1.《ネタバレ》 これはちょっと衝撃を受けましたね。サンダンス映画祭で認められたってのも納得です。初期のファミコンRPGみたいな直上から撮るカメラアングルは和製というか黒いウェス・アンダーソンみたいなストーリー・テリング。四人のゾンビーズたちの会話が短文ショートメールのやり取りをそのまま発声してるみたいな感じだけど、これはかえってリアルです。リトル・ゾンビーズが結成されるのは開幕して一時間過ぎてからですけど、自分はこの前半がとくにツボでした。この映画はリトル・ゾンビーズのサクセスストーリーなのかと思っていたら、結成後はそこから30分であえなく解散。キッズ・パンクという感じの曲は演出なのかはたまたこれが実力なのか判断に迷いますが、まああんまり上手いバンドとは言えない。でもこの曲のMVが公開されてから一年半も経たずに200万を超える再生回数になっているのはびっくりです。やっぱ個人的に刺さったのは、“タコの知能は三歳児”の方ですかね(笑)。そしてバンド解散してからラストまでの三十分は実にシュールな展開ですが、最後に夢オチ的に人生リセットなんて展開にならず明るい展望を感じさせてくれるのは良かったです。四人の親や親せきたちのキャスティングはけっこう豪華な顔ぶれ、でも何気に凄いのはサブカル界隈からのカメオ出演の多さでしょうな。いとうせいこうも出演しているそうですが、どこに出ていたのか皆目見当がつきません、ホームレスのモブ・ミュージカルのところかな?あとゾンビーズのプロデューサー役の佐野史郎の役名が加茂慶一郎と言うのは、アイドルプロデュースも手掛ける有名音楽プロデューサーである加茂啓太郎のパロディですね、こういう判る人には判る小ネタは嬉しいです。 この映画はこれからカルトとして評価が高まってゆくのは間違いないでしょう。