリーシーンだ。もしかするとこれ、平穏な若夫婦の・しがないコミックブック店員夫婦の、こうありたかった妄想なのかとも思えてくる。「トゥルー・ロマンス」って、何かそんな皮肉みたいな題じゃん。この二人以外は、世間はみんな死んでしまって。ひたすら夢としての冒険、ホットでありたいいう気持ちがここまで妄想を暴走させたのだとしたら、つまりそれだけクールに浸されてしまった時代だってことなんだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-20 09:56:17) |
26.なんともクレイジーな映画でした。贅沢な役者を沢山使い個人的に好きなタランティーノが脚本書いてるせいか見応えのあるシーンが多かったです。いかしたセリフや言い回しが好きですね。しょっぱなからいきなりラブシーンを入れてくるのですんなり退屈せずにあの世界観に入りこめ、ゲイリー・オールドマンのところに乗り込むあたりから面白くなってきました。その後のデニス・ホッパー、パトリシア・アークエット、ラストの見応え充分のシーンなどがまた見事です。内容的にそう何度も観たいものではないです。ただ何度も言いますが見応えのあるシーンが多いのでまた観てみたいなと思わせる映画でした。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-19 06:19:00) |
25.トニー・スコット作品では数少ない、面白い映画です。 【Junker】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-02-18 23:56:16) |
【spputn】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-10 00:26:34) |
23.自分たちのせいで周りを巻き込み、はた迷惑なバカップルだけど。なんかその一途はいいよね。人がいっぱい死ぬが、見終わった後なんかすがすがしい気持ちになれる。あと、ないとはわかっていても『死体袋の帰還兵』を探してしまった。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-13 22:36:43) |
22.《ネタバレ》 今思えば豪華キャストですね。 クリスチャンスレーターの悪ガキイメージはここから始まりました。ホッパーとクリストファー・ウォーケンのやりとりは男ならしびれるとこでしょう。渋い。一瞬のブラピもいい味だしてます。なんにせよエルビス好きの私は高得点です。 【460】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-09-30 02:17:36) |
21.タラ作品の中では比較的非暴力的で落ち着いて見れる作品。何よりも木琴の音色のメインテーマがすごく好きで、あの音楽を聴くとなんだかじわっとこみ上げるものがあるので1点アップ。ハッピーエンドもよし。 【ハクリキコ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-11-03 00:08:43) |
20.「俺を哀れみの目で見やがって、畜生」このブラピの台詞が何故か一番ウケた。 【ゆきむら】さん 8点(2004-10-10 14:43:58) |
【ゲソ】さん 8点(2004-06-27 17:45:04) |
18.主人公の父親の役のデニス・ホッパーがよかったですね。 たぶん、タランティーノが自分で監督してたら、もっとバイオレンスとコメディ色が強くなったのではないかと思いますが、T・スコットは見事なラブ・ロマンスに仕上げましたね。 【ジム】さん 8点(2004-05-10 12:58:51) |