3.《ネタバレ》 あまり期待していなかったせいか、それほどつまらないとは感じなかった。
むしろ、イエティやドラゴンが登場するなど、盛りだくさんの内容となっており、飽きずに楽しむことができる。
レイチェル・ワイズが降板してしまい、ジェット・リーの出番も少なく、ストーリーもご都合主義万歳であり、練りに練られた脚本とは言いがたいが、万人が楽しめる作品に仕上げようとしている。
「どうやってこのピンチを脱出するのか」というドキドキ感がなく、先が全く読めない作品でもないので、傑作とは言いがたいが、気軽に楽しむ映画としては落第点ではないと思う。
また、詳細には書かないが、「ハムナプトラ」の「3」の作りや構造は、基本的に「2」と変わりがない。
はっきり言って、エジプトから中国へ舞台が変わっただけのほとんど焼きなおしに近いものであり、このシリーズが好きな人には楽しむことができるようにという製作陣の意図が感じられる。
オコーネル夫妻のキスシーンを見た息子の反応や、カバンに入れられた大量の武器を親子で競い合うシーンなどは、このシリーズを観た者には特に楽しめるだろう。
既存のシリーズと大きくズレることなく、期待を大きく裏切らなかったので、続編としては悪くないものとなったのではないか。
少なくとも「インディ・ジョーンズ」や「ナショナル・トレジャー」の続編に比べれば、あまり文句のないものに仕上がっている。
さらに、中途半端であり、深くはないが、素直になれない父子関係、息子を心配する母子関係、夫婦関係、恋愛関係、三角関係などの定番の基本的なネタは盛り込まれており、努力の成果は見られる。
肝心のオチはつまらないものだったが、オチのつまらなさは予想通りなので、全く驚きもしなかった。
観ている途中から、これは大したオチにはならないと思っていたので、あの程度でも「まあ、こんなところか」と納得できた。
素晴らしいオチを付けてくれると期待すると、裏切られた感が強くなるかもしれない。
気になるのは、ハリウッドの若手俳優の層の薄さだ。
もし、オコーネルの息子に華があるスターをキャスティングできれば、彼の息子が活躍する新シリーズを展開させることもできただろう。
ルーク・フォードは特別悪くはなく、落第点というわけでもないが、個性を発揮できたとはいえず合格とはいいがたい働きだった。
少なくとも、彼を主役にすることはできないだろう。