おおかみこどもの雨と雪のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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おおかみこどもの雨と雪

[オオカミコドモノアメトユキ]
The Wolf Children Ame and Yuki
2012年上映時間:117分
平均点:6.41 / 10(Review 130人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-07-21)
ドラマファンタジーアニメ動物もの
新規登録(2012-05-21)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-09-28)【イニシャルK】さん
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監督細田守
宮﨑あおい
大沢たかおおおかみおとこ
黒木華
西井幸人
大野百花雪(幼年期)
加部亜門雨(幼年期)
谷村美月土肥の奥さん
麻生久美子堀田の奥さん
菅原文太韮崎
林原めぐみ草平の母
中村正[声優]細川
大木民夫山岡
片岡富枝韮崎のおばさん
小林隆韮崎の旦那さん
染谷将太田辺先生
碓井将大
多田野曜平校長
上白石萌音毛野
荒川ちか文子
津田英三
今井麻美自然観察センター受付
井上肇
原作細田守「おおかみこどもの雨と雪」(角川書店刊)
脚本細田守
奥寺佐渡子
音楽高木正勝
北原京子(音楽プロデューサー)
作詞細田守「おかあさんの唄」
製作市川南〔製作〕
日本テレビ(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会/製作幹事)
マッドハウス(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会)
角川書店(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会)
東宝(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会)
電通(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会)
スタジオ地図(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会)
読売テレビ(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会)
企画スタジオ地図
プロデューサー奥田誠治(エグゼクティブ・プロデューサー)
川村元気(アソシエイトプロデューサー)
制作スタジオ地図
配給東宝
作画貞本義行(キャラクターデザイン)
末吉裕一郎(原画)
大杉宜弘(原画)
井上俊之(原画)
山下高明(作画監督)
美術上條安里(美術設定)
衣装伊賀大介
編集西山茂
録音東京テレビセンター(録音スタジオ)
上田太士(光学リレコ)
その他マッドハウス(プロダクション協力)
東映アニメーション(アソシエイト)
GAINAX(アソシエイト)
丸山正雄(スペシャルサポーターズ)
あらすじ
国立大学に通う花は、教室に一風変わった青年を見つける。聞けば彼はこの大学の学生ではないらしい。興味を持った花は彼に積極的に話しかける・・・。 トリッキーなアイデアを駆使して「子育て」について描く、細田守監督のアニメーション作品。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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12
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28.《ネタバレ》  かなり好きなタイプのアニメです。
 この作品に対する批判的な意見。それは裏を返せば、批判的な意見を持たざるを得ないほどに、見た人がこの作品にリアルを感じてしまっている証明にもなるでしょう。アニメなのにだ。狼男という架空の生き物が出てくるファンタジーなのにだ。これは凄いことではないでしょうか。
 まず第1部の母と父が結ばれるまでの導入部がよくできています。普通にラブストーリーとして心温まる物語だし、二人を応援したくなります。それにプラスして、狼男だと明かす最初の名シーン。この序盤が一番好きかもしれないです。
 第2部ではお母さん奮闘記が描かれます。ここは何をやってもうまくいかないシーンが多くて辛い。シングルマザーの子育ての苦悩を追体験するだけでなく、子供たちの秘密まで守らなくてはならない。普通だったら心が折れます。ですがこれはアニメでありフィクション。心は折れない。頑張り続ける。私には狼男の存在以上にこの母親の存在がファンタジーでした。
 そして第3部。子供たちの成長。
 主人公は花から次第に雨と雪にシフトされていきます。
 すばらしかったのは、雨と雪がそれぞれ違う人生を選択したこと。雪は人間として生きることを選び、雨はオオカミとして生きることを選ぶ。子供のときは雪のほうが野性味あふれていたのに…。このあたりのポジションチェンジがさりげなくてうまいです。
 大きな目的に向かって突き進むような映画ではありませんが、何とも言えない余韻を残してくれる名作。
 そして声優さんたちが実に良い!
たきたてさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-09-26 04:37:10)(良:1票)
27.お伽噺のようでした。厳しい環境で体を動かして尚且つ笑顔で子育てしている花に、自分の子育てを顧みて後悔の念が募るところです。「しっかり生きて」子供と孫に最後にかける言葉。秀作に釘付けでした。
The Grey Heronさん [インターネット(邦画)] 8点(2022-06-18 06:33:33)(良:1票)
26.《ネタバレ》 他レビュアー諸氏の辛口批評を目の当たりにしてビビっております。
すみません、私はオオカミとして生きていく事を決めた息子を送り出す母、
「しっかり生きて」と言う台詞、そして崖の上で凛々しく遠吠えする息子狼の姿、
と言う一連の描写を経て涙腺崩壊致しました。
主人公である母親の言動等、たしかに突っ込み所満載の映画なのかも知れませんが、
女手一つで育て上げた子供達が立派に成長し、それがどの様な形であるにせよ、
子供達本人が納得した上で次のステップに踏み出す姿には人間の琴線に触れる普遍的な何かがあるのかと思います。
他にも、自らの秘密を打ち明ける雪と草平のシーンも素晴らしいと思いました。
良い時間を過ごさせて頂きました。
たくわんさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2022-06-14 14:07:26)(良:2票)
25.《ネタバレ》 ずーっと家のTVの録画番組の中に埋もれていたやつをやっと最近鑑賞できました。
ただただ時間がなくて観ることができていなかったのですが、時間が経つにつれ「もう観なくてもいっかー」なんて気持ちも出てきてしまったり。そんな自分を奮い立たせるように観たのですが、観てよかった。素晴らしい映画でした。

ある程度前知識として入っていたのは、
・狼男と人間の女性が恋に落ちて子供が出来る。
ということくらいでした。そんなSFな設定と現実世界の設定を混ぜ合わせるとこんなに面白くなるんですね。

「狼として暮らすか人間として暮らすか」
その選択を待つ花なのですが、自分は絶対雪が狼で、雨が人を選ぶと思ってました。
おてんばの雪はすぐに感情任せに狼になるし、雨は雨で田舎に引っ越してすぐに前の都会の家に「帰りたい・・・」って泣いてるし。
結論だけ見ればいかにも作り話って思われるかもしれませんが、鑑賞中は完全に入り込んでしまっていて、最終的に二人が落ち着いたところに驚きを隠せませんでした。

そして母親、花。もうすごいですね!!実際にはあそこまでの人はなかなかいないだろうと思いますが、まさに命がけの子育てに脱帽!母は強し!っていうか母強すぎです(笑)



何点か腑に落ちない不自然なところもチラホラ。

1.なぜ父親は死んだのか。展開が急すぎ、っていうか雑に感じました。
2.花に家族は?天涯孤独の身とかいう設定ありましたっけ?自分が見逃したのかも。
3.草平はユキに怪我させられたとき、なんであんなにしつこかったの?ストーカーの域じゃん。
4.雨の変化も急すぎ。まあ実際には複数年経っての変化なのですが、オタクキャラかと思いきやの山の主って・・・飛躍しすぎでは?(笑)

TVバージョンだったので、ひょっとしたら上記の疑問に関わるようなところはカットされてたのかも。
個人的に気になった部分です。あしからず。
TANTOさん [地上波(邦画)] 8点(2015-11-05 00:03:20)(良:1票)
24.《ネタバレ》 とても良かった。
話にリアリティがあるし、声優陣も素晴らしかった。
父親のおおかみが序盤で亡くなってしまう展開に驚かされたが、母親の花という女性が懸命に女手一つで子供を育てる姿を見られたことで身が引き締まる思いがした。
それとともに、自分の幼少期がいかに恵まれていたかを実感して涙が出た。
印象的なのは、雪が学校で草平に対して正体を現し、それを草平が受け止めるシーンでカーテンを効果的に使っていたこと。ひ弱で軟弱だった雨が、いつからか強靭な肉体と精神を持つまでに成長していったこと。それを見守る笑顔の花。
客観的に見ればかなり悲惨な状況の家族かもしれないが、私の心に沁みる作品だった。
mhiroさん [地上波(邦画)] 8点(2015-10-14 07:26:08)(良:2票)
23.《ネタバレ》 未熟な母親の成長と挫折。
冒頭から「美女と野獣」が一線を超えたようなストーリー展開。

セリフを省いて絵だけで物事を語る演出は素晴らしかった。

愛した者と死に別れ、女で一人で二人の子を育てる彼女の力強さ。
田舎の屋敷を一人でキレイにしてしまうなど、全国の主婦は見習いたい体力だ。
母親の無欲なひたむきさは村の人々も突き動かす。
文太のオジキ!ついて行きます!

ただ、脚本家の強引なフルスイングで引っ張るような内容である。
若さに溢れる「花」と「おおかみおとこ」の恋愛は、その後に待ち受ける苦労の道を考えない軽薄さで溢れていた。
「おとぎ話」でリアルな子育てをするという無茶振り、子育てにしても多少描写不足で危うい。
「聖母マリア」のような言葉で片そうとする母親像は危険でもある。
最愛の夫の突然の死が、彼女に早急な覚悟を決断させたのかも知れない。
そんな未熟さが、「雨」に父の跡を追わせてしまった。
むしろ「雨」のような野生の世界でしか生きられない者はそれで良かったのかもしれない。
ただ「雪」は人間として生きていく覚悟を決めた。
「雨」が「おおかみおとこ」と同じ道を辿るのかは解らない。
けれども、そこには「花」から貰うことが出来た愛情が宿っていると信じて。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-09 21:55:59)
22.不思議な余韻を残す、良い映画でした。子への無償の愛という、手垢の付いたテーマを違った角度から暖かく描いた作品で、もっと評価されても良いと思う。
Junkerさん [DVD(邦画)] 8点(2014-06-21 18:24:10)(良:1票)
21.《ネタバレ》 あー予想よりもずっと良かった・・
映像は終始素晴らしく、子供たちの動きをみているだけでも幸せな気分になって見入ってしまう。
自分の場合は雪に感情移入してしまい、コンプレックスを受け入れてもらう、自分のことをわかってもらえる喜びに心を動かされた。
子供をもつ親になってみれば、きっと子育ての苦労とか、10歳の我が子が一人立ちしてしまう寂しさに共感してしまうんだろうな、と思う。
細田作品のなかでは一番わかりやすく一番好きな作品。
kosukeさん [地上波(邦画)] 8点(2014-01-05 18:09:47)(良:1票)
20.すごくよかったです! 花、雪、雨。この3人の人物の描き方がほんとうに細やかで、生き生きと暮らしている彼らの姿を見ているだけでも、思わず涙腺が緩んできます。設定は変わってるんだけど、実はこれは、どこにでもある普通の親子の物語。あえて特殊な設定にすることで、「親子」「子育て」というものの本質が浮き彫りになるという仕掛けです。自分の母親への感謝の気持ちを思い出しました。細田守監督の作品を見るのは「時を~」「サマー~」に続いて3作目。3つともよかったけど、この「おおかみこども~」が、一番好きです。
コウモリさん [地上波(邦画)] 8点(2013-12-29 00:28:59)(良:1票)
19.やべー。ツボってしまった。良かった!寝る前に半分観てやめようと思ってたら一気に観てしまった。細田監督の『時かけ』『サマウォ』に続く今作。私のストライクである<元気女子と寡黙男子のふんわりロマンス><ファンタジーに行き過ぎないファンタジー路線>が細川監督も好みの様ですね。そして!今回は更にストライクな<大柄な獣キャラ>が加算されてもう!良かった!それに出てくる主要男子はみんなカッコイイ性格だし。でもお父さんが狼に変身して花に見せるシーンは...私ならチビっちゃって、マイケル・ジャクソンのスリラーPV状態だね。ま、そこはファンタジー。その他の腑に落ちない所もファンタジーでフィルターしました。この作品好きです。
movie海馬さん [地上波(邦画)] 8点(2013-12-21 02:50:39)
18.《ネタバレ》 病気になったときに小児科に行くべきか、動物病院に行くべきかというのは興味深かった。
コメディ的に笑わせようとしたのかも知れないけど、こっちは雪の事が心配でそれどころじゃない。
厳密に言うと、雪と雨は人と狼のハーフではなくて、人寄りのクォーターになるはずだから、小児科で正解だったと思う。
まあ、そんな細かいことはどうでもいいんだけど、とにかく僕は動物と子供の出てくる作品に弱くて、最初から最後まで泣き通しでした。
終盤は鬱展開を覚悟していたけど、意外と丸く納まって良かったです。
もとやさん [DVD(邦画)] 8点(2013-11-27 15:05:18)
17.《ネタバレ》 すさまじい涙腺破壊力でした。「まだなにもしてあげてない!」「しっかり生きなさい!!」このセリフは胸に響きまくりです。花の何事にもひたむきな感じがいいし、雪の小さい頃のやんちゃな感じが可愛すぎる。サブキャラのツンデレじいさんや転校生なども良かった。欲を言えば雨が花が好きな感じがよくわからなかったので、その表現が欲しかったかな。花が大好きだけど山での人生を選ぶみたいな。エンディングテーマもマッチしすぎ。
とむさん [DVD(邦画)] 8点(2013-10-20 20:52:16)(良:1票)(笑:1票)
16.《ネタバレ》 こういう人間愛物大好きです。ただ・・・雨の失踪理由を世間にどういうのか気になったのでマイナス1点。
すたーちゃいるどさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-10-06 14:16:46)
15.姉弟の成長がテーマなんで冒頭の父母の馴れ初めフラッシュバックは
攻撃されないようになんとかしたほうが良かったかも。自分は全然
問題ないと思いますが。世の中厳しいよね。
かれくさん [DVD(邦画)] 8点(2013-05-03 16:18:03)
14.《ネタバレ》 ワタシは、「ベンジャミン・バトン」を思い出しました。彼の作はだんだん若返っていくだけであるのに対して、本作もオオカミの血を引いているだけ。生きていること、親子としてあることに、そう大して違いはないといっているようです。親が思っている以上に、子供はどんどん大きくなってしまう。旅立ちの時は、躊躇なく行って欲しいと願っているワタシですが、雨のように少しだけこちらを振り向いてほしいとも思っています。
なたねさん [DVD(邦画)] 8点(2013-05-03 14:47:01)
13.《ネタバレ》 一度くらい、このお母さん、泣き止まない雨と雪の首に手をかけなかったのかと慮(おもんばか)る。そしてはっと我に返り自分もさめざめ泣く。そんな夜があったんじゃないか。逆に、それくらいのことがないとドラマに重みがない。細田守は嫌いかもしれないが、僕は観たかった。
no_the_warさん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-11 18:38:21)
12.《ネタバレ》 序盤(お母さんと狼さんの出会い~出産の辺り)の話は、時間をかけた割には薄っぺらく、こりゃ肌に合わないかな、と思ったが、本領は舞台が田舎に移ってから。やっぱり細田監督は田舎好きなのね。田舎に移動してからは一気に開放されたような形になり、風景や時の流れの見せ方などの映像の演出が凝っていて、美しい。愛くるしい登場人物と相まって安心して楽しめた。

人間の学生に2人の子供を立て続けにはらませ、何だかよくわからない形で死んでしまう狼親父は何なんだよ。
子作りの前にもっと色々、話し合っとくことがあるんじゃねーの?
避 妊 し ろ !!

この映画の主人公である花(お母さん)は、普通の感覚だったら、育児ノイローゼになってもおかしくない過酷な状況に晒される。花が異常なまでに(心身ともに)タフで、その上人格者だったから、ふたりともグレず、それなりのハッピーエンドを迎えられたが、これを世の普通のお母さんや、次期お母さんに見せたらどう感じるのかは気になる。「私はこんなに強くない…」と、逆に落ち込んでしまうのではなかろうか。

迎えるラストも、そんな花にとっては残酷のはずなのに、あんたどれだけ超人なのよ、と。
いつかこの人壊れちゃうんじゃなかろうか、と不安になる。

そんな花ちゃんと俺が結婚してやってもいい。(もちろん雪ちゃんでも可)
すべからさん [映画館(邦画)] 8点(2012-09-15 18:48:57)(笑:1票)
11.《ネタバレ》 まずはこれほで細部への拘りと誠実さのある映像を大画面で体感し観る事が出来たのは良かった。例えばガラスに反射する人や車の行き交う様、風のうごめきで揺らぐ樹々など。日常生活で見慣れた景色がアニメーションの中で綿密に描かれていると何とも言えない心地良さを感じるのはぼくだけだろうか?あと、本題に行く前になぜおおかみこどもの「雨」と「雪」なんだろうという疑問。生まれた順ではなく親離れ、あるいはこどもではなくなった順?だとするとこれがテーマなのだろうと勝手な推測。はい、本題。序盤の少々荒削りな出会いと関係性の構築具合。秘密を抱えた謎の多い男性に惹かれる、ある意味オーソドックスな少女と、実写だったらさぞ不潔感満載であろうおおかみおとこ。彼が真実を告げたところから物語は真に始まるわけだが、それまでは典型的な恋愛物と同じように、つまり普遍的に愛を育む。打ち明け、子を産み、彼が予期せず死ぬ。こっからが真の葛藤が始まるわけです。本来なら、この2人がくっ付き、子を産むまでのプロセスの葛藤(おおかみにんげんと人間との対立構造とその葛藤)で一本映画が作れそうなもんですが、そこはすっ飛ばす。つまりやりたいことはここではない。本題は最後の最大の葛藤が表している。それは「決断と悟り」でござる。人にも狼にもなれる選択肢の中で、人の道を進むか、狼としての道を選ぶか。その決断と、それを不安ながらも背を押してあげれる強さを得るまでの話。ぼくらは決断し、押してもらう立場からいずれ押してあげる立場にならなければならない。それは如何なる決断だとしてもNOというのは簡単で、それを選んだその本人の意思を尊重出来る強さというのは並大抵の事ではない。そこに至までのプロセスはその最後の決断に向け、往々にして一直線にやじるしは敷かれている。雨は「責任」を知り大人になり、「自由」になる代償に家族と離別する。あの最後の遠吠えの真意はぼくらには聞こえない。でもきっと花には届いている。雪は苦悩があまりにも多い人間世界で生きることを決意する。今後もたくさん問題は起きるだろう。人間と恋をし、花に電話して頼るだろう。子どもも産むかもしれない。花の家の畑はこの先も荒らされる事はないだろうし、雨がいなくなった理由をご近所さん達に必至で誤摩化しを語るかもしれない。花にも雪にも雨にも、これからまだまだ苦悩はある。でも、生きてて欲しい。
ボビーさん [映画館(邦画)] 8点(2012-09-01 12:02:10)(良:1票)
10.《ネタバレ》 「花」と「おおかみおとこ」の背景が不明瞭なのが気になります。
・大変な思いをして大学に通っているのに、何故子どもを産むことをよしとするのか?

・おおかみおとこは何故、花に自分がどうやって育ってきたのかを語らなかったのか?(言ったのはせいぜい種族の末裔であることくらい)
・おおかみおとこ自身も、子どもを産めば大変な思いを花にさせてしまうことはわかっているのではないか?
「花」は冒頭で言ったとおり、奨学金を使い、アルバイトをしてまで国立大学に通っています。
そこまでして大学に行っているのに、子どもを産み、アルバイトも辞め、休学どころか中退をしてしまします。
大学を中退をするというのは、本人とってみれば大きな決断だと思うのですが、本作ではそこに至るまでの葛藤は全く描かれていません。
そしておおかみおとこも、花が大学を卒業することも待たず、子どもをつくる。
さらに、年子でもう一人つくる。
しかも、その子どもは、ただの子どもではないのです。
まったくもって勝手だとしか思えませんでした(しかも当の本人は理由が不鮮明なまま事故で死んでしまう・・・)。
この作品は、そうした「子どもを持つことの後ろめたさ」が全く描写されていません。
「惜しみのない子どもへの愛情」を描くためには、それは必要ではないと判断したのかもしれません。
おおかみおとこの背景や、花が大学に通っていた目的を描けば、よけいに子どもを産むことに賛同しにくくなってしまうだろうし、花が試行錯誤をする描写も希薄になってしまうので、あえてそうした理由づけは避けたのかもしれません。
そうだとしても、最低限の納得できる理由が欲しかった、彼らに感情移入がしにくかったのも事実です。
この映画の、一番大きな欠点だと思います。
それでもこの映画には素晴らしいところが多い!
・雨、雪、花が大雪原を駆け抜けるシーンの疾走感と躍動感、
・2人の学年が変わっていくことを、横からとらえた画で左右に動かしながら表現するシーン、
・カーテンがゆれるたび、狼になったり、人間にもどったりする雪、
そういったアニメならでは、映画ならではのシーンに、どうしても心を動かされてしまいます。 サントラもオススメですよ。
ヒナタカさん [映画館(邦画)] 8点(2012-08-24 03:03:54)(良:1票)
9.《ネタバレ》 時をかける少女やサマーウォーズにあったような巧みなストーリー展開は今作にはあまり見られなかった。しかし、その分、登場人物の感情表現や演出には力が入っているように感じた。
そもそもおおかみ男というファンタジックな要素を現代社会に組み込むということ自体がかなりの荒業である。それを夫を亡くした母親の苦労や思春期の女の子の複雑な心理を通して違和感なくストーリーに溶け込ませただけでも大したものだと思う。
しかし、最終的に雨のとる行動が私には大人び過ぎているように感じられ、10歳という年齢を考えるといささか納得がいかず、リアリティを欠いてしまった(その雨を笑顔で送り出す母親もどうだろう・・)。また、過去の作品に比べ、全てがスッキリと終わるものでなく、消化不良になってしまっている部分もあるのが残念であった。
とは言っても、一つの作品としては十分に楽しめたし、次回作もまた映画館で観たいと思う。
ばかぽんさん [映画館(邦画)] 8点(2012-08-21 01:26:48)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 130人
平均点数 6.41点
043.08%
121.54%
232.31%
343.08%
464.62%
51713.08%
62317.69%
72620.00%
82821.54%
9107.69%
1075.38%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.90点 Review10人
2 ストーリー評価 6.11点 Review18人
3 鑑賞後の後味 6.68点 Review16人
4 音楽評価 6.56点 Review16人
5 感泣評価 6.25点 Review16人
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