37.《ネタバレ》 真田広之主演による時代劇と言えばおそらく世の多くの映画ファンは「たそがれ清兵衛」かもしれないが、私は違う。「たそがれ清兵衛」より早く作られ、公開した年は同じ2002年である。「たそがれ清兵衛」がやたら高評で多くの賞を獲得した中であまり取り上げられることもなく、その年のキネマ旬報でも無視されているような結果になっていたが、映画としの面白さ、時代劇としての面白さで完全にこっちのが上だと私は思う。何しろ主演の真田広之が活き活きとしていて演じている本人が物凄く楽しそうであるのが良い。やはり役者、特に主役が楽しそうに演じている映画はそれだけで観ていても気持ち良くなれるので私は好きです。冒頭のあの砂煙りの中、一人刀を振り回しまるで子供のように楽しそうにしている姿、そして、そこに現れる大勢の子供達、このシーンだけでも真田広之同様、監督である岡本喜八監督もこれから面白いものを見せてあげようではないかという心意気が伝わってくる。脇を固める俳優陣にしても芸達者な顔ぶれが揃い、その中で伸び伸びとしている真田広之、そんな真田広之が仇討に乗り込む時に言う台詞「これから二人ほど斬るが他の人は邪魔になってはならない」とか「ここら辺でお開きにしよう」とか何だか寅さんみたいで笑ってしまう。ラスト、馬に乗って去っていく真田広之と鈴木京香のツーショットなどは岡本喜八監督が西部劇ファンであることの証であり、遺作にして最後まで娯楽映画に徹しようとして遊び心を忘れなかったこの岡本喜八監督という監督の素晴らしさ、多くの映画監督は晩年、特に遺作ともなると娯楽よりも芸術志向に走るものだが、最後まで娯楽に徹して楽しませようと言う監督の心意気を私は評価したいと思います。最後にあのジャズの音楽も時代劇とよくマッチしていて良い雰囲気を醸し出していることを言わせてもらいこの映画についてのコメントを終えたいと思います。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-23 10:08:28) (良:3票) |
《改行表示》36.《ネタバレ》 痛快なコメディ時代劇かと思いきや、意外とブラックで殺伐としたストーリー。 よく考えたら『仇討ちの助太刀』だったら無理もないです。ただプロローグではなんか楽しそうに助太刀をしているシークエンスを見せてくれたので、そのノリでいくんかなと思ったわけです。 要は、『助太刀屋』なんだから、助太刀で最後までいってほしかったんですよね。 父親を殺されて、その仇討ちを自分でやるのであれば、それはもう助太刀ではありませんから。 『位牌に頼まれて助太刀を引き受けた。』とかわけのわからん屁理屈を言ってはいましたが、そーゆーことじゃないんですよね。 それから歴史に疎い私には、今作で使われている言葉がよくわからないことが多かったです。 ですので、仲代達矢が追われる原因になった事件の真相や、風間トオルがいきなり殺されちゃう理由(真相に気付いたから?)なんかがよくわからないまま、エンディングを迎えてしまったのは残念。もう少しアホな自分にもわかるような説明が欲しいです。 ラストのバトルはなかなか面白い。石をぶつけたり、あっちこっちに隠れたり、死体のフリしたり、助六ならではの戦い方が粋ですね。 見所はその辺と、ラストのオチくらいです。 ラストのオチも予想通りでなかなか良かったです。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-12-11 12:07:41) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 サクっと見られる軽妙時代劇。尺も短く、堅いこと考えずに気軽に楽しめるのがいい。ご都合主義や、オーバーアクションも全然気にならないのは、役者にのびのびと演じさせて、それが見ているものに心地よさを与えている監督の手腕なのかな。出演している役者が、みんな、私の好みだから余計そう見えるのかも。特に仲代達矢の存在感は抜群。音楽もすごく乗りが良くて、時代劇なのに全編ジャズっぽく、それが全く違和感なく場面の展開と見ているものの気持ちとをシンクロさせてくれる。岡本喜八監督の作品は、楽しい映画を楽しく作って楽しく見てもらおうという感じが伝わって来て、娯楽に徹してて、凄い映画だろう、いい画だろうという押し付けがましさがないのがいい。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-07-27 01:35:59) (良:1票) |
《改行表示》34.真田広之の江戸っ子なしゃべくりが気持ちよい。90分もないシンプルな仇討ち物語はちょっと物足りない。祭囃子風ジャズのBGMは堪らなくかっこよい。晩年の喜八監督が肩の力を抜いて作ったと思われる現代的センスの軽快で粋な小品時代劇。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-31 00:01:39) (良:1票) |
33.これが岡本監督の遺作になってしまったのかな・・・規模は小さいけど、岡本監督らしい(多分)日本的な泥臭さと軽妙なファンキーさが同居した、良い作品だと思います。ピョンピョン跳ねる真田広之のイキが良くて、楽しいですね。鈴木京香演じるおぼこ娘(どうでもいけど「おぼこ」って漢字で書くとちょっと凄いよね)も良い感じにドン臭くて可愛かったと思います。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-04-16 16:35:19) (良:1票) |
32.同じ真田広之出演の「たそがれ清兵衛」や「ラスト・サムライ」とは違い、軽いノリで楽しめる映画である。ところで岸部一徳は時代劇ではなぜいつもこういう役なんだろうか。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2005-04-01 23:44:07) (良:1票) |
31.役者の年齢よりも、ストーリー展開の強引さが気になった。それに、人がバカバカ死んでいるのにあの気楽さはなんだろう。それ以外は良かったと思う。演出は面白かったし、音楽もすばらしかった。 【洟垂れ】さん 6点(2004-03-12 15:28:00) (良:1票) |
30.うーん,↓皆さんの高評価,興味深く読ませていただきました。私としては,冒頭のナレーションに乗せた真田広之の科白と動きの大袈裟ぶりが鼻についてしまってからの一時間半,どうも楽しめませんでした。岡本喜八監督の作品云々に関しては全く予備知識がないので,何とも言えませんが,痛快でハッピーエンドの作品を単に描きたかったのか,それとも各登場人物の心情を追いたかったのか,私には掴めずに終わってしまいました。あと,同郷にして母校の後輩でもある京香さん,もともと老け顔でしたが,本作では特に年齢設定に無理がありますね・・・。ま,これを機会に時代物をかじってみようかな,なんて思いました。もともと嫌いじゃないので・・・。 【koshi】さん 5点(2003-04-27 20:39:48) (良:1票) |
29.「たそがれ~」ばっかおっきく取り上げられてて非常に不満。これと「EAST MEETS WEST」があってこその清兵衛ではなかったのか!? こういうつきぬけた明るさの岡本作品が大好きです。 【リコシェ号】さん 8点(2003-02-11 20:55:43) (良:1票) |
28.時代劇って、なんかお気軽だなあという感じでした。一緒に敵討ちした風間が殺されても平気な鶴見にはびっくりした。もっとびっくりしたのは24才という真田の役だった。その上をいったのが鈴木さんがおそらく10代の役だったことだ。テンポが良くておもしろかったけど、だまされたままの村田のことが気がかり。人生踏み外すなよー。 【ちゃる】さん 8点(2002-03-06 16:17:10) (良:1票) |
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27.いや、いいよ、岡八!!近年のリアル路線よりも軽快な娯楽時代劇として上手くまとめてる。話はこじんまりしてるけど、話をそれ以上に展開させないやりくちなんか巧妙だとあたしは思いました。【ちっちゃいこ】さん、この面子でこのメンツで「おぼこ」やらの話なんだけど、昔の時代劇の役者に比べりゃ若いっスよ。あの演技を今の「おぼこ」にやらせようたって、そうは出来ない。(笑)あと、問題は方言だね。上州弁がどうしても鈴木京香はずうずう弁っぽくなってるし、岸田今日子もそれに引っ張られてる感が強かった。真田も信州訛らしきものがちらほら、いちばん上手かったのは小林桂ニでこれは群馬出身だから当然、で次が村田雄浩なんだけどこれがハッキリしていて映画的にも方言的にもよかったかな。あたしの見ている周りは殆どお年寄だったけど、実に楽しそうでした。こういう映画をもっと作って欲しいものです。 【奥州亭三景】さん 8点(2002-03-04 12:55:16) (良:1票) |
26.う~ん!!真田広之好きなのよね~!!コレみて、彼は声優イケるかもと思った!!時代劇の節回しも自然で(映画館だからかなぁ)いい感じ。でもな~ちょっとな~、ノリとテンポで持っていくにはちょっと足りない、シリアスにはなりきれない…、ちょっと中途半端かも。このメンツで「おぼこ」やら「子供っぽさ」ってのもちょっいと無理あるかなぁ。いや、きらいじゃない、きらいじゃないけど、もっとよくなっちゃうんじゃないって気持ちもある。時代劇はなぁ、血が出ないから「死んだしなない」が微妙っつーかズルいよねぇ。 【ちっちゃいこ】さん 6点(2002-02-28 01:54:55) (良:1票) |
《改行表示》25.仲代達矢の凛とした佇まいと、真田広之の溌剌とした立ち居振る舞いが印象的。お二方とも体幹がしっかりしているのでしょう。別にセリフがなくても、いるだけで絵になる感じです。岸部一徳とか村田勝浩とか本田博太郎とか、20年前も今も役どころがまったく変わっていなくて笑えます。これはこれですごいことなんじゃないかと。一方でオロオロする岸田今日子は新鮮でした。 要するに痛快娯楽時代劇ということで、日本映画にしては珍しいほどテンポよく、サラッと見れます。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-04-17 23:39:23) |
《改行表示》24.映画において、あまり構図がキマり過ぎるのも、機械的な感じがしてきてちょっと居心地が悪くなるもの。だけど本作はむしろその路線をとことん突っ走って、大いに遊んでいる、という印象。真田サンもひときわ大仰な演技でその路線に乗っかって、なかなかに愉快な世界を繰り広げてくれます。 最初の方は、陰気で不気味ですらある岸田今日子のナレーションとか(本人は普通にしゃべってるだけだと思うが)、棺桶屋の小林桂樹が何度も槌で指を打ってしまうシツコさとか、少々まどろっこしいところもあるけれど、心配ご無用、物語は次第にテンポを上げ、またテンポが上がるに従い、これが絶望的な復讐譚なのか、単なるオチャラケのオハナシなのか、よくワカラなくなってくる。そして、ワカラなかろうが何だろうが、突っ走り出したらもう止まらない。 だいたい、「助太刀屋」って一体何なんだか、他人の仇討ちの助っ人が専門、というのも随分ヒネた話だけれど、いよいよ自分が仇討ちをする段になってもまだ、「助太刀」を言い訳にしないと動けない、ってのがさらにヒネていて。ラストでもまた軽くいなされてしまう、つかみどころの無さが、スピード感と相俟って心地いい。 90分弱の、そんな小品。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-24 21:01:58) |
23.《ネタバレ》 父子の葛藤や和解が描かれるわけでもなく関係が曖昧なまま仇討ちに移行していくのが唐突な印象。本人曰く「仇討ちではなく位牌に助太刀を頼まれた」という事らしいのだが、説明としてやはり無理がある。そういうディテールに拘る作品ではないのかもしれないが、肝心の動機となる部分なのでこの辺は疎かにしてはならないと思うのだが。 |
《改行表示》22.真田広之さんがノリノリで楽しそうで、それだけで嬉しい。 アクションキレキレだし、スタイルが良いし、軽やかで笑えた。 ストーリーは素朴な感じだがジャズと時代劇なのだから、まあいいか(笑) さくっと観られて満足。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-04-08 17:03:50) |
21.時代劇が画一化して、衰退していく時代、このようなサクッとした時代劇もありかなと思う。キャストも、シナリオも新しく奇抜なことを始めるのは、難しく、違和感があるのは仕方ないが、楽しく軽く流せてみられる時代劇はありだと思う。 【min】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-03 20:46:34) |
20.コメディチックにしようとしているのに、ネタもキャラクターも弱すぎて、真田広之の全力の演技が空回りしまくっている。全体がえらく中途半端なのです。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-05-02 21:26:03) |
19.軽妙?? 真田広之のノリの軽さに..ガッカリ.. 【コナンが一番】さん [地上波(邦画)] 2点(2007-08-22 12:27:43) |
18.賛否が極端に分かれてますね。でも、90分の小品としては、十分楽しめたかな。製作に当たっている映像京都は、大映が倒産したあとに残ったスタッフや監督たちが立ち上げた、プログラムピクチャーを支えた職人集団。市川版の映画版『帰ってきた木枯し紋次郎』や、最近の山田洋次監督の時代劇も支えている。今回もかつての大映映画を思い起こさせる職人芸が光ってる。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-17 21:28:33) |