2.《ネタバレ》 35年前の事件を題材とした、硬派な人間ドラマであった。
当時、大学生だった自分はコンビニで深夜バイトをしており、本部からの要請で菓子棚を一斉に調べて、
その事件にかかわるメーカーさんの商品を全て撤去した経験がある。
スカスカの売場を呆然と見つめて、無性に腹が立った事を鮮明に覚えている。
今回の映画、派手さは一切無いものの、実に誠実に、サスペンスフルに作り上げられた傑作。
キツネ目の男の登場には、ゾクっとしたなぁ。
時効になっても決して終わっていなかった事件の全容を、リアルな仮説でストーリー化、
当時から感じていたモヤモヤ感が少し晴れた思いだ
(余談:桜木健一さんが柔道着で登場したシーンには思わずニヤリ。昭和ネタ!)。
あと、宇崎竜童さんの役柄。とても格好良く、良識が備わった老紳士然として登場する。
しかし、その存在と行為をしっかりと糾弾する小栗旬さん演ずる新聞記者。ここは本当に良かった。
作者の良心を感じた。
主役格の二人、懐かしいベテラン勢、子役、皆さんとても聞きやすいセリフ回しと、迫真の演技で引き込まれた。
最近の邦画のベスト。