5.近年のゴジラ映画の中ではもっとも良くできてます。主人公である橘ユリが劇中で
なかなか面白い事を言う。軽薄で、核心ついた言葉です。
「大平洋に散った英霊達がなぜ日本を襲う?」
「大平洋で死んだ兵士とか、外人とかの魂がまざっちゃってんじゃないかな?」
いかにも普段その手の話に興味のカケラも持ち合わせていなさそうな今時の若者っぽ
い軽薄な発言ですが。今回のゴジラで重要なキーワードである怨念を考えるとなかな
かうがったこと言っちゃってる訳で。
怨念とはそもそも理想や、思想など入り込む余地のないシンプルにして純粋なもの。
戦争に散った人間がそれぞれ敵に対してかかえていた念とは訳が違います。戦場に
存在したであろう強大で純粋無垢なまでの怨み。それを表現する術がなかった若者
っぽい発言だと思いません?この辺ユリの成長過程でまだまだこのシーンの時点では
未熟な主人公にすぎないことを見せてるのが地味に上手いですね。
さて、そのゴジラを描き切れているかというと…残念ながら一歩及ばず。そのゴジラ
を演出する以上、特撮シーン何かは特にその辺上手い事描かなきゃいかんわけで、
最低限ガメラ3のクオリティが必要だと思うんですがかなりレベルは下の方でしたね。
なのに8点もつけてるのは最近見たなかで唯一満足感のあった数少ないゴジラ映画
だからです。本当はもう少し下ですが。
ちなみに、必要性だけでいえば守護神の3怪獣まったく必要ないですね。第一作目や
84年のゴジラみたいにしても良かったのでは?でもモスラはモスラ史上最高にカッコ
イイ造型でした。ゴジラも太りすぎなの覗けば一番カッコイイですね。