127.SWとIJシリーズ、そしてBRを除けば、ハリソン・フォードの最も重要な作品、ピーター・ウィアーの品のいい演出が冴える。 サスペンス部分は映画としての体裁と米国人のブックを特殊な世界に投入するための道具立てにすぎないのだろうが、そこもよく出来ている。 見所はなんとも牧歌的で質素なアーミッシュの生活と、その中で移りゆくブックとレイチェル、村人の感情。 殺伐とした外界から隔絶され自然に即した村の17世紀さながらの世界にしばし憩う。 多かれ少なかれ人工的な環境の中にいる現代人が、彼らのプレーンな暮らしぶりに憧れを抱いても不思議ではないだろう。 村人総出の納屋の建設、カーラジオの音楽に誘われてのダンスも魅力的な場面。 洗練されすぎておらず大工の腕もあるフォードはこの世界に違和感なくなじみ、ケリー・マクギリスも通常の美人タイプでないのがよく寡黙でも目で語る。 やりすぎるということをしないウィアーが彼らが結ばれるシーンをカットしたのは正解な気がする、道で抱擁する場面だけで十分だからだ。 子役には興味が少ないがこのルーカス・ハースは静謐な面持ちがよかったし、アカツメクサが咲き匂う中での少年との無言の別れは静かに心にしみ、老人が仲間としておくる言葉に笑みがこぼれる。 寂しさが残る別れだが抜かりなくフォローがされ、時がたてば彼女はダニエルを受け入れるのだろう、ブックのことは忘れずとも、ということがわかるのだ。 モーリス・ジャールの澄みわたるシンセも映画を忘れがたいものにする。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-06 00:10:16) (良:2票) |
126.《ネタバレ》 ハリソン・フォードが大変すばらしいが,なによりアーミッシュ村にマッチョ刑事を送り込むという脚本がグッジョブだ。アーミッシュという,多くの人にとって非日常の世界を舞台にすることで,なんとも不思議な雰囲気を持つ作品だ。なにやら訳ありな刑事ジョン・ブックも,アーミッシュという文化にはとまどうものの,素朴な生活を送るうちに,彼の男性としての魅力が画面からあふれ出てくる。そう,スーツとネクタイでいる彼より,村で額に汗して働く彼の方が断然かっこよいのだ。優しいまなざし,たくましく頼れる雰囲気,そしてのどをつたうレモネード!!!ハリソン・フォードにどきどきしっぱなしだが,アクションもハラハラ良好,終盤の納屋での攻防はかなりの見応え。最後に彼は去っていくけれど,それでいいはず。またきっと,いつかどこかで二人は会える気がする。 【さそりタイガー】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-13 15:05:40) (良:2票) |
125.《ネタバレ》 私が観たピーター・ウィアーの作品の中で一番好きです。映画館・ビデオ・DVDと再見してきましたが、何度観ても味がある雰囲気の良いそして切ない映画です。お気に入りはやはり納屋のシーン。ラジオから流れる「ワンダフルワールド」に包まれて、ぎこちないそして超えてはいけない愛を確認しながら踊る二人。映画史に残るシーンだと思ってます。・・・・・・誰がなんと言おうと。 【すんくじら】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-04-15 04:59:23) (良:2票) |
124.《ネタバレ》 内容が薄っぺらくてムダなシーンが多すぎで退屈な映画。それでも最初は面白そうだったので期待して観たのに、最後シーンは共犯の2人は簡単にやられ、人質をとられてからのシーンでは悪のボス(本部長)はなんだか簡単に説得されて終わっちゃうし・・・全体的にアクションはそれほど無くてもいいからもう少し緊迫感のある作品にして欲しかった。納屋を建てるシーンなんてホントいらんし。結局最後まで面白味に欠ける映画だった。アーミッシュの世界を取り入れたのはgoodだが、その世界に重点を置き過ぎたのも失敗の1つ。 【くうふく】さん 3点(2004-07-03 00:08:10) (良:2票) |
123.刑事モノとしてはよくあるストーリーのはずが、アーミッシュを持って来たところに目新しさが際立つ一篇。時代錯誤な暮らしを続けるアーミッシュの集落を舞台にしたら、普通の話にとびきりのノスタルジックな趣が出た。全体的に時代劇のムードを漂わせ、別世界に暮らす男と女というタイムトラベル物の雰囲気も出た。そういう味つけを一つずつ取り除いていったら単なるフツーの刑事モノにすぎないんだけど、こういう独特な雰囲気を作れたのはピーター・ウィアーならではのセンスでしょう。甘めの映像とハリソン・フォードの無骨な個性がうまく調和したのも目新しかったですね。いろんな意味で女性向けの作品ではあると思うけど、子供を使って泣かせる映画なのかと思ってあまり期待せずに見たらかなり良かったので驚いたのを覚えています。それにしても舞台では非常に高い評価を得ている女優であるはずのケリー・マクギリスがこの映画の次に選んじゃったのが何故「トップガン」だったのか未だに不思議で仕方がないです。この映画ではアーミッシュのシングルマザーという非日常感をかもし出すことに大いに貢献していたと思うんですけど。 【anemone】さん 9点(2003-12-13 14:09:55) (良:2票) |
122.一面に広がる麦畑と緑の草原、この美しい風景はとても刑事が出てくるサスペンスには見えない。どこからかベートーヴェンの交響曲「田園」が聞こえてくるような気分になるくらいだ。しかしこの町から離れたところで事件が起き、小さな男の子がたまたま目撃したことにより、波紋が広がっていく。このあたりの展開がおもしろいし、あれだけ強引だった刑事ジョン・ブックの変わりようも良い。そしてまたアーミッシュと呼ばれる人たちの描き方が何ともすばらしい。いつも大活躍するハリソン・フォードだけど、こんなのもいいんじゃないだろうか。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-05-29 17:55:00) (良:1票) |
121.『君を抱いたら、ここから離れられなくなる・・・』これが確かこの映画の宣伝コピーだったはず。自分、この頃のハリソンがホント好きで好きで、他の作品のレビューでも書いたけど、当時毎月購読していた今は無き『ロードショー』のグラビア写真を切り取って、まだ坊主頭が少し伸びた状態なのに床屋に持って行き、同じ髪型にして下さい!!などとと恥知らずな真似をした事も・・・。ハンソロよりもジョーンズ博士、この刑事ジョン・ブック役が特に好きでした。映画史に残る名ダンスシーンを3つ選ベと言われたら、自分は『追憶』と『ピクニック』、そしてこの映画の、静かな夜の農場でのダンスシーンをチョイスしますね。最初はふざけてじゃれあっていた二人が徐々にリズムに乗りながら、瞳の中に「欲情」の炎を燃え上がらせていくところが、何ともエロチックでたまらんかった・・・。プラトニックな関係の二人だったからなおさら。そもそもハリソンって、眼つきがエロイんですよね、特に笑った時の顔とか←そこだけは何故か俺と似てる。ハリソンはきっと幾つになっても、自分の中でヒーローであり続けると思います。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-08-22 11:19:31) (良:1票) |
120.《ネタバレ》 いや~~いい映画だよこれは ハリソン・フォードの魅力全開☆ アーミッシュという人達も初めて知りました ケリー・マクギリスもまたキレイだし 表情、とくに目(瞳)の演出力がすごい 雷雨の夜のシーンなど・・・う~ん素晴らしい ほとんどセリフを言わなくともここまで出来るんだね(関心) 最後の別れのシーンも美しい牧歌的な風景と相まってこれまた切ない 一言も話さないこの二人の別れは間違いなく(個人的に)最高のシーンです ※こんな素晴らしい映画を見る機会を頂いた「午前十時の映画祭」に感謝! 【Kaname】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-28 13:25:05) (良:1票) |
《改行表示》119.《ネタバレ》 ラストシーンがいいんですね。レイチェルと別れをかわした後、ずっと主人公をよそ者扱いした祖父から「イギリス人に気をつけろ」と仲間と同様の挨拶を受け、車が走り出す。走り出してすぐに、レイチェルを巡って少し感情的なもつれがあったダニエルとも軽い挨拶を交わしそして車が遠ざかっていく…… 余韻を残す素敵なラストシーンでした。 犯人との対決シーンで子供を盾にしたのだけ少し引きましたが、その他は、冒頭の犯罪の目撃シーン、穏やかなアーミッシュの生活、レイチェルとの心の触れ合い、そして最後の犯人との対決。全てが大好きな映画です。 ケリー・マクギリス 清楚でとても綺麗でした。特に彼女が好きな人間にとってはmust の映画です。 【rhforever】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-10 12:59:17) (良:1票) |
118.《ネタバレ》 ハリソン・フォードと言えば「スター・ウォーズ」シリーズや「インディ・ジョーンズ」シリーズというのが一般的な意見かもしれないけど、私は違う。私にとってのハリソン・フォードと言えばこの映画がベストである。どこまでも人間臭く、そして、優しさに満ち溢れている。そんな人間臭い男、しかも刑事役である。これが何とも良い味、出しているし、正に刑事であり、刑事役がこの俳優には本当によく似合う。この映画はサスペンスでありながら単なるサスペンスというよりは社会派のドラマとして見応え十分な映画になっているし、見せ方も上手い。まずは駅のシーン、少年がトイレで目撃してしまう殺人シーン、ここは何度観てもドキドキしてしまいます。見つからないように少年に「頑張れ」てついつい言いたくなってしまう。そんな少年がハリソン・フォード演じる刑事に初めて犯人が黒人の刑事である事を教える場面の演出が上手い。声も台詞も一切無しで子供の眼、それを見て察するハリソン・フォード、このやりとり、台詞になど頼らないで見せる。映画的なワンシーンである。この映画、始まって直ぐに犯人を観ている私達に教えてしまいます。そうすることでこの犯人がどのようにして捕まるのか?という興味、更に目撃者の少年が犯人に見られていた事を知ってしまうと、果たしてこの少年はどうなる?という二重の興味が沸いてきます。この演出などを観るとピーター・ウィアー監督が「刑事コロンボ」のファンなのかもしれないという興味も沸くなど、色んな興味がこの映画を観ていると沸いてきます。そういう興味深さを感じさせるという上手さ、単なる刑事ものにあらず、しっかりとした人間ドラマとしても見せてくれるという意味でも評価したいと思うし、そして、何よりも映像の美しさと音楽も心地良くて好きです。最後に好きなシーンを他にも挙げるとすれば、ハリソン・フォードとケリー・マクギリスがダンスをするシーン、そして、皆で家を建てるシーン、犯人との戦いに勝った後のハリソン・フォードと少年が二人、背を向けて座っている後姿など好きなシーンがとにかく多くて、そんな訳でとにかくこの映画が私は大好きだ! 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-10-15 21:43:52) (良:1票) |
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117.何年かぶりで再見しました。この映画でアーミッシュのことを初めて知りました。アメリカは広い国です、映画ってほんと勉強になりますです。永遠に20世紀のこないアーミッシュを絡めるという発想がいいですよねえ。ふっくらしたケリー・マクギリスが聡明でどっしりした感じですごくいい。すぐにメソメソして、いかにも守ってあげたくなるような女優だったら全体の雰囲気も印象もちがってきただろうなあ。効果音なしのラブシーンがせつないのよ、ここだけヨーロッパ映画のようでした。今回の発見は(「ダイ・ハード」でテロリストやる前にアーミッシュになってたのね、ありゃ、ヴィゴ・モーテンセンもいる~)ってことでした。いや、うれしかった。 【envy】さん 8点(2004-10-29 00:32:28) (良:1票) |
116.邦タイトルからして、ありがちな「刑事もの」「推理もの」を想像して拝見。前半はサスペンスタッチで予想通りかそれ以上の出来栄え。怪しげな音楽と、事件が起こる前後などはかなりの緊張感を保っている。が、この作品が他の刑事ものとの違いを見せるのが、皆さんもおっしゃっているアーミッシュの村へ逃げ込んだ所からですね。ここでののんびりした雰囲気が賛否を分けるところだが、カーペンター・ハリソンも見れ、カーラジオでダンスするセクシー・ハリソンも見れるという、一粒で二度も三度もおいしい、お得感十分な作品になっている。それだけではハリソンのプロモになってしまいそうだが、ストーリーの方もしっかりしており、閉鎖的なアーミッシュの村と、同じく閉鎖的な警察内部という対比がおもしろい。その二つの社会の交わりは実際困難で、ラストの別れのシーンが切ない余韻を残している。 【ちゃか】さん 8点(2004-09-15 10:13:26) (良:1票) |
115.全体的にゆったりとして映像が奇麗です。話は単調ですが心に残っている作品です。 【winger】さん 8点(2003-09-29 01:15:07) (良:1票) |
114.《ネタバレ》 これこそサスペンス・ロマンスの理想型です。無駄な台詞、無駄な場面、無駄な登場人物が一切存在しません。登場人物の心を細心の注意で大切に扱っている制作者側の真摯な姿勢が、どのシーンからも溢れています。冒頭15分で早くも前半クライマックスのトイレのシーンまで到達する手際の良さ、そこからサスペンス部分は素早く片付けて、ハリソンがベッドで唸っている間にいつの間にか作品世界まで自然にアーミッシュの村に移してしまう脚本の巧みさ。電気がないという村の生活習慣を逆に生かして、ランプの灯りとバックの暗さを最大限に駆使したカメラと照明の凄味。ケリー・マクギリスの素人美人な雰囲気と、ルーカス・ハースの吸い込まれるような瞳。すべてが見所満載です。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 9点(2003-06-22 23:26:32) (良:1票) |
113.初めて見たときは アーミッシュが何なのか あまりよく分からず、サスペンスな展開を期待してて、少し退屈な思いをしました。しかし、改めて見ると、ストーリーの土台となっているのは、「アーミッシュ」であって、「目撃者」は ただ飾り付けられているだけという事が分かりました。そんな簡単な事に 気づかなかったなんて、ホントにバカだった。情けない・・・。心の奥深くまで沁みる 良いお話しでした! 【ケンジ】さん 10点(2003-06-08 23:05:46) (良:1票) |
112.傑作だとか、駄作だとか、そういうんじゃなくて、愛することができるか否か、こそが大切な作品じゃないでしょうか。そう、確かにアーミッシュというものの風俗的面白さを除けば、陳腐なストーリー展開でしかないのかもしれない。映画史に残る大傑作じゃ、お世辞にもないでしょう。けれど、何気ない人物の表情や、セリフ、ワンカットといった部分が、これほど心に残る映画もそうはないと思う。だからぼくは、この映画が大好きです。時々、いろんなことに疲れたら、いつもこの映画に帰ってきます。そして、心満たされるんです。 《追記》明け方間近の薄明のなか、ハリソン・フォードの主人公にヒロインのケリー・マクギリスが駆け寄り、抱擁し、キスをする。まさに情熱=受苦として“パッション”と、この愛が刹那と分かっている「大人」たちのどうしようもなさを同時に了解させるふたりの姿・・・。今でもぼくはあの場面を、アメリカ映画のなかで最も美しいラブシーンのひとつだと信じております。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-05-22 12:58:33) (良:1票) |
111.素直にいい映画だと思います。たしか監督はアメリカ人じゃ無かったと思います。心の機微の画き方なんかはハリウッドしてなくて新鮮でした。「アーミッシュ」を除くとただの映画だとか書いてる方がいらっしゃいますが、なんで除くの?その考え方がよく分かりません。つまらないケチを付けるのは止めましょうね。 【ニーナ】さん 5点(2002-03-29 17:43:48) (良:1票) |
《改行表示》110.《ネタバレ》 以前にも数回、鑑賞の機会があったにも関わらず、早い時間帯で寝落ちしてしまい、結局どんな映画だったのか全然覚えてないという因縁の作品でした。 そして今回、改めて見直した結果、初見と何ら変わりありませんでした...。 ハリソン・フォードもケリー・マクギリスもサスペンス(序盤)も大好きなんですけどね。 よっぽど眠かったんでしょうね。 皆さんの評価も高いみたいなので今度こそはと意気込んで観たら、なんか想像と違ってて案外良かったです。 それにしてもアメリカ、広いですね。 アーミッシュという日本人には理解のできない異文化民族(?)が存在しているなんて。 レイチェルも、義父とサミュエルを捨ててジョンの元には行けないだろうし、ジョンもそのことはよくわかっているんでしょうね。 この映画って、結局のところサスペンスをスパイスに使ったラブロマンス映画だったと思います。 【プラネット】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-25 20:09:13) |
《改行表示》109.《ネタバレ》 【良かったところ】 最後の別れのシーンが切ない。 お互い好きなのに、お互いの生きる場所が異なるから別れるしかない。 とても悩ましく切ないシーンだ。 【ダメだったところ】 冒頭の殺人目撃シーンはなかなかの緊迫感だったのに、それ以降は急にロマンス映画になったりで、どっちつかずの中途半端なところ。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-08-20 19:28:29) |
108.邦題から謎解きやサスペンスかと思いきや、違った。 【TERU】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-28 20:27:23) |