6.《ネタバレ》 三上博史の過剰な演技、血管の浮き出た顔はホラー向きだと思いました。酒井法子もこういう作品がすっかり板に付いたような。堀北も本来は影のある役でこそ本領を発揮するタイプ。小野真弓の地味目の顔立ちにも不幸が似合う。概ねキャスティングは良好だと思います。物語は、往年の名作オカルト漫画『恐怖新聞』からアイデアを頂戴しているとのこと。本作で示される恐怖新聞の法則は、“新聞に書かれている事実を変えてはいけない”。変えた場合は、災いがその身に降り掛かる。しかも単純に死ぬのではなく、時限の隙間(あの世とこの世のハザマ)をさまよう罰が与えられるようです。それはある種の地獄。見たくない悲劇を永遠に繰り返す。山本圭がそのことを証言しています。ですからラストに救いはありません。おそらく三上は、我が身を犠牲にして永遠に家族を救い続けるのでしょう。切なく、やるせない。本来であれば、感動系にシフトしてもおかしくないお話です。三上は命を賭して元妻を救っています。でも“あえて”その部分を、物語の焦点にしていません。もっと大切なことがある。最後に突きつけるのは、過去はどんなにあがいても変えられないという厳しい現実。“後悔先に立たず”です。ただし、逆説的なメッセージが隠されていることも見逃せません。悲劇が起こるまでの僅かな時間、三上は幸せを味わうことが出来る。彼はようやく家族の幸せに気付きました。恐怖新聞のせいで事故が起きたのではありません。誰だっていつ死ぬのか分からない。だから今を大切に生きる必要がある。本作はホラー。救いはありません。でも少しだけ優しい。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-16 17:59:15) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 おもしろかったです。よくできていたと思います。電話ボックス以降の出来事(つまり映画のほとんどの部分)は「実際には起きていない」というのが僕の解釈です。つまり、主人公は過去に戻ったのではないのです。これから起きることを予知した主人公が、自分が犠牲になることを選ぶ、という話だととらえました。最後はちょっと泣いちゃいました。 【コウモリ】さん [地上波(邦画)] 8点(2007-03-31 15:02:39) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 何も出なくても雰囲気だけで感じさせるのは悪くない。映像的には明るい場面も多いがそれで不吉感が削がれることもなく、談話室の窓から見えていた青空は画家のルネ・マグリット(「呪い」など)を思わせるものがあった。また腹に響く大音響はこの監督の特徴なのかも知れないが、この映画でも極めて衝撃的で効果的に使われていた。 ほか登場人物については父親役の顔がくどいので極めて不快だが、車が爆発する直前の子役の表情と、小野真弓が電車で去るときの不思議顔は印象に残った。この映画の小野真弓は全く華がないが、それでも個人的には不憫で愛しく思われる。 ところで基本設定に関して、原作と違うことは別に構わないが、この話の中で新聞を持ち出すこと自体に違和感がある。アカシックレコードなどというありきたりな説明を付けているが、紙媒体の記録をそのまま保管しているのでない限り新聞を介する必然性はないはずだ。また惨事だけでなく普通の出来事についても膨大な記録があるはずだが、ホラー映画という性質から殺人事件とか大事故ばかりを話題にしなければならず、結果として主人公夫妻がたまたま複数の事故に見舞われるという不幸な偶然になっている。それでも新聞だから悲惨な事件に飛びついて当然、といった感じで何となく正当化されてしまっているのが気にいらない。 そもそも全体を司る主体が見えておらず、「地獄に陥れようとする」といったことを誰の判断でやっているのかわからない。これがいわば自然現象として起こっているとすればかなり無理があり、単純な数字合わせとか時間の前後の問題というならまだしも、観客が疑問を持たずにスルーできる限界を超えている。どうせホラーだから雰囲気だけで可などというのでなく、基礎的なところでちゃんと筋を通してもらいたいものである。 ただ、家族愛の話としてはこれでよかった。父親/夫の心情としては満足だろうと思われる。 なお最後に新聞が書き換えられていたのは、主人公の最後の行動が裁定者によって承認されて無限ループを抜け出したことを意味しており、これは霊能者の先生が自分を犠牲にして主人公に選択肢を与えておいてくれた結果だったというように解する。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-01-03 21:29:14) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 「映画館出る!!」と思った初めての映画。もちろん怖くて。 ハッキリと覚えてます。 小野真弓の役が死に、葬儀の場面。「お顔が無くなっちゃったのぉ~」と母親が泣き崩れますよね。その時点でスイッチが入りました。 「エッ?小野真弓の、顔が、、無くなった??」あえて深く考えず、首が飛んだんだよね!って思ってたら、それ以上のものが・・・で、一番上のワードが。 「小野真弓はアイドルイメージを脱却するために、あの役を引き受けたんだ」とか 「撮影時は合成の為に青い塗料を塗ったりして笑いの絶えない現場だったに違いない」と自分に言い聞かせて、なんとか消化。 その後も、かたくなに手で顔を隠す娘のシーンにびびり、僕もかたくなに手で顔を隠しました。あんなに警戒したいないいないばぁはありません。 黒こげの幽霊や顔ナシ幽霊がなんのバックグラウンドもなく唐突に出るのはいいんだけど、キャラとして確立した人がああいう風に表現されると・・・。 そう考えると、とてもリアルかも。ラストは衝撃的でした。 【ホーマー】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-04-01 20:40:19) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 クライマックスは突如としてやってくる!心臓に悪いんだってば あんなのは。 しかも5歳の女の子でしょうが 勘弁してくださいって あんなのは。 とても恐ろしいです。すんごい恐怖です。しかしその後は、、中盤からは だらっと観れる ポテチものんびり食える 耳ほじだって楽々出来る あくびだって5、6回は出来たかしら、なんせ中盤から後半部分にかけてはまったりしていたから、ちょっと間延びしちゃっていたかな、ちょっとダレダレだったから。 しかしまたもや最後近くになってビビッてしまったの。法ピー突然死なすのやめちゃってんてば^^; ビビってしまったというか、突然ちゅうのは何でも心臓に悪いんだってば 特にあんなのは^^; そして最後も悲しいでしたね。あの新聞、まるで一反木綿のようにひらひら飛んでましたね。恐ろしいですね・・ 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-08-30 22:24:54) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 過去を変えてしまうことによってどうなるのか?ということはネタとしてはよくある話であるが、すでに決定している未来を変えてしまうとどうなるのか?という視点は面白い。映画の中では地獄に落とされるという表現でそれを表していた。あの自室のドアを開けた時点で現実時間の主人公の存在は消滅したのであろう。そして主人公は過去に遡り、愛する者の死の場面を延々と見せられる訳である。確かにそれは地獄であろうと思う。ところで、ラスト自分を犠牲にして妻と娘を助ける選択肢を選べた訳だが、これで主人公は地獄から解放されたのだろうか?推測であるが、きっと主人公はあの後も事故の場面を延々と繰り返し、永久に自分を犠牲にして妻と娘を助け続けるのだと思う。主人公にはそうする選択肢しか選べないのだから。それもまた地獄である。ところで、三上博史はやっぱり凄い。この人の演技だけで恐怖度50%はアップ、である。 【ばたあし】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-19 08:56:25) (良:1票) |