2.《ネタバレ》 まあ、コメディ映画に誇張は付き物なんで日本の野球や社会の描写についてはツッコミを入れながら楽しむのがこの映画の正しい観方ではないでしょうか。高倉健の人情味のある鉄拳監督役も中々よかったです。
何といっても、この映画はプロ野球が国民的娯楽の王様であった時代の思い出を甦らせてくれる作品でもあります。ゴールデンタイムには当たり前のようにプロ野球中継が流れ、視聴率もとっていた時代。当然メジャーに行く日本人などおらず、プロ野球こそがまさに国内の最高峰の選手たちが集う舞台であった時代。この映画で映されるナゴヤ球場の熱気は作り物ではありますが、今の球場に漂う空気とは異なる「熱狂」をリアルに作り出しています。当時、各地の野球場に通ってた野球マニアであった者としては非常に懐かしく感じます(まあ、パリーグに関しては今の方が全然いいですけど)。
当時は隔絶していた日米野球界もかなり交流が深まり、すっかり日本野球もメジャーに取り込まれてしまいましたね。そういう意味では、この映画は現在の野球界の流れを読んでいたということになりますね。その代わり、日本プロ野球はメジャーのマイナーリーグ化しつつありますが・・・・・。